Preludia - Unofficial website for Rafal Blechacz

Blog

2009年10月10日土曜日

ラファウ・ブレハッチ、古典派ソナタ集CDに関するインタビュービデオ

グラモフォンのプロモビデオの元ビデオでの、ラファウ・ブレハッチの発言です。(2008年) 
ビデオのリンクは無効になっています
昨日の、ブレハッチの書いた解説と同様、そろそろ時効かと思い、アップします。多くのファンの方にはすでに回覧している内容ですが、最近彼の音楽が好きになった方のためにアップします。わりと荒っぽい訳ですが、改めて見直すことはしていません。


また、Preludiaの方に、9月末に公表されたブレハッチのインタビュー(ポーランドのメディアと)の前半をアップしておきました。
日本のことも、いつものようにうれしそうに話しておられます。

「ショパンの作品はどこの国でも高く評価されています。最も顕著なのは日本でしょう。日本ではショパンの音楽はほとんど神を崇拝するレベルに達しています。初めての日本ツアーでは、担当エージェントの要請で、オールショパンプログラムになりました。僕のファンクラブさえ、あるんですよ。」


私は彼の言葉を取り扱うごとに、演奏を聴いたときと同じくらい、いつもawe and admirationの心境になります。
飽きずにブログを続けているのは、私にとってはカリスマ的なこのアーチストから、毎回何かを学べるからだと思います。
今回も、なるほど、と感心する部分が2,3箇所ありました。
ポーランドでのインタビューは、こちらから。



**********************

ショパンコンクール後最初の録音がショパンというのは、私にとって自然なことでした。でも、2枚目のCDでは、異なったスタイル・作曲家を見せたいと思い、ハイドン、モーツアルト、ベートーベンを選びました。ハイドン後期のソナタと、ベートーベン初期のソナタです。ハイドンとモーツアルトの関係や、特にハイドン後期の作品とルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン初期の作品との関係を示したかったのです。

このレパートリーは、いつ頃から弾いていましたか?
思い起こせば、音楽教育を受け始めたのは、6歳の時ですが、モーツアルトの作品や、もちろんバッハの作品と、他にもいろいろ、カール・チェルニーなど勉強しました。モーツアルトの作品は本当にとっても好きでした。初めて人前で弾いたモーツアルトの作品は、変奏曲ハ長調でした。皆さん喜んでくれて、とても素敵な作品です。コンクールの前も、モーツアルトやハイドンの曲はたくさん弾きました。ハイドンの変ホ長調ソナタは、日本の浜松国際コンクールで弾きました。2003年でした。ベートーベンのソナタもコンクールで、たしか初めての国際ピアノコンクールで弾きました。2002年、ビドゴシチでの青少年のためのルービンシュタインコンクールでした。ビドゴシチは私が音楽教育を受けた都市です。そしてこのソナタを国際コンクールの際演奏しました。しかし、モーツアルトのソナタK311は、2005年のショパンコンクール優勝の直後から弾き始めました。今コンサートシーズン、今年は、このソナタを何回も、ヨーロッパやアメリカ、日本でのリサイタルで弾きました。これら3つのソナタは、こうやって経験をつんできたと思っていますので、これらの作品をCDに入れようと決めました。

ショパンとウィーン古典派の関係について。
古典派の作品、特にハイドンとモーツアルトは、ショパン音楽を理解する上でとても重要だと思います。ショパンがモーツアルトのオペラを愛していたことはよく知られています。また、ショパンの2番目のピアノ教師ヨーゼフ・エルスナーは、ハイドンの弟子だったことも興味深いです。またショパンは古典派のソナタ、スタイルを熟知し、そのスタイルを愛していました。古典派音楽はショパンの初期の作品に影響を与え、例えばソナタ第1番ハ短調や、ピアノ三重奏ト短調でそれが示されています。
こうした作品は、例えばソナタ2,3番に比べるとあまり有名ではありません。しかし、特別な古典的雰囲気が興味深く、フォルムは典型的な古典音楽です。とても面白いです。

なぜこれら3人の作曲家を1枚のCDにまとめようと思ったのか。
ハイドンとモーツアルトの特別な関係、ハイドン後期の作品とルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの初期の作品との関係を示したかったのです。この2人の作品には、交響楽や弦楽四重奏の影響が聴こえます。これを証明するような興味深い部分やポリフォニックの要素が多く見られます。ハイドン後期の、ベートーベンの初期の作品に与えた強い影響を明らかにしたかったのです。この作品には交響曲や四重奏的な要素が各所で聴こえます。例えばベートーベンのソナタ第1楽章の最初の部分は典型的な四重奏の雰囲気ですし、1楽章の繰り返しの部分は典型的な交響楽のトゥッティです。他にも、交響曲と弦楽四重奏の経験による影響を示す箇所がたくさんあります。私のCDの主なテーマはソナタなんですよ。CDのまさにタイトルなのですが、3人の偉大な作曲家、ハイドン、ベートーベン、モーツアルトを通じて、ソナタの異なった存在を示したいと思いました。もちろんソナタは、古典派の時代の典型的な音楽の形式でした。古典派の時代にとても人気のある形式でした。この形式を使った、最も偉大な作曲家がハイドン、ベートーベン、モーツアルトでした。私はこれら3人の作曲家をCDに選びましたが、このCDの主なテーