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2010年11月2日火曜日

ブレハッチのスケジュールは、2013年までいっぱい。――ワルシャワのマネージメント会社のインタビュー

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English


ラファウ・ブレハッチのカレンダーは2013年まで予約済み。
インタビュアー:Adam Willma

ラファウ・ブレハッチ、クリスティアン・ツィメルマン・ミッシャ・マイスキーといったアーチストのマネジメントを行っている、Warszawski Impresariat Muzyczny (Warsaw Music Management )の社長、アンジェイ・ハルフ氏とのインタビュー

オリジナルのインタビュー記事(ポーランド語)

(抜粋)
(インタビューの前半は、今年のショパンコンクールについて。ハルフ氏は、今年の優勝者と契約する意志はない由。いずれ、審査員の決定は、CDやチケット購入にお金を払う聴衆が見直すことになるだろう、とし、今回のコンクールにおける楽器メーカーの影響力の可能性、審査方法のあり方等について意見を述べました。かなりつっこんだ意見ですので、興味のある方は原文を参照してください。)


ポズナン、2010年5月
―この5年間、ラファウ・ブレハッチのマネジメントにあたっていらっしゃいます。この間、何が変わりましたか?

ラファウは外国で目覚ましいキャリアを積んでいます。あらゆる重要なホールに招かれました。今後の彼のカレンダーをざっと見たところ、サル・プレイエルが3回入っています。演奏会レビューはいずれも熱意をもって彼を称賛するもので、批判的なものは見たことがありません。ラファウは偉大な音楽性を持っていると幅広い層から認知されており、わずか5年の間にほとんどの重要な音楽マーケットで大きなプレゼンスを持つようになりました。

―クラッシック音楽も、音楽ビジネスの一貫を担っています。そうした中、コンクール以外の方法で、この産業で成功するには、どうしたらいいでしょう。

現在、キャリアを築く最も重要な方法は、メジャーなレコード会社と契約することです。ほとんどのレコード会社にはプロモーション部門があります。また、成功の鍵をにぎるのは、自分の聴衆を得ることでしょうね。インターネットの出現で、マーケットの状況は大きく変わりました。各アーチストは、自分の演奏やバイオや写真を自分のウェブサイトに載せることで、聴衆の目に触れ、すばやく見つけてもらえます。昨日、ドイツ・グラモフォンのheadと話したのですが、音楽作品の売上の半分はダウンロード、つまりインターネット上でのファイルの販売によるものだそうです。

―売上のうち、アーチストの収入はどれぐらいですか。
クラッシック音楽のCDの売上によるロイヤルティ収入は、ポピュラー音楽に比べるとずっと低いですね。契約にもよりますが、3%から10%といったところです。音楽家にとって、CDの販売、特に、演奏会の際にCDを販売することは、とりわけ重要です。演奏会でCDを購入した人が、何年かそのCDを聴き、次の演奏会のポスターを目にした時に、では次の演奏会も行こう、という気になるのです。ドイツ・グラモフォンはラファウの演奏会スケジュールを把握し、演奏会に沿った形で彼のCDのプロモーションを行っています。

―ポーランドでは、次にラファウの演奏が聴けるのはいつでしょう?
残念ながら次に予定されている演奏会は2年後になります。2012年の秋です。

―2年も先ですか??
ラファウは、中心的なマーケットに焦点をあてなければなりません。ショパンイヤーの今年は、ポーランドで5回演奏しました(原文どおり)。そして、今、世界でも非常に威信ある演奏会場からの招待を受けています。ラファウは年40回の演奏会という上限を守っています。演奏会ごとの移動時間や、オーケストラとのリハーサルの時間を加えると、年間半分は出かけていることになります。彼は残りの時間を、新しいレパートリーの開拓や、レコーディング、コペルニクス大学の博士課程での勉強に充てています。私もラファウのファンからたくさんメールをいただくのですが、ベルリン・フィルハーモニックなど、ポーランドの近隣での演奏会に行く方もいます。次の1月には新しいCDを録音する計画があります。シマノフスキやドビュッシーの作品です。店頭で販売されるのは多分4月になるでしょう。

(この後、ハルフ氏は、政府が若い才能あるアーチストを資金面で擁護することの重要性や、クラッシック音楽にとってのポーランド市場についてコメントしました。ドイツ等に比べるとポーランドのクラッシック音楽人口は若く、社会での問題・ストレスに疲れた人々がクラッシック音楽へ傾注する傾向もある、とのことです。従って、ポップミュージックとのクロス・オーバーなどは、クラッシック音楽へのきっかけ、という意味で良いアイディアである、としました。)
(抜粋以上)

**アーチストが自由な活動をするためには、経済的な基盤を確立することが不可欠です。そういう意味で、ドイツ・グラモフォンやワルシャワのマネジメントが「価値ある演奏をするための年間の上限は40回」という、ラファウ・ブレハッチの意向を尊重していることは、素晴らしいことですね。
次回の来日が先になって寂しい、という声も聞きますが、コンクールから5年たち、アーチストにとっては本当に自由に活動できる時期がようやく訪れたということかな、とも思います。

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ラファウ・ブレハッチの公式ウェブサイトが最近かなり更新され、今年のレビュー記事も多く掲載されています。このブログでも紹介したものがほとんどですが、もっとずっとちゃんとした英語に訳されてますので、どうぞご覧ください。

2010年レビュー(英語)
2010年レビュー(ポーランド語)

彼の公式ウェブサイトは去年あたりは休眠状態だったのですが、この2,3カ月できちんと更新が進んでいます。アーチストに興味を持った人がまず訪れる場所ですので、長く更新されていないと、「このアーチスト、活躍できてないのかな?」という印象を与えてしまいますよね。とても良くなって、よかったなあ、と思います。

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