Preludia - Unofficial website for Rafal Blechacz

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2012年10月31日水曜日

早期の復旧を祈って

ハリケーンSandyで被害や生活に支障を受けておられる方々に、心からお見舞い申し上げます。
心配していたニュージャージーの知り合いは無事だったものの、停電で電話すら使えず、他州に一時避難するとのこと、
ワシントンDCのファンの方は、この大変な時に、ラファウの音楽が心を励ましてくれる、とコメントをくださいました。
皆さん、どうぞご無事で!

*****
思い出したのは、
2010年5月にポーランド南部で洪水の被害が出たとき、
丁度ポズナンで演奏したラファウ・ブレハッチが、演奏料を全て被害者のために寄付し、言ったことば。→


ショパンの音楽には深い苦しみや悲しみだけでなく、希望があります。 今ポーランド人が味わっている、このつらい時期にこそ、必要な希望が。」 (ラファウ・ブレハッチ、演奏会後の発言。)


彼は本当は、もっとポーランドで演奏したいのです。。

2012年10月27日土曜日

武蔵野市民文化会館リサイタル、チケットは11月2日から。

ラファウ・ブレハッチのリサイタル@武蔵野市民文化会館小ホール(470席)、2013年2月1日のチケット予約は、
11月2日(金曜日)午前10時からです。

電話:0422-54-2011、またはこのプログラムページから。



*****

以前「ピアノを弾くブレハッチさん」の絵をポストさせていただいた、漫画家の長江朋美さんの作品「君のために弾くショパン」第3巻が、11月5日に発売になるそうです。

「君のために弾くショパン」第3巻、横山幸雄さんの推薦のコメントがつくそうです
**推薦帯は、書店で購入分の初版にのみつくそうです。(アマゾンだとつかないそうです。)

Amazon.co.jp 「君のために弾くショパン3」

ラファウ・ブレハッチと直接の関連はありませんが、長江さんもラファウファンだし、この作品を読んで長江さんのファンになったという、ポーランドのラファウファンの学生さんがコメントしておられました。

「朋美先生のこの作品大好きです。とても才能のある漫画家で、そして楽しい方ですね。ラファウの音からインスピレーションを得られたとは知りませんでした。素敵です。日本人がショパンをとても尊敬して、自分の愛するものをいろいろな形で他の人に伝えようとするやり方は、すごいと思います。ポーランドでもショパンのことをあまり詳しく知らない若者が多いんです。こういうコミックがきっかけで、楽しく気軽に偉大な作曲家の歴史を知ることができれば素晴らしいと思う。私も高校の友達がきっかけでショパン音楽に興味を持ち、ラファウの音楽が好きになりました。この漫画、是非、ポーランド語で出して欲しいです。」(彼女は英語で読んだそうです。)



そういえば、以前インタビューでこんな発言が。

-ショパンイヤーが近づいてきました。世界中で様々なイベントが行われます。商業的な形でショパン物語とか、映画とか。どう思いますか。

いいと思いますよ。そういう方法が、普段音楽に関わりのない人たちにも接点を持たせるのであれば、いいアイディアだと思います。(ラファウ・ブレハッチ)

2012年10月21日日曜日

素晴らしいピアニストに心からの感謝を。

English

今日10月21日は、ラファウ・ブレハッチが2005年ショパンコンクールで完全優勝を果たしてから、7年目にあたります。(厳密には22日早朝)



以来彼のピアノの、言葉で表せない高貴な美しさは、多くの音楽ファンの心に感動と癒しを与え続けてきました。

Mazurka in C minor Op.56 No.3



ピアニストはこの日を、どんな風に過ごすのでしょう?
多分・・日曜なので教会に行って、その後ピアノを弾くのでは(オルガンかも)・・


「日曜の方がたくさん弾くくらいですね。・・・鳥が飛ばない日はないのとおなじで、ピアノを弾かない日はありません(笑)。」(2009年2月来日時のインタビュー by 那須田務氏、レコ芸2009年11月号)→

あるいは哲学書を読んで過ごすのでしょうか。

これからも、健康で、幸せに、ずっとピアノを弾いていかれますように。

***

「突然、音楽ホール全体がインスピレーションで満たされるのを感じた。
ブレハッチのコンチェルトホ短調は、聴衆の心を捕えた。
そして、審査員の心も。 」
(コンクールのドキュメンタリービデオより。→ ( Watch Videoをクリック).

