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2010年9月19日日曜日

ラファウ・ブレハッチの2010年ショパンイヤー:今年の始めから今まで

ラファウ・ブレハッチの来日が近づいてきました。
前回の記事で、ブレハッチは10,11月に今年初めてショパンonlyのプログラムにコミットする、と書き、では今年始めからの各国での演奏活動を振り返ってみようかな、と思いつきました。
以下、リンク部分は、(特定してない場合は)レビュー記事のリンクです。
演奏を聴くうえでの、ご参考になれば幸いです!

ミラノ、1月
ラファウ・ブレハッチの2010年ショパンイヤーの活動は、イタリアから始まりました。
1月26日のミラノ音楽院ヴェルディホールでのリサイタルを皮切りに、トレヴィーゾでのリサイタル、そして、1月30日から2月2日まで4日連続で、ローマの聖チェチーリアホールにて、ショパンのコンチェルト2番を演奏(アンドレイ・ボレイコ指揮、ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団)。2800席の大ホールは4日とも満席でした。(PAPニュース。)(ミラノでのインタビュー。)


その後母国ポーランドへ戻り、2月22日、ワルシャワにて、ショパン・バースディ・ウィークのガラ・コンサートで2番を演奏。(当日のリハ風景のニュース・ビデオ)

ワルシャワ、2月22日

その翌日、アメリカ公演に向け出発。アメリカでは、4か所:ニューヨーク、ワシントンDC、ノースカロライナ、ジョージアでリサイタルを開き、好評をはくしました(2月26,27日、3月5,6日)。私は前半2つのリサイタルを観る機会を得ましたが、ひとことで言うとintenseな(深い、集中した、強烈な)演奏、という印象でした。折からの猛吹雪という環境も影響していたかもしれません。ワシントンポスト紙がDCでのリサイタルを絶賛するレビューを掲載しました。(レビュー:英語同じジャーナリストによるグラモフォン誌記事:日本語)。

首都ワシントンDCに滞在中、ブレハッチは公共放送の番組パフォーマンス・トゥディに出演、ホストのフレッド・チャイルドのインタビューに答え、NPRのスタジオで演奏しました。ショパンのマズルカに織り込まれている中間声部をわかりやすく弾いて解説するなど、興味深い内容でした。
ワシントン、2月27日

アメリカツアーと同じ時期、最新CD「ショパンピアノ協奏曲」がアメリカでリリースされ、数多くの好意的なレビューが出されました。(例:英語) 

3月後半には、ジュネーブとチューリッヒでリサイタルを開催。アンコールで、ショパンの遺作のノクターンを初めて演奏しました。(関連のブログ記事)←なぜだかアクセス数の多い記事です。

4月20日、彼は現在学んでいるトルンのニコラウス・コペルニクス大学にてリサイタルを開きました。もともと、トルンの科学芸術祭のトリのイベントとして企画されましたが、直前に起きた大統領機墜落という悲劇を受け、犠牲者のための追悼コンサートという意味合いもありました。多くの新聞記事等で、ブレハッチの音楽が聴衆の心に深くしみ入る様子が書かれました。(聴衆の感想
当日の演奏ビデオ:一部
リサイタル後、同大学で行われた哲学についてのパネル・ディスカッションにパネリストとして参加しました。(ディスカッションの記事

4月後半から5月にかけ、ブリュッセルのパレ・デ・ボザール、アムステルダム・コンセルトヘボウといった著名なホールでリサイタルを実施。いずれもリピーターです。(ブリュッセルでのインタビュー)(コンセルトヘボウでのレビュー記事
5月14日には、けがをしたネルソン・フレイレの代役として、急きょ、ドイツのシュヴェツィンゲン音楽祭にてリサイタルを実施。この演奏は繰り返しウェブラジオで放送され、ファンにとって嬉しい贈り物となりました。

再びポーランドに帰り、5月20日にはウッチにて、22日にはポズナンにてショパン協奏曲2番を演奏しました。ポズナンの演奏会では、直前にポーランド南部で起きた洪水の被害者のために、演奏料を全額寄付しました。4月のトルンでも、演奏料をとりませんでした。


「ショパンの音楽には深い苦しみや悲しみだけでなく、希望があります。
今ポーランド人が味わっている、このつらい時期にこそ、必要な希望が。」
(ラファウ・ブレハッチ、演奏会後の発言。)

(ポズナンでのインタビュー


トルン、4月20日
6月、ラファウ・ブレハッチはドルトムント(6月12日)パリのサル・プレイエル(6月14日)ノアン(6月16日)でリサイタルを実施。27日にはバード・キッシンゲンにて、ウィーン交響楽団とショパン協奏曲2番で共演しました。

7月13日、ラファウ・ブレハッチは、権威あるキジアーナ音楽院の国際賞を受賞、受賞記念リサイタルをシエナのロッツィ劇場で開催しました。(キジアーナ音楽院国際賞の関連記事
これに先んじて、6月には2010年ドイツレコード批評家賞も受賞、若手実力派としての地盤がさらに強固なものとなりました。(レコード批評家賞の関連記事


サン・セバスチアン、8月26日
8月は音楽祭の月でした。8月5日にはシュレスヴィヒ、6日にはリューベックにて、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭のためにリサイタルを開催、後半になって、27日はスペインのサン・セバスチアンで、ラ・キンセーナ音楽祭のために、29日はマジョルカ島のヴァルデモッサのショパン・フェスティバルのためにリサイタルを開催しました。(サン・セバスチアンでのインタビュー

そして日本ツアーとなります。今年最も印象に残っているのは、2月22日のワルシャワでのコンチェルト2番の演奏(ウェブで放送になりましたので)―よく言われるように、深い成熟と若さが織り込まれた自律的な演奏、私にとってはawe and admiration(畏れと称賛)――かもしれません。2月22日のリハーサルのビデオで雰囲気が伝わってきます。アメリカで聴いたショパンのスケルツォもずーん、ときました。来日公演ではどんな演奏を聴かせてくれるのでしょうか。

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