Preludia - Unofficial website for Rafal Blechacz

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2014年11月21日金曜日

ポズナンでのスタンディング・オベーション

ラファウ・ブレハッチは11月21日夜(現地時間)、ポーランドのポズナンで演奏しました。

ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番ハ短調
演奏:ポズナンフィルハーモニー管弦楽団
指揮:アントニオ・メンデス

Program page



4年半ぶりとなるポズナン(およびポーランド)での演奏、ポー国のファンは3年近く前から、楽しみに待っていました。(彼がインタビューで予定を公表していたのです。)前日のリハーサルは、公開リハーサルの形となりました。たくさんのプレビュー記事が書かれました。

演奏に先立ち、RBがインタビューにいくつか応じています。

インタビュー【ビデオ】 wtk.pl

Interviewer Anna Plenzler

Interviewer Marek Zaradniak

久しぶりのポーランドでの演奏について、ベートーヴェンのコンチェルトの重要性、この曲を演奏した2012年のコンセルトヘボウでのトレヴァー・ピノックとの出会い、ギルモアアーチスト賞を受賞して、今後のアルバムや演奏曲について、などなど。

RBのインタビューは金太郎飴で毎回あまり大差がないのですが、いくつか新しい話題もあり、自国語だからでしょうか、同じ話題でも細やかなニュアンスで語っているような印象があります。

かつてワタシはこのブログを純粋なファンの視点から始めました。すぐにポーランドなどのファンの方が呼応してくれて、各国の記事などをシェアしてくれるようになりました。チャットしながら楽しくブログしていました。その後ブログの視点が変わってしまいましたが、サイトの目的は、音楽家ブレハッチのプロフェッショナルな活動を伝えることで、これは最初から一貫しています。

しかし新譜の発表や演奏会予定等の活動は、さまざまな関係者のビジネス等の利害がからむ企画でもあり、公式筋の公表まで待つ、等、確認が必要な複雑な事柄がたくさん出てきて、むずかしく感じるようになりました。

ともあれ、当時のことはとても大切な思い出です。
久しぶりのポズナンでの演奏に、こうしたファンの方々への懐かしさや感謝の気持ちが湧いてきました。

おそらく、演奏後、さまざまな記事やレビューなどもたくさん書かれることでしょう。。

次回のポーランドでの演奏は、2015年2月24日、ワルシャワにて、同じベートーヴェンのコンチェルトになります。

演奏:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、指揮:ヤチェク・カスプシク(アントニ・ヴィトの後任)

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演奏会の記事が出ました。(演奏風景やスタオベの写真が数枚見られます)。スタオベに応え、RBはアンコールとして、ブラームスの間奏曲、ショパンのポロネーズ(英雄)とプレリュードを1曲弾いたとのことです。(11/22追記)  

↑演奏会を聴きに行ったポー国のファンの方々からの情報も含め。

photo credit gloswielkopolski.pl

別の記事です。リハの写真が見られます。   

こちは演奏会の別の写真  カデンツァ?アンコールの英ポロ?と想像です。

オーケストラのウェブサイトでもたくさんの写真

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放送予定です。2014ギルモアキーボードフェスティバルよりRBの演奏
ミシガン州の現地時間です。日本では平日の昼なので、きける人は少ないとは思いますが・・
(ドイツのクラオタさんからの情報)


Listen Live at 8 PM  (Michigan local time)
http://wmuk.org


December 2, 2014    Chopin: Three Mazurkas, Op. 63

December 9, 2014    Chopin: Scherzo No. 3 in C-sharp Minor, Op. 39 and other piece

January 27, 2015     Beethoven: Piano Concerto No. 3 in C Minor, Op. 37
                            Kalamazoo Symphony Orchestra
                            Conductor: Raymond Harvey


2014年7月6日日曜日

ブリュッセルにて、インタビュー


ラファウ・ブレハッチが、6月2日、ブリュッセルでリサイタルを開いた折に、ベルギーのFM Brussels にアップされたインタビュー(Audio) があり、その日本語です。

