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2010年7月16日金曜日

ラファウ・ブレハッチ―ピアノの象徴、仮想ショパンの肖像―リサイタル・レビュー(イタリア)

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7月13日、ラファウ・ブレハッチが、イタリアのキジアーナ音楽院の第27回国際賞を受賞した、とお伝えしていましたが、現地のメディアCorriere di Sienaが、15日付けの記事で、授賞式の様子と、記念リサイタルのレビューを掲載しました。


ラファウ・ブレハッチ ―ピアノの象徴
(注:原語ではピアノのidolo=崇拝の対象、神、という単語が使われています。)

メルセデス・ベンツの支援による第27回目の賞、
受賞した仮想ショパンに、大喝采が。

長年に亘りキジアーナ音楽院国際賞を受賞してきた偉大なアーチストから成るネックレスに、あらたな真珠が加わった。その名はラファウ・ブレハッチ、25歳のポーランド人ピアニスト。ロッツィ劇場で銀の彫像と多額のユーロを受け取り、初リサイタルを行った。


近年、この国際賞は、自動車メーカーメルセデス・ベンツの寛容な支援を受けている。今回、関連イベントの責任者であるMarco Ruizが授賞側として参加、あいさつの中で、同社の支援はアートや文化との建設的な関与であると説明した。

今回のアーチストはまだ若いが、際立って優秀であり、世界の多くの場でコンサートを開き、数多くの賞を受賞し、毎回、極めて価値ある演奏、との評価を残し続けている。

シエナにて彼はピアノの象徴(注)としての本質を発揮、あたかも仮想ショパンの肖像のようであった。彼は自分の内部にショパンを感じると言い、ずっとショパンを敬愛してきた。常に神秘的魅力を感じるこの天才の音楽に、いかにしてかかわってきたかを、私たちに語ってくれた。

賞を授与したのは、キジアーナ音楽院の芸術ディレクターAldo Bennici、審査員のひとりでもある。授与に先んじて、キジアーナ学院の学長Gabriel Manciniがあいさつ、同学院の報道室の責任者Guido Burchiが授賞の理由を説明した。


そしていよいよ受賞者のコンサート。ブレハッチの芸術的クオリティが花を咲かせるのが見えた:バッハで幹ができ、ドビュッシーで芽が出て、シマノフスキで花弁が作られ、ショパンで美しい響きを持った大きな花が開いた。

年齢やキャリア的には若いが、彼は聴き手を称賛させるような特別の演奏家のタイプに属しており、よく耕された音楽的知性によって自分自身を表現し聴き手を感動させることができる。

ポロネーズ作品26では、哀しい感情が支配したが、彼は決して生気を欠くことはなく、卓越したタッチによってこの作品の解釈を明瞭にした。

多様な特徴を抱合する4つのマズルカ作品41を、格調の高い演奏者は十分に語り、聴衆はこめられた様々な感情を余すことなく感じ取ることができた。これは彼の「絵」が持つ効果的な彩色によるところも大きい。ピアノから次第にクレッシェンドし輝きを放ち、フォルテからディミヌエンドで少しずつ音を消していって、暗示的な終わりへと向かう、その色使いの妙だ。

そして、バラード作品23を、聴衆への温かい挨拶の抱擁のように、彼は弾いた。彼の信じがたい大胆さの例。音楽劇を劇的に語り、終盤のプレスト・コン・フォコにて聴衆を熱狂させた。

 Attilio Botarelli

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ラファウ・ブレハッチに関するレビュー記事で、2005年のショパンコンクールの優勝者、と書いてない記事を見たのは、私はこれが初めてです。わかりきったことは書かないのか、時は流れる、ということでしょうか。

今回のリサイタル、シマノフスキと後半のショパンの曲は、正式な演奏会では初めての演奏かと思います。今後夏の小規模なフェスティバルでも演奏し、ショパンについては10月の来日時に日本で本格的なお披露目となります。前回聴けなかったバラードは、特に楽しみにしております。



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