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2010年7月26日月曜日

ブレハッチと彼のスタインウェイ -オーストリアでのインタビュー(2007年秋)(1)


「私のアーカイブ」から;
オーストリアのスタインウェイの雑誌Klavier の2008年4月号に掲載された、ラファウ・ブレハッチのインタビューです。インタビューは2007年11月、ウィーンのコンツェルトハウスでのデビューリサイタルの翌日に行われたようです。2006年の春に自分のスタインウェイをハンブルグで選んだ時のエピソードも語っています。

インタビューは4ページからです。2つクリックしてください。




自分の道を行くピアニスト

2005年のショパン国際ピアノコンクールは、20歳のポーランド人ラファウ・ブレハッチを、ポーランドの小さな町から世界の舞台へと飛翔させた。以来、マスコミは、彼の驚くほど自然で詩的な演奏を称賛してやまない。
インタビュー:Stefan Knüpfer, オーストリアスタインウェイのチーフ・エンジニア

--スタインウェイ・マガジン: ブレハッチさん、夕べのリサイタルで演奏はさておき、とても印象的だったのが、まったく咳がなかったこと、それから、観客が拍手している時、あなたはまるでポップ・スターのように写真を撮られていましたね。また、演奏後にポーランド大使館から贈られたフラワーアレンジメントは大変大きくて、男性2人でステージに運んできました。あなたの演奏会ではいつもこんなに特別のことが起こるのですか?

ブレハッチ: 正直なところ、昨日の聴衆のリアクションはとても嬉しいものでした。ウィーンでの初めてのリサイタルで、こんなに温かい歓迎を受けるとは思っていませんでした。ウィーンの聴衆は特別な聴衆だし、偉大なアーチストの多くはウィーンで演奏しています。実際、ウィーンの聴衆は、非常に音楽の聴き方が深いと感じました。とても微妙なダイナミクスのニュアンス、例えばピアノとピアニシモを弾き分けたとき、観客との相互作用がじゃまをする、というようなことは全くない、と感じることができました。本当に、特別の瞬間をともに過ごせたと思います。

先月アムステルダムで演奏したときも同様のリアクションを経験しました。コンサートの前半で既にスタンディングオベーションが起きたのです。こんなことは初めての経験で、おかげさまで各国でのデビューはこれまでのところとてもうまくいっています。

ウィーンコンツェルトハウスでのデビューリサイタルは、ポーランド政府・大使館と
ユニバーサルが主催。ウィーンに代表部を置く多くの国際機関も招待されました。


--今回はオールショパンプログラムでした。とても自然な演奏に感銘を受けました。あなたが何をする時も、それについて特別に考える必要はない、という感じですね。ショパンを演奏する際、どんなことに注意していらっしゃいますか?

うーん、むずかしい質問ですね(笑)。音楽作品に取り組むとき、自分にとって一番大切なのは、作曲家が私たちに残したものをできる限り誠実に反映するということです。要は、残してくれたものを変えないということです。一方、音楽作品を演奏する際、僕はできるだけ音と音の間にあるものを表現し、作曲家のスタイルを変えずに自分の解釈を生み出したいと思っています。

--ショパンについては、具体的にどんなところに魅かれますか?

ショパンの音楽は僕にとっては本当に特別で、ショパンの感情は常に自分に近いものだった、という感覚です。音楽に対する僕の直感が大きく働いていると思います。ある所与のフレーズはこんな音になるはずで、あるルバートはこんな風に弾きこんな形になるのであって、別な風にはならないのだと、いつもだいたい知っていた、という気がします。自分の中でそういう風に感じて、それを表現しようとしています。

(この後ブレハッチは2005年のコンクール以降生活が大きく変わり、世界中のエージェンシーから演奏会のオファーやアプローチがあり、2,3年後の演奏会の曲まで決めなくてはならなくなった状況、その際ツィメルマンからのアドバイスが非常に助けになった、という話をしました。詳細は省略します。)


突然、有名人に。インタビューに気持ちよく答えるブレハッチ。

"ショパンコンクール直後の新たな現実に慣れる必要がありました。"


--演奏会は年に40回まで、ということですが、ご自分でどの演奏会かを決めて計画できるのですか?

はい、今自分にできる最大限が40回ですね。間に休憩もとるようにしています。この頻度であれば、もっとも重要な音楽のマーケットで自分をきちんと表現できる、ということで、ドイツグラモフォンとも合意しています。

--一晩で、非常に多くの友人やアドバイザーが突如現れたのではないですか?

その通りです。まったく突然に、数百人の人びとが回りに集まってきて、それぞれが僕に違ったことをしてほしいと言いだしたのです。そこを通り抜けるのは容易ではありませんでしたが(笑)、今は全てが正常にもどっています。

(この後、ブレハッチは、コンクールの期間中、平静を保つために注意したこと~他の演奏を聴かなかったことなど、について言及。詳細は省略します。)

--ご自分の好きなグランドピアノが選べるくらいの資金を得られた、と何かで読みました。ハンブルグのスタインウェイでモデルBを選んだということですが、その楽器のどこに魅かれましたか?

選択肢としての楽器は9台ありました。検討したのはモデルBだけでした。自分の家の今楽器が置いてある部屋の状況でそのように考えました。9つの楽器はどれも良かったので、そこから選ぶのはむずかしかったです。最終的に選んだ楽器は、一番最初に弾いてみた楽器でした。すぐにとても好きになりました。その楽器のあと、他の楽器も弾いてみたのですが、心の中はずっと1台目のことが気になっていました。1,2時間ためしてみて、この楽器、ナンバー575336という楽器が、自分の部屋に持ち帰って一緒にいるべき楽器だと、ほとんど確信していました。その後は、異なった作品を弾いてみることで確認しようとしていました。どのレパートリーでも、その楽器はいい音が出ました。音のクオリティがとても良くてわくわくしました。とても温かい音色が出るグランドピアノなんです。もちろん、高音部で明るい(軽い)音色がでます。異なった音色を作る人もいると思います。しかし僕はここに魅せられました。実際、どの音域も--低音も中間部のオクターブも高音部も、この楽器では良い音がでます。特別なイントネーションをつけなくても、楽器自体が美しく発音してくれます。現在は、購入したときより、もっと良くなっていますよ。このピアノの世界に入り始めてから1年半たち、この楽器にとても集中して練習しています。楽器は以前よりも一層すばやく反応するようになっているので、いいことなのだと思います。

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最後の文章は
Aber das ist ja gut, weil er sich so schneller einspielen wird.
です。私が誤訳しているといけないので、原文も載せておきます。



(続く。)

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