ブレハッチは最後の方にようやく登場しますが、彼のピアノの音で突然雰囲気が変わります。

このビデオの日本語訳です。
(ちょっと拙速です。見直さなきゃと思いつつ、はや5年)




2012年10月20日土曜日

放送のお知らせ(11月20日早朝)

ラファウ・ブレハッチのマインツでのリサイタル(9月28日)が、11月20日の早朝4時3分から、SWR2で放送の予定に入っています。(現地時間で19日の20時3分)


SWR2の放送予定表
P.2の20:03を見てください。

2012年10月15日月曜日

ノースカロライナのリサイタル・レビュー

ラファウ・ブレハッチの10月12日のリサイタル@デューク大学について、
レビューが出ました。
なんだかもう、賞賛の嵐のような内容で、清々しいです。

まだ英語


*****
ところで、東京に、ポーランド料理のレストランができたそうです!
「レストラン・ポルスカ」@日本橋→

去年、渋谷にできたお店が引っ越したそうです。正直なところ・・すんごく嬉しいです!早く行かなきゃ。静岡と鹿児島にもあるそうですね。

英語ブログにもこのレストランのことをアップしたら、ポーランドのファンの方が、「そういえば、以前ラファウは日本でのインタビューで、東京にポーランド料理のお店はないか、きいてたわね。」、ドイツのファンの方が、「彼は来日の時に行くんじゃない?」とコメントをくれました。

来日スケジュールは超タイトなので、そういう時間はないだろう、と思われますが(このアーチストは、演奏会前の練習量が並々ならない)、以前のインタビューというのは、これです。→

ECHO Klassik 2012の授賞式が行われました。


10月14日、ECHO Klassik 2012の授賞式が、ベルリンのコンツェルトハウスで行われました。

すでにお伝えしているとおり、ラファウ・ブレハッチのアルバム「ドビュッシー・シマノフスキ」は、Solo Recording of the Year (ピアノ、20/21世紀作品)を受賞しました。→

ユニバーサル(ドイツ)のニュースリリース
受賞アーチストの写真が掲載されています。ブレハッチはアメリカに滞在中で、欠席でした。



Swiss Orpheum Foundationのリリース
同基金のソリスト4人が受賞、ラファウ・ブレハッチは同基金の主催で2006年に演奏会を開きました。


KD Schmid (英国) (英語)のリリース 
KD Schimid (ドイツ)のリリース
ブレハッチのドイツ・イギリスでのオフィスのリリースです。

(.....) The album was released by Deutsche Grammophon in February of 2012. Reactions from the press have been impressive: “Suddenly music sounds completely pure again, wholly authentic; the message of the music comes from its innermost parts […]” (Die Zeit, March 15, 2012).

2012年10月13日土曜日

ダーラムでのスタンディング・オベーション

10月12日、ラファウ・ブレハッチはノースカロライナ州ダーラムの、デューク大学Bryan Center Reynolds Industries Theaterにて、リサイタルを開き、少し前に終了しました。

「また素晴らしいリサイタルだった。最後にはスタンディング・オベーションに。アンコールを2曲。ショパンのワルツイ短調と、マズルカop.17ホ短調。」

この会場での演奏は、2010年3月に続き2度目。

2012年10月11日木曜日

ラファウ・ブレハッチのインタビュー、ノースカロライナでのリサイタルを前に。

English

ラファウ・ブレハッチのインタビュー、10月12日のリサイタルの主催者である、Duke Performanceのブログ、"The Thread"に掲載されました。


インタビュー・オリジナル

(.....)
アメリカに来るのは今回5回目です。アメリカの聴衆は好きですよ。初めてのコンサートは2008年、ギルモア・キーボードフェスティバルでした。著名な場でしたので、招待を受けたときは嬉しかったです。それから、2008年には、ニューヨーク・フィルハーモニックとも共演しました。ショパンの協奏曲第2番を弾いたのですが、ニューヨークで重要なオーケストラと共演できたのは、素晴らしい経験になりました。

--国によって、聴衆の違いを感じますか。例えば、ヨーロッパと日本は?

