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2011年1月12日水曜日

「演奏後の静けさは、私にとって最高の賞でした。」――ラファウ・ブレハッチ、インタビュー

(English)

2010年12月11日、ドイツのラジオ・ダルムシュタットが音楽番組の中で、ラファウ・ブレハッチのインタビューを放送しました(ポーランド語)。20分近くの番組で、ブレハッチのインタビュー部分は2,3分でした。ポーランドのマジェナ・ヤフォルスカさんが英訳してくださいましたので、こちらにも掲載します。語学堪能なマジェナさんはラファウ・ブレハッチの大ファンで、11月30日のベルリンのリサイタルにも行かれました。その時の感想(英語)

ラジオ・ダルムシュタットの番組はこちらから聞けます。
http://www.geocities.jp/preludiarb/berlininterviewpolandradio.mp3

** この音声ファイルは、1月14日まで聞けるようにしておきます。

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(マジェナさんの英訳から)
ベルリンは催眠状態の静けさ

番組の中で、ラファウのベルリン・フィルハーモニー・ホールでのリサイタル・デビューの際行われたインタビューが放送されました。(注:インタビューは、11月30日のリサイタルの後行われました。)ジャーナリストの アルカディウス・ウバによれば、日頃から最高級の演奏家に慣れ、非常に耳の肥えたベルリンの聴衆も、ブレハッチのリサイタルに大変満足しました。

(インタビュー抜粋)

ステージではいつも何を考えていますか。あなたにとって聴衆とは?

R.B: アーチストと聴衆との絆は重要で、これは最初の音が鳴った時から、というより、アーチストがステージに現れた瞬間から始まります。誰かのために演奏するのだという感覚はとても大切です。四方の壁を聴衆にするのではなく――もちろんそれも、音楽家が演奏の準備をする段階ではとても重要なのですが、その後に来るもの、演奏家が多くの聴衆のために自分の演奏を提示できるとき、それは本当に嬉しいことです。

ベルリン・フィルハーモニーにて、2010年11月30日
聴衆がある特定の精神状態に入り込んでいるとき、演奏家はそれを感じ取ります。例えば、静寂を聴いたとき、聴衆が催眠状態にでもなったように静かなとき、私の演奏はうまくいったのだと、聴衆が私の演奏を本当に聴いてくれて、全ての音やフレーズをフォローしているのだとわかります。

ショパンのマズルカ作品17でそんな風に感じたのを覚えています。日本やドイツで何回か経験しました。一番最近ではハンブルグのライスハレ(国立歌劇場)でのことでした。最後のイ短調のマズルカを弾き終えた時、聴衆はいつもと違って、すぐには拍手しませんでした。10秒位、そんな静けさが支配しました。これは、私にとっては、最高の賞だったと言えます。最後の和音の後、拍手せずに静かだったということ、これは、聴衆が心から音楽に浸って、その後余分な音を聴きたくなかったということです。私にとっては、これはとても特別な、忘れられない出来事でした。

ショパンを演奏する際のアーチストとしての直感について。

R.B: ショパンの音楽には、あらゆる雰囲気や感情、色彩があります。メランコリックな、あるいは憂鬱な感情から、身震いするほどの喜びに至るまで――これは、若さのエネルギーや勝利の神髄とともに、主として初期の作品に表れます。ショパン作品を演奏するのに特定のレシピはありません。その時々で、様々な解釈上のアイディアが湧いてきます。

アーチストとしての将来のプランは?

R.B: アーチストとしての活動は3年前から計画しています。今は2013年のコンサートの予定を設定しているところです。世界中の聴衆のために演奏し、コンセルトヘボウ、トーンハレ(チューリッヒ)、ヘラクレスホール、そしてベルリン・フィルハーモニー・ホールといった偉大なコンサートホールで演奏することを、ずっと強く夢見てきました。ショパンコンクールの優勝以降それが実現し、2005年以降ずっとそれを続けています。もし10年後、15年後までこれを続けることができるなら、私はとても幸せだと思います。

演奏後、静けさが支配した、ハンブルグ・ライスハレのリサイタル(ビデオ)

「ラファウのインタビューを訳すのは、素晴らしい経験です。特別優れた人格の方であるのに加えて、最近ではめったに耳にできないような美しいポーランド語をお話になるからです。ラファウの純粋な子供のような笑顔を見るたびに、私はご両親に感謝したくなります。才能をしっかりと育て、同時にこんなにナチュラルで有り続けるように、子供の頃からずっと守ってくださった・・謙虚でありながら、とても勇気ある方々なのだと思います。」(マジェナ・ヤフォルスカさん)

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