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2013年1月12日土曜日

日本語表記で思っていること。

ラファウ・ブレハッチ関連の調べ物をする時、以前から疑問に思っていることがありました。
ブレハッチが生まれた、Nakło nad Notecią、日本語で表記すれば、ナクウォ・ナド・ノテチョンになりますが、日本の彼のレコード会社や事務所、音楽雑誌等では、ほとんどの場合、ナクウォ・ナデ・ノテションと表記されています。でもポーランド語の参考書の説明に従えば、ナデ・ノテション、というのはありえない・・

気になって、ポーランドの方々に質問してみました(ポーランド系の方々と、ポーランドに住む日本人の方)。結論は、やはり、ナクウォ・ナド・ノテチョンが最も原語に忠実なのでは、ということでした。ノテチ川沿いのナクウォ、という意味ですね。(nadはナトの方が現実的かも。グーグルマップでは、ナクウォ・ナト・ノテチョンになっていますよ、ときき、見てみたらなるほどそうなってました。nad をナデ というのははたぶんありえなくて、英語の at をアテと表記するくらい変な感じがします)

でもこれは地名だし、気にしなければいいのでしょうけど、来日を前にさまざまな主催者のちらしなどで彼のバイオが紹介されており、そのたびに目に入ってしまうのです。

もうひとつ、気になっているのが、彼が卒業した、ビドゴシチにある国立の音楽大学です。

The Feliks Nowowiejski Academy of Music in Bydgoszcz
(ポーランド語でAkademia Muzyczna im. Feliksa Nowowiejskiego w Bydgoszczy)ですので、

日本語で表記すれば、ビドゴシチのフェリクス・ノヴォヴィエイスキ音楽大学、になると思いますが、

レコード会社等の「公式」筋では、ナワヴェジスキ音楽大学、と表記されており、音楽雑誌等も皆これにならっています。

Feliks Nowowiejski、フェリクス・ノヴォヴィエイスキ はポーランドの作曲家・オルガニストの名前で、学校のウェブサイトによれば、1974年に設立された同校は、1979年、この作曲家にちなんで校名を改めたとのことです。

ノヴォヴィエイスキの作品のいくつかは、日本でも入手できるようです。→HMV

そのフェリクス・ノヴォヴィエイスキにちなんだ音楽学校の名前が、なぜ、ナワヴェジスキ音楽大学と表記されているのか、(この表記は、ラファウ・ブレハッチのバイオにのみ、見られます)わからないのですが、

私の想像では、Nowowiejskiを英語的に発音したものを、カタカナにしたのだろうか・・とも思います。

と思ったのは、今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートの時気づいたのですが、指揮者のWelser-Möstはウェルザー=メストとほとんどの場合呼ばれていますが、ドイツ語として発音すれば、Wはヴ、ヴェルザー=メストになるはず、しかし、英語化した音が一般化しています。

よく考えたら、ウィーンはなぜウィーンなんだ?Wien: ヴィーン、ドイツ語、Vienna: ヴィエナ、英語、など、主要言語は皆ヴィの音ですよね。

そういえば、ワルシャワもなぜワルシャワになったのかわからなくて、ポーランド語ではWarszawaヴァルシャヴァ、英語では Warsawワルソウ、やはり、ポーランド語を英語的に発音したのがそもそもの始まりなのでは、と想像します。こういう、今は昔、に定着した例は多いと思います。

いずれにしても、ブレハッチの出た音楽大学の表記は、ポーランドの誇る作曲家の名前にちなんでいるのですから、原語に忠実に表記した方がいいのでは、と思います。それとも、日本ではナワヴェジスキ音楽大学が定訳になっているのでしょうか?もしそうでしたら、ぜひ教えてください。

願わくば、彼の生誕地も、ポーランド語の発音に忠実に、ナクウォ・ナド(ナト)・ノテチョンと、「公式」筋の方々にも書いていただけるとうれしいです。