それほど大きな違いはありません。日本では、僕がショパンを演奏するとホールが満席になるようです。日本人にとってショパンはそれほど素晴らしい存在です。どの国でどんなプログラムにするか、というのは重要です。初めて日本でツアーをしたのは7年前でしたが、日本のエージェントからのリクエストで、ショパンだけのプログラムになりました。しかし、ドイツや、フランス、イギリスで演奏する時は、いろいろなスタイルや作曲家を組み合わせるのがとても良いと感じています。ですので、普通は前半にバッハやベートーベン、モーツァルトの曲を弾き、後半はロマン派の音楽をよく入れます。ショパンやシューマンなどですね。今シーズンのリサイタルではドビュッシーとシマノフスキをよく入れていますが、これはドイツ・グラモフォンから出した最新のアルバムに関係しています。シマノフスキはヨーロッパでも自国のポーランドでもあまり知名度が高くないので、もっと多く演奏していきたいと思っています。
(.....)

ギルモア・フェスティバル、2008年4月


ニューヨーク州での情熱的な演奏

English

10月10日、ラファウ・ブレハッチはニューヨーク州のスケネクタディ市、ユニオン・カレッジのメモリアルチャーチにて、リサイタルを開催しました。

「ラファウのリサイタルはとても良くて、聴衆とのラポールも素晴らしかった。明晰なバッハの演奏の後は賞賛の叫び声があがり、ベートーベンは衝撃的。ショパンの1曲目で人々は立ち上がり、とどろくような喝采を贈り、最後のシマノフスキの後は熱狂的なスタンディングオベーションとなった。満席だった。」
(R.F.)



ジョセフ・ダルトン氏による、リサイタル・レビュー、timesunion.comにアップされました。 

(.....)
"シマノフスキのソナタ第1番ハ短調作品8は、今宵、最も情熱的で、最も音楽的だったといえる。"(.....)


2012年10月10日水曜日

Zofia and Antoni Wit initiative

English

The Zofia and Antoni Wit Initiative (アントニ・ヴィット:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団音楽監督とご夫人のイニシアチブによる基金)は、ポーランドの音楽家がリタイヤした後使えるセンターを建造します。(既にオープンしたか、あと数日でオープンになるタイミングとのこと、アーチスト情報。ました。10月1日  )。

このイニシアチブは、作曲家のヴォイチェフ・キラールやラファウ・ブレハッチなどの著名な音楽家による寄付・支援を受けています。


オリジナルの記事(ハンガリー語)


2010年2月22日ワルシャワ















ポーランドのファンの方が、ポーランド語の記事もありますよ、とリンクを教えてくれました。(10月12日、追記)

Warszawa.Gazeta.pl

ゾフィア&アントニ・ヴィットのイニシアチブは、EUの資金が使われた他、多くの音楽家が賛同。とりわけ多額の寄付をした音楽家として、ヴォイチェフ・キラールやラファウ・ブレハッチ等ポーランドの音楽家やアンネ・ゾフィー・ムターの名もあげられています。10月1日のセレモニーは、大統領夫人の臨席を得て、盛大に行われたそうです。こうした音楽家のための施設は、ヴェルディが創設した、ミラノのカサ・ヴェルディがあるのみだったとのこと。

2012年10月7日日曜日

ラファウ・ブレハッチ2012年の米国公演、まもなく。

ニューヨーク州スケネクタディを本拠とする The Daily Gazette にラファウ・ブレハッチの紹介記事が載りました。彼のインタビュー付き。

Original article by The Daily Gazette

日本のファンの方であればよく知っている内容ばかりですので、日本語は省略します。











HUDSON SOUNDS というサイトに出ていた、 " Rafał Blechacz opens Union College Season."

