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2010年10月22日金曜日

ショパンはこの日、ラファウの傍にいた。――2010年10月21日、アクロス福岡リサイタル。

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ラファウ・ブレハッチは、10月21日、アクロス福岡(福岡シンフォニーホール)にてリサイタルを開きました。ホールの音響は穏やかにブレハッチの音を運び、細かなディテールやニュアンスもかなりよく伝えてくれました。

ブレハッチはとてもリラックスしてショパンの言葉を解釈し、フレージングもテンポもとても自由に操っていました。

私はあっという間に感化され、彼の作りだす世界にいました。不思議体験。ショパンがラファウのすぐそばにいて、彼の演奏を楽しみ、ポーランドをなつかしみ、喜んでいるような気がしました。ちょうど5年前の今日、ラファウ・ブレハッチは2005年のショパンコンクールの覇者として選ばれました。(厳密に言うと、22日の早朝)


「彼はなんだか、一音一音が、まるで祈りのようだね。」と、一緒に行ったかつての上司が言っていました。去年ラファウ・ブレハッチがこの会場でベートーベンの協奏曲第4番を演奏した際、コンサートに行きたかったけどチケット完売で行けず、かわりにCDを購入したということでした。今年こそは、とお誘いしたところ、「チケットはもう買ってある。」とのこと。彼はそこで、職場での同僚の方を誘ってくださいました。同僚の方――ピアノの好きな若い女性――は、
「あんな細い体であんなに強い音やいろいろな音色が出せて凄いです!」と感嘆していました。

プログラムが進むにつれ、聴衆の集中度も増していきました。ブレハッチがポロネーズ作品26を弾き終えた時、会場はしーんと静まりかえっていました。このまま次のマズルカにいくかな、と思ったら、ぱらぱらと拍手が起き、ブレハッチは立ち上がって丁寧におじぎをしました。バラード2番の終わりは、ひっそりと静かで、多くの感情が込められていました。(幸いなことに、オペラシティのようなケータイ音もなく。。。)

アンコールは、ピアニストからの天恵でした。英雄、遺作のノクターン、マズルカ作品50-2の順。英雄は圧巻で、どの曲も最高の経験でした。何が違うのだろう。私には説明する言葉が見つかりません。ツアーの間感じていたもやもや感が全部払拭されました。本当に凄いピアニストだと改めて思いました。


(プログラム)
バラード1番 ト短調 作品23
ワルツ 作品34
スケルツォ 1番 ロ短調 作品20
ポロネーズ 作品26
マズルカ 作品41
バラード2番 ヘ長調 作品38

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今日はサイン会の予定はない、と休憩中ホールの担当者に確認した時言われていました。
しかし、終演後、アーチストルームへ続く階段には、一言ご挨拶を、と願う人々で長い列ができ、結局サイン会形式になりました。地元の方のブログによると、「アクロスでこんな長い列、初めて見た。」とのことでした。
(→この写真は、開演前の様子です。)



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Madokakipさんはオペラを主体に、素晴らしいブログを書いていらっしゃいます。彼女の、好きな作品に立ち向かう本気さと、コメントに参加する方々の大人なエネルギーはかなり凄い。
彼女が2月に書いたラファウ・ブレハッチのリサイタルの記事に、今回の来日公演への感想として大勢の方が意見をのべておられます。ラファウファンの方にとっても興味深いです。コメント欄の後半の方です。