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2010年9月3日金曜日

ブレハッチの音の言葉が聴く者を魅了―サン・セバスチアン・リサイタル・レビュー

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ブレハッチがサン・セバスチアンのテアトロ・ビクトリア・エウヘニアで行った、8月27日のリサイタルのレビューです。演奏会終了後、数時間でアップされました。
インタビューを行ったマリア・ホセ・カノが書いています

オリジナルのレビュー(スペイン語)

今年のLa Quincena音楽祭で最も優れた演奏:ラファウ・ブレハッチ


ずっと不満感があった。何が足りないのだろう。卓越したクオリティのある「La Quincena音楽祭」のベストの演奏。ヴァレリー・ゲルギエフではない。ミハイル・プレトニョフでもエリザベス・レオンスカヤでもない。

ラファウ・ブレハッチ。彼の名を覚えておこう。2,3年のうちに、必ず彼をドノスティア(サン・セバスチアン)に呼び戻さなければ。

ラファウ・ブレハッチはこの世のものとは思われない、ごく少数のアーチスト群に属する。わずか25歳にして、最高の演奏家に期待できるあらゆるクオリティを、いや、それ以上のものを備えている。昨日、彼はビクトリア・エウヘニアでそれを明らかにし、彼の音の美しさで、ホールの音響まで変わったのでは、と思わせるほどだった。彼は全ての音符を適切な時と場所に置くことができる有能な機械なのではなく、演奏を始める瞬間、彼の音楽で聴く者の心を虜にする驚くべき能力を持つことを示した。

彼は何をするときも同様の能力を見せた。全てのことをアートに変える。論理と熱意を組み合わせた独特のソノリティに基づく言葉に変えるのだ。フレージングや静寂の尊重、必要な呼吸が彼の中で自然に生まれ、ピアノに座る彼の姿がまるでピアノという楽器の延長のように感じられた。彼はあらゆるものを音楽に奉仕させた。

プログラムの前半では、私たちはこのピアニストの信じられないほどの成熟ぶりを観ることができた。彼は高度な技術と明確な主題を持つシマノフスキで、私たちひとりひとりに語りかけた。ソナタハ短調は、アレグロ・モデラートの最初の部分が複雑怪奇な曲だが、他のよく知られた2曲のクライマックスとして、ブレハッチは適切な意図を持ってこれら3曲を結びつけた。同じポーランド人作曲家の「プレリュードとフーガ」は、響きの多様な層を絶対的な明瞭さで表現する、この演奏家の明白な能力を証明した。この「フーガ」でも、前述のソナタでも、彼は一貫して、鍵盤で思いのままの音を、その賢い手で実現した。ドビュッシーの「喜びの島」はフレッシュで適切なスタイルであり、極めて説得力があった。

この上ショパンもあるのだ。ブレハッチを世界のひのき舞台へと押し上げた作曲家。2つのポロネーズと4つのマズルカは、彼の賢い手と成熟した思慮深さによって、本物のディベルティメントとなった。リサイタルを締めくくったバラード1番は荒々しいほど情熱的で、表情豊かだが品があった。忘れがたい演奏。
(End)


(プログラム)
シマノフスキ  プレリュードとフーガ 嬰ハ短調
ドビュッシー  喜びの島
シマノフスキ    ソナタ1番 ハ短調 作品8
ショパン    ポロネーズ 作品26
ショパン    マズルカ 作品41
ショパン    バラード1番 ト短調 作品23



★こちらは、このレビューサイトに寄せられた、読者のコメントです。

マルタ:この凄い才能をフォローしようと思います。皆さん、彼のコンサートは、これから、必ずいきましょうね。音楽を感じ、伝えるために、彼は余計な身振りをしたり、ひけらかしたりする必要は全然ないってことを証明したわ。全く比べ物にならないレベルと優雅さ。感動的

ロレア:感―動―的!!!

ミケル:本当に感動的なリサイタルだった。満席にならなかったのがくやしいね。どうせ、ソコロフやツィメルマン、ポゴレリチとかじゃないから、っていう理由なんだろうけど。来なかった連中は目茶目茶後悔するよ。だって、夕べ起きたことは、まさにこの評論家が書いてたことだもの。「la Quincena音楽祭で一番素晴らしい演奏会」だった、絶対!!

(ヴァルデモッサのリサイタルを鑑賞した知り合いの感想)
「シマノフスキもドビュッシーも、ラファウは美しく演奏した。私のようなショパン人間には、この2人の作曲家は少し現代的すぎるかもしれない。理性に訴えかける曲というのかな、ショパンが心に響く音楽だとすると。しかし、ラファウが弾くと理性的でありながら心にも深く響く。これが彼の演奏のマジックだね。」

★今年の始め頃、ラファウ・ブレハッチの新シーズンプログラムにシマノフスキやドビュッシーの新しい曲が入り始めた頃、私もこうした曲を”勉強”してみました。シマノフスキは全く知らない曲ばかりですが、不思議ななつかしさを感じました。個人的に興味があるのは、ブレハッチが新シーズンで予定しているベートーベンやモーツアルトです。日本ではオールショパン・プログラムということで、こうした様々な旬の演奏はしばらくお預けなのですが、次の来日では聴けるだろうか、と、少し気がはやいのですが、秘かに楽しみにしています。




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