この大学のコンサートシリーズのディレクターの方のインタビュー、最近就任した42歳の若手とのこと →


週末から米国入りしているラファウ・ブレハッチ、水曜日にスケネクタディのユニオン・カレッジのメモリアル・チャペルにてリサイタルを行います。

インタビューで少し触れている、次のアルバム「ショパンポロネーズ集」は、春頃から欧州各国のインタビューでも話題になり始め、来年秋頃のリリースをめどにしているようですが、アルバムの内容やリリースのタイミングは、常にマーケットの状況に影響されますね。最新アルバム「ドビュッシー・シマノフスキ」も、録音からリリースまで1年以上かかりました。Can't wait! という声をどれだけきいたことでしょう。結果的には、非常に良いタイミングだったのですが。

2012年10月6日土曜日

Best of Klassik 2012

English
ドイツの音楽賞ECHO Klassik 2012の受賞作品を集めた、Best of Klassik 2012がドイツで10月12日に発売されます。ラファウ・ブレハッチのアルバム「ドビュッシー・シマノフスキ」はECHO Solo Recording of the Year(ピアノ、20/21世紀作品)を受賞しましたが、このアルバムからも、サラバンド(ピアノのために、ドビュッシー)が入っています。Best of Klassik は、日本でも例年、輸入盤が入手できるようです。

Amazon.deウェブサイト
これはMP3のサイトですが、ディスクも出ます。
















なお、ECHO Klassk 2012の授賞式は、10月14日、ベルリンのコンツェルトハウスで行われます。→


Happy Birthday Karol Szymanowski

English

今日10月6日は、カロル・シマノフスキの130回目の誕生日です。


 シマノフスキのピアノソナタ第1番から、第3楽章メヌエット



「シマノフスキ音楽との関わりは比較的早い時期に、11歳か12歳の頃に始まりました。ポーランドのピアニスト、イェジー・ゴジシェフスキ** の演奏会で聴いたのですが、シマノフスキの音楽に本当に喜びを感じたのを覚えています。全てが美しく、心が痛むほど美しく響きました。特に、和音、素晴らしい転調、旋律・・・シマノフスキを必ず弾きたいと思いました。・・・今回は、”前奏曲とフーガ嬰ハ短調”、そして、”ピアノソナタ第1番作品8”を選びました。・・・」

「(この2曲を書いた頃)シマノフスキはとても若く、スクリャービンのような表現主義音楽に非常に魅了されていました。表現主義の典型的な雰囲気を聴くことができます。・・・ソナタ第1番の第3楽章は1種のメヌエットですが、彼が古典音楽の考え方やアプローチにとても接近していたことがわかります。・・・また、この曲はとても明るくて、特にメヌエットの中間部は多様なポリフォニーが使われていて興味深いですね。・・・」
(ラファウ・ブレハッチ)


シマノフスキに関する総合ウェブサイト



Violin Sonata in D minor, Op. 9: I. Allegro moderato (Patetico) Written in 1904.
David Oistrakh, violin
Vladimir Yampolsky, piano
Recorded in 1954.






2012年10月3日水曜日

ラファウ・ブレハッチのジュネーブ ビクトリアホールでのリサイタル(2010年3月)(podcast)

ラファウ・ブレハッチのジュネーブ ビクトリアホールでのリサイタル(2010年3月25日)を、スイスのRTS.chのウェブサイトで、オンデマンドで聴くことができます。
ブレハッチの大好きなホールでの演奏です。


RTS.ch のウェブサイト
"Ecouter" をクリックすると別ウィンドウが開きます。16:30から、第1曲目が始まります。


(Program)
バッハ:パルティータ第1番BWV825
モーツァルト:ソナタ第16(17)番 k570
ドビュッシー:「ピアノのために」
ショパン: バラード3番 op.47、スケルツォop.20、マズルカop.50、幻想ポロネーズop.61
アンコール:ショパンの遺作のノクターン


Le Temps に掲載された、このリサイタルのレビュー by ジュリアン・サイクス(英語・仏語)
サイクスは、長年にわたりブレハッチをウオッチ・評価しています。