目新しい発言があるわけではないのですが、久しぶりの声とインタビューということで。

(1回聞いただけの、ややアバウトな訳です。)


FM Brussels ウェブサイト、インタビューの音源

(引用)
はい、僕は哲学を学んでいます。何日か前ですが、ポーランドのトルンにあるコペルニクス大学でちょっとした講義を行いました。とても面白かったですよ。学生や教授達とのミーテイングで、僕は音楽作品の解釈という文脈での作品のロジックとアイデンティティについて話しました。

―あなたが講義なさったのですね。

ええ(笑)、僕が講義しました。

―すべて、音楽とあなたの研究につながっているのですね?

音楽の哲学、美学、形而上的音楽について、ということで、たくさんの作品を例に説明しました。たとえば、バッハの音楽、それからショパンの作品も何曲か使いました。興味深い内容で、ピアノ作品や解釈について、自分にも役にたちました。

―ということは、ご自身が演奏する作曲家の伝記も読むのですか?

そうですね。ときには・・例えば作曲家の弟子にあてた書簡なども読みます。ショパンコンクールの前、2005年以前に、ショパンの手紙を集中して読んだのを覚えています。自分の作品についての興味深い助言を弟子にあてて書いたものです。それから僕はベートーヴェンの手紙も読みましたが、特定の作品を独自の方法で演奏する場合、とても参考になります。

―コンクールで有利に働いたでしょうね。他のコンテスタントが読んでいない手紙を読んでいたわけですから。

それだけではありませんが。練習もたくさんしなければなりませんでしたよ。


(音楽)
―ショパンはあなたの人生に大きな位置を占めていますか?

もちろんです。ショパンのおかげで、僕は世界中で演奏することができるのですから(笑)。

音楽教育を受け始めた頃、僕は古典派音楽、古典的様式に焦点をあてていました。ドイツ・グラモフォンでの2枚目のCDは2008年にリリースとなりましたが、古典派音楽をテーマとしたものです。ハイドンのソナタ、そしてモーツァルト、ベートーヴェン。古典派の様式は、僕にとってとても重要なものですが、ショパンにとっても重要でした。ショパンの初期の作品のいくつかは、古典派の様式にのっとっています。ショパンはモーツァルトのオペラをとても好んでいました。大きなインスピレーションを得たのです。(音楽) 僕にとっても、大きなインスピレーションです。

―すると、例えば、ドンジョバンニを聴くことが、ショパンを演奏する助けになる、というと言い過ぎでしょうか?

そのとおりです、もちろん。ショパンの音楽にもベルカント、美しい旋律がありますね。正しい様式をつくるには、正しいアプローチが必要です。もちろん様式は異なります。(ショパンは)ロマン派の様式ですね。しかし、ここに、古典的なものとのつながりを感じるのです。

(音楽)
―あなたと、ショパン音楽のこうしたつながりによって、2人ともポーランド人だからこそ、あなたはこれほど弾けるのだ、と人はいいます。

そうですね。マズルカやポロネーズといった、典型的なポーランド舞踊の音楽を演奏するときは、助けになります。しかし、ご存知のとおり、ポーランド人以外にも数多くの様々な演奏家が、ショパンのマズルカやポロネーズを素晴らしく演奏します。ですから、音楽作品の解釈で最も重要なのは、芸術に対する感性だと思います。アートに対する直感ですね。直感力があるからこそ、アーチストは作品に対する独自の見方とか、マズルカやポロネーズのポーランド的な雰囲気をつくることができるのです。

(マズルカなどには)典型的なポーランド的リズムがあります。それからメランコリーともいえる感情・・・これが、ショパンのノクターンやマズルカ、そしてポロネーズでも部分的にで聞こえてきます。

―ということは、あなたな少しばかりメランコリックな人物、でしょうか?

