Preludia - Unofficial website for Rafal Blechacz

Blog

2012年6月10日日曜日

ルール・ピアノ音楽祭のクライマックス―リサイタル・レビュー(ドイツ)

6月6日、ドイツのデュイスブルクでのラファウ・ブレハッチのリサイタルレビューが、RP onlineに掲載されました。ルール・ピアノ音楽祭でのリサイタル、ブレハッチはほぼ毎年出演しています。

Original review on RP online

世界的ピアニストがデュイスブルクで演奏


なぜ2005年のショパンコンクールで、1985年生まれのラファウ・ブレハッチが1位となり、他の演奏者との違いを強調するために2位は該当者なしだったか、これで明白になった。今年のルール・ピアノ音楽祭で、この若いポーランド人はメルカトルホールを満席にした。彼が用意した賢明なプログラムは、音楽史を4段階で、それぞれ約25分でたどれるようになっていた。概ね高速で滑らかに演奏された、バッハのパルティータ第3番イ短調BWV 827 (1731) は脇に置いておくことにしよう。

もちろん、ここにラファウ・ブレハッチの音楽的美徳が浮かび上がってくる――押し付けがましさのない、卓越した技術と信頼感のある透明さ。ベートーベンのソナタ第7番ニ長調作品10/3 (1796-98)は、あらゆるレベルで説得力のある演奏ぶりだった。この音楽の深さを探求するには、おそらく、もう少しばかりの人生経験が必要だろうか。

休憩の後、世界的ピアニストは完全に彼の音楽の世界へと入り込んだ。150年前に生まれたドビュッシーのベルガマスク組曲(1890)で、彼は重さのない色彩感と明確な把握との、微妙なバランスを見事に保った。

同国の作曲家シマノフスキの音楽に、ラファウ・ブレハッチは特別な親和性を持っている。感動的なソナタ第1番ハ短調作品8(1905)、シマノフスキがモデルとする作曲家、ショパンとスクリャービンの世界をパーソナルにまとめ上げた作品で、ブレハッチは最後に強力に語りかけた。この演奏は、今年のピアノ音楽祭のクライマックスだったと言える。

(プログラム)
バッハ パルティータ第3番 BWV 827
ベートーベン ピアノソナタ 第7番 10/3
ドビュッシー ベルガマスク組曲
シマノフスキ ピアノソナタ第1番 op.8