@ドイツのバーデン・バーデン、2009年10月


*****
このバッハがまた聴けるウレシイ、と聴き始め、やはりショパンで陥落・・しました。

2012年10月2日火曜日

ラファウ・ブレハッチインタビュー、ドビュッシー・シマノフスキの音楽との出会い(ポーランド)

English

ポーランドの雑誌 Muzyka21, 2012年2月号に掲載された、ラファウ・ブレハッチのインタビューの一部です。

オリジナル・インタビュー
画面の真ん中あたりからです。

(Quote)
ラファウ・ブレハッチ:ドビュッシーとシマノフスキの音楽の色彩
ウカシュ・カチマレク


ラファウ・ブレハッチの新譜がリリースされた。今回はドビュッシーとシマノフスキのソロ作品。印象主義と表現主義:この2つの際立った音楽様式の作品を併置することがアルバム全体の特徴を決めている。明確な対照を成すことが、ピアニストの音楽的目的のひとつだった。この最新アルバムにおさめられているドビュッシーの作品のほとんどは、およそ10年間ブレハッチのレパートリーだった。かつ、ドビュッシー・シマノフスキ両方の曲が、彼のディスコグラフィーに既に入っている。記念すべき2005年のショパンコンクールより以前に録音された、アーチストの最初のアルバムのことだ。

このデビューアルバムについての質問から、私はピアニストとのインタビューを始めた。

「あれは本当に最初のアルバムでした。ドビュッシーのベルガマスク組曲とシマノフスキの変奏曲ロ短調を録音したこと、はっきりと覚えています。もう6年前になります。・・その間、これら作曲家への僕のアプローチの仕方は、確かに少し変わったと思います。今回は別の曲を録音しました。ドビュッシーの「ピアノのために」「版画」そして「喜びの島」、それから、シマノフスキは大曲ですがソナタ1番ハ短調です。ですので、こういった作品に対して、6年前とは違ったアプローチが必要でした。

シマノフスキとドビュッシーの解釈にどれくらいの違いが生じたのか、自分でこうだと言うのは簡単ではないですね。自分はその間、そのプロセスに浸っていたわけですから。おそらく、聴き手にきいた方がいいでしょう。僕の演奏を頻繁に聴けるわけではなく、毎日僕のピアノに触れるわけでもない。だから聴衆は6年前の録音と、現在の、重要なステージや録音の経験を経た後の演奏を比べることができるでしょう。きっと聴衆は変化を感じ取っているのでしょう。といっても物議をかもすような変化ではないでしょうね。解釈上の、あるいはもっと一般的に音楽で物議をかもす、というのは、僕の領域ではないし、やってみたいことでもありません。

しかし、ある作品を、特に録音すると決めた作品を、異なった場所、異なった音響、異なった楽器で演奏し続ける経験から、何かを得て、スタイルをつくっていけるのだと思います。もちろん、今、作曲家のスタイルのことを言っていますが、ある特定の作曲家による構造全体を保ちながら、そのスタイルの範囲内で、自分のアイディアや音楽の解釈を出していくことができます。」


スタイルといえば、ドビュッシーやシマノフスキの音楽に対する自分のビジョンに関し、ラファウ・ブレハッチは偉大な音楽的インスピレーションをどこから得たか教えてくれた。シマノフスキの場合、イェジー・ゴジシェフスキという演奏家がいる。10数年前にこのポーランド人作曲家の全作品を録音した演奏家で、彼を通じて、非常に若い時代のブレハッチが、何年も前に、前述の作品を聴く機会を得た。

ドビュッシーについては、彼はミケランジェリ、アルフレッド・コルトー、ヴァルター・ギーゼキングの演奏という、3つの主なモデルを明示している。私は、ラファウ・ブレハッチに、ドビュッシーやシマノフスキの作品に関する彼の最初の体験は何だったのか、またその他の音楽的インスピレーションについても質問してみた。

