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2012年3月18日日曜日

「これは非凡なディスクである。」―英国ガーディアンによるレビュー

3月1日に、イギリスのガーディアンのレビューで、アンドリュー・クレメンツがラファウ・ブレハッチのディスク「ドビュッシー・シマノフスキ」にパーフェクトの5つ星を与えた、という記事を書きました。こちらは、そのレビューの仮訳になります。


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ラファウ・ブレハッチは2005年のワルシャワのショパンピアノコンクールを席巻した。その後のドイツ・グラモフォンのためのディスクは、ハイドン・モーツアルト・ベートーベンのアルバムはあったものの、ほぼこの作曲家に集中していた。しかし、このドビュッシーとシマノフスキの組み合わせは、ブレハッチが一芸のみのピアニスト以上であることを証明している。彼は途方もなく幅広いキーボードタッチと色彩を持った、構想力と認識力に優れたアーチストである。

彼の演奏に、露骨さや虚飾は全くない。この2人の作曲家ならば、予測可能な作品の組み合わせは、ドビュッシーの前奏曲の選集にシマノフスキのメトープと仮面劇を、つまり、ポーランド人作曲家が、モダニストとしてドビュッシーやラヴェルから恩恵を受けた作品を合わせることだろう。ブレハッチはそうではなく、2人のもっと初期の作品を選んだ。

彼の「ピアノのために」と「版画」の演奏は才気に溢れ、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの伝説的なドビュッシーの演奏を彷彿とさせる知力と明瞭なアーティキュレーションを持つ。ライナーノーツにブレハッチが敬愛する演奏家としてミケランジェリの名が言及されているのも当然だ。 

シマノフスキの作品も同様に啓示的だ。「前奏曲とフーガ嬰ハ短調」は、重量感あるハ短調ソナタ第1番作品8のアウフタクトのように機能している。後期ベートーベンのピアノソナタが巨大な影を落としたソナタは、手に余る難曲にも見えるが、ブレハッチはその極端なダイナミクスと質感をひとつの統一体へと巧みに導いている。その理論的な最高潮は、最終楽章の3声から成るフーガだ。ここでも、彼の明晰な演奏は別格だが、演奏を形成するための知性もまた人並み外れている。これは非凡なディスクである。

(アンドリュー・クレメンツ、The Guardian, London、2012年2月29日)




非凡な演奏家の手 by Marco Anelli

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