メランコリックな人間にならざるをえないこともありますよ。ショパンのマズルカやノクターンに集中しているときは。でも、コンチェルトやエチュードを弾いているときは、喜びを強く感じることになります。ショパンがこうした曲を書いた頃は、彼にとって喜びにあふれた時代でした。コンチェルトや最初のエチュードの頃です。ですから音楽解釈のためにはあらゆる感情のパレットを持っておく必要があります。人は人生の中でとても面白い感情をいだくことがあるので、作曲家の感情の中に入り込んで、それを再構築するのです。

(音楽)
時々、聴衆によって特別な雰囲気がつくりだされて、それを感じることで助けられる瞬間があります。スタジオの中ですと難しいですね。1人だけで、楽器とマイクがあるだけで、演奏会と同じ雰囲気をつくらなければなりません。演奏会の方が自然です。こういう雰囲気でも不可能ではありませんが、比較するとむずかしいです。

―では、聴衆の前でライブで演奏する方が、好きですか。

ええ、演奏会と、それからライブ録音も好きです。

―あなたの仕事には静けさが必要ですね。勉強もそうでしょう。静けさを得るのはむずかしいのではないですか。ホテルのロビーでは外でロックコンサートがあったりします。どうやって静かな環境を手に入れるのでしょう。

僕はポーランドの小さな村に住んでいます。国の北西部にありますが、音楽にとりくむには、とても良い環境です。大きな都市だと、静かなちゃんとした環境を見つけるのは大変でしょう。僕は村に住んでいますので、自分の家で練習し、仕事しています。とても良い楽器を持っています。スタインウェイのモデルBですが、これで、自分の色や陰影をつくることができます。音色を研究すること、これは音楽で一番大切ですから。旅をするにはヨーロッパの中心にいた方がずっと便利でしょうね。スイスとかドイツの南部とか・・(ブリュッセルとか?) ええ、もちろんブリュッセルとか・・今は両親、妹と一緒に暮らしていますが、将来は別の場所に住むことも考えています。でも今はポーランドに住んでいて、ポズナンの良い空港からそれほど遠くもありません。フランクフルトやパリとの接続も良いですよ。それから、ヨーロッパでは、いつもは車で移動しています。

―飛行機は好きではないのでしたね。

そのとおりです。空港もだめです。空港は騒々しいですし、セキュリティチェックもあまり良くないし、複雑なこともあります。荷物で、悪い経験が、―なくなってしまったことがあります。ですから、車で移動するほうが好きですし、独立している感じがあります。いつでも好きなときに、どこででも止まることができますし、便利です。ここブリュッセルも車できました。

―今ではヨーロッパの高速道路地図は全部覚えているのでは?

はい覚えています。そういう意味で、最高の国はドイツですね。速度制限がありませんから。ブリュッセル、ベルギーでは制限がありますが、大きな国ではないので当然だと思います。つまり、ずっと安全な国です。

―道路が悪いとよく文句を言われますが、そうでしょうか?

そうでもないです。大丈夫です。もっと大変な道路の国もありますよ。
(引用おわり)



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最近、評論家のO氏が、他人のブログの文章の盗用、Wikiのコピペで文章を作り、O氏の文章を掲載した新聞社と出版社が謝罪文を出したことが話題になっていましたが、考えさせられました。被害にあった方は堂々とメディアに抗議し、謝罪文の掲載まで頑張られました。


私も数年にわたり、ある人物から同様の被害に繰り返しあったことがあります(O氏の件と同じ出版社)。私が日本語に翻訳したものがコピペ的に組み合わされ、記事が捏造されました。ファンが偽りの記事を本物と信じて読む、というのは、耐え難いことでした。そのことで私は何年もの間苦しみ続けたのですが、ーー騒ぎを起こすことで演奏家に迷惑がかかることを恐れて、沈黙してしまったのです。


これは良くなかったと、悪いことは悪いことなのだと、被害者が直ちにしかるべき対応を法律と良心に従ってとるべきでした。矢面にたつことを恐れずに、善悪の区別はつけるべき・・そういう努力をすることで、世の中は少しずつ良くなるはず・・・教訓です。(その後、遅れながらですが、とるべき対応はとらせていただきました)。また、1ファンにすぎない自分が何か書くことによって、そういう行為を誘発してしまったことについても、反省しました。