ゴジシェフスキ先生は、実際、先生のリサイタルが、僕のシマノフスキの音楽との最初の出会いだったのです。ビドゴシチの音楽アカデミーでのコンサートのこと、覚えています。先生はメトープと仮面、それからソナタの2番だったと思いますが演奏されました。とても素晴らしい演奏会でした!イェジー・ゴジュシェフスキがシマノフスキの全ピアノ作品のアルバムをリリースしたのも、ちょうどこの頃でした。当時僕は先生の解釈を聴き、そういうふうにしてシマノフスキの作品を勉強しました。初めて聴いた時から、この音楽に魅了されました。特に和声、それに、感情の鋭い対比と高みに夢中になりました。もちろん自分もシマノフスキの作品に手を広げたいと思い、前奏曲を何曲かと、変奏曲op.3を弾いてみました。それで後者をレパートリーに入れて、こんなふうにシマノフスキ体験が始まりました。

ドビュッシーについては、13歳か14歳の頃、ドミニク・メルレのリサイタルで聴いたのを覚えています。「版画」の演奏に非常に魅せられました。ドビュッシーの作品は、スヴャトスラフ・リヒテルなどの録音をいくつか既に聴いていました。少し前にドイツグラモフォンからリヒテルの録音が出ていて、ドビュッシーの前奏曲を何曲か、それからまさに「版画」、さらに、スクリャービンのソナタと、プロコフィエフの曲も入っていました。ライブ録音でした。その時から既に、自分の中で、ドビュッシーのブームがどんどん広がっていました。その頃、「版画」と「ベルガマスク組曲」の練習を始めました。少したってから、「ピアノのために」も弾き始めました。インスピレーションを受けた録音はとてもたくさんありましたよ。例えば、アルフレッド・コルトーの「子供の領分」の録音で素晴らしいものがあります。こうした録音を参考にインスピレーションを受けるのは、自分にとってもとても大切なことです。

しかし、もっと重要なのは作品を読み取るために深く入り込み、作品と一人で向かい合うことです。作品の再発見のようなものですね。これまで発見されなかったところとか、強く打ち出されてこなかったところを探求していく。僕の目的は、その流れを追って、どこか際立った解釈とか、既に存在するとわかっているのとは異なった解釈を作れるように、音楽を探求することです。」


インスピレーションの話題を深めるため、ラファウ・ブレハッチに、音楽以外からの影響についてきいてみた。

「最近、音楽の哲学がインスピレーションの元になっています。この課題には高校の頃からもう何年も惹かれてきたのですが、以前は明らかな理由があって、当然ながら、コンクールや演奏会といったやるべきことがあって、集中して取り組む時間がとれませんでした。しかし、この3年ほど、トルンのニコラウス・コペルニクス大学の博士課程のゼミに参加して、音楽に関わるようなテーマ、音楽の哲学にフォーカスをあてています。

具体的には、音楽作品のアイデンティティに関するロマン・インガルデンの書籍や、演奏への近位感覚についてのゾフィア・リッサの文献が、インスピレーションの元になっています。インガルデンによる芸術的経験についてのテキストは、僕の人生にとってとても重要な役割を果たしています。これによって、新しい視野が開かれ、、ピアノ芸術や、聴衆を前にしての演奏がどうあるべきか、を考える際にも、少し違ったやり方で、より大きな認識と理解と、より大きな理論的・知的背景をもって見られるようになりました。そうした全てのことが、あとになって、演奏そのものにある意味反映されていくのです。 (...)」
(Unquote)

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ある日本のファンの方が、このインタビューを読みたいということで、Muzyka21を購入されたそうですが、3ページにわたって文字がびっしりだったそうです。このオンラインバージョンでは始めの3分の1程度がアップされています。この時期、本誌以外にも山のようにインタビューにこたえていたアーチストの寛容さに、頭が下がります。日本での演奏会について、招聘元からの依頼で、日本では後半は全部ショパンの曲にあてることになるだろう、ということも述べているそうです。


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2012年10月1日月曜日

彩の国さいたま芸術劇場

おとといから発売になった、2月2日のさいたま芸術劇場のチケットの売れ行きがとても早いときいたので、ちょっとサイトをのぞいたところ、あと80席弱しか残席がないような。(見間違えてなければ)。ほんとに早いですね。
迷っている方は、はやめに決められた方がいいようです。→