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2010年9月17日金曜日

「ショパンは彼の血の中に存在する」――ラファウ・ブレハッチ、ドイツでのプレビュー

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ラファウ・ブレハッチは11月の半ばに3回に亘って、北ドイツ放送交響楽団とショパンのコンチェルトホ短調で共演します。(うち2回は、本拠地のハンブルグにて。)指揮は同じポーランドの新進気鋭のクシシュトフ・ウルバンスキ。
そのプレビューが9月の始めに出ていたのでアップします。少し気がはやい?しかし、ラファウ・ブレハッチは10月、11月とオールショパンのプログラムで日本、ドイツ、パリで演奏しますので、それにあやかります。ショパンイヤーではありますが、2ヶ月間リサイタルもコンチェルトもショパン一色になるのは、この期間だけです。11月30日はベルリン・フィルハーモニー室内楽ホールにてオールショパン・リサイタルを行います。(コンチェルトでは既に2008年12月にベルリン・フィルハーモニー大ホールでデビューしています。)

オリジナルのプレビュー: abendblatt.de(ドイツ語)
リンクは無効になってます。

そしてラファウ・ブレハッチのショパンも。

この数十年、音楽の世界は根本的に変容した。教師も学生もあらゆる大陸を行き来し、インターネットというキーワードが示すとおり、通信の発達で世界が統合されつつある中、国境や伝統は重要性を減じている。50年前であれば、ヴァイオリンの”ロシア”楽派の演奏、とか、”ドイツ的な”オーケストラの音とかがはっきりと識別できたものだ。

ブレハッチ @2010年2月22日、ワルシャワ
他方、地域特有の色彩が残っていることもある。あたかも、演奏者の出自と、彼のある種の音色を求める意識が皮下でつながっているかのように。この感覚は、例えばラファウ・ブレハッチのショパンを体験すると、ひしひしと感じられる。この若いポーランド人ピアニストは、極めてしばしばセンチメンタルに、あるいはもったいぶった大仰さで演奏される作品を、驚くほど自然に確かな手で、正当な雰囲気で演奏するので、他の演奏法はあり得ないのでは、と、時に思わせる。ショパン音楽の憂鬱や真剣は、彼の血の中に存在する。同様に、その音楽の繊細さ、哀愁の歌声、そしてこれが最も重要なのだが、これがなければショパンの作品が適切に呼吸することができない、その趣深いルバートも。すなわち、2005年ブレハッチに起きたこと――わずか20歳でショパンコンクールで優勝したこと――は軽々しいものではなかった。その時彼はすでに、彼の職業における巨匠のひとりだった。


クシシュトフ・ウルバンスキ

北ドイツ放送交響楽団と、彼はショパンのピアノ協奏曲を演奏する。指揮はクシシュトフ・ウルバンスキ。ブレハッチと同世代であり、同じポーランド出身のウルバンスキは、ストラビンスキーの”火の鳥”と、ポーランドのモダニズムの中心的作品である、ペンデレツキーの”(広島の犠牲者に捧げる)哀歌”も指揮する。




**ブレハッチがコンクールの後に行ったヤン・ポピス氏とのインタビュー記事、2006年2月のThe Warsaw Voice に掲載されたものですが、英語ブログにアップしました。今年のブレハッチの来日の関連で、井熊よし子氏のプレビュー記事を海外に紹介しようかな、と読んでいて、ふと、思い出した部分がこのインタビューにあったためです。
(ひとりで静かに曲と向かい合い、練習を重ね、十分時間をかけてステージに持ってこられるようにするまでのプロセスを大切にしていること。)

インタビューは日本の雑誌「ショパン特別号」に、コンクールの直後に、部分的にではありますが掲載されていますし、当時読まれた方も多いのでは、と思います。是非元記事もご覧ください。コンクール直後のダイナミックな時期の出来事の中にあって、ブレハッチの不動心が垣間見られます。
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