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2012年3月18日日曜日

The Times (London)による、ブレハッチのディスク「ドビュッシー・シマノフスキ」のレビュー

3月12日に、イギリスThe Sunday Times (The Timesの日曜版)がラファウ・ブレハッチのCD「ドビュッシー・シマノフスキ」を今週のディスクに選び、レビューの一部がドイツ・グラモフォンのトップページに掲載された、と書きました。(その後、ドイツ・グラモフォンのブレハッチのページにも掲載。)
そのレビューの仮訳になります。

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2005年のショパンコンクールで5つの賞を独占するという驚異的な勝利以来―ポーランド人がこの究極の賞を得たのはクリスティアン・ツィメルマン以来30年ぶりだったが―ラファウ・ブレハッチは、スタジオへの進出は控えめだった。彼の録音は―今回は2007年以降、DGからの4枚目のアルバムとなるが―稀であり、まさに待望の出来事だ。

ショパンに捧げた2枚と、ハイドン・モーツアルト・ベートーベンのソナタの試みを経て、彼は今、コルトー、ギーゼキング、ミケランジェリの伝統に沿った正当なドビュッシアンとして、また、近年評価が高まっている同胞のカロル・シマノフスキ(1882-1937)の音楽の熱烈な擁護者として現れた。

途方もなく凄い演奏と同様、プログラムも専門的知見で練り上げられている。フランス人作曲家の「ピアノのために」組曲とその中のバッハ的タイトルの作品「前奏曲」、「サラバンド」、「トッカータ」を、ポーランド人作曲家による、バッハの感化を受けた「前奏曲とフーガ嬰ハ短調」と併置している。

クライマックスの作品はシマノフスキの若々しい覇気ある「ハ短調ソナタ」―ここにも最終章に別のフーガがあり―、これ以上に説得力があり英知に満ちた演奏というのは、まず想像できない。

ブレハッチのドビュッシーは、奇跡といってよい。「版画」の「塔」における光を帯びた質感と鈴の音のシノワズリ、「雨の庭」のリスト的装飾、そして「グラナダの夕べ」と「喜びの島」でのフランス人的官能。これは、我々の時代のピアノの巨人の1人による、永遠に記憶に残るディスクである。

(ヒュー・カニング、The Times of London、2012年3月11日)


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私の場合ですが、音楽を聞いて漠然と心の中で感じていることを、音楽評論を専門とする人が言葉を使って表現しているのを見つけて、うまく整理できることがあります。今回のアルバムに関しては、涙腺が壊れたのではと思うほど涙することが多いのですが、ブレハッチ自身のインタビューの言葉と併せて、こうしたレビューをとても有難く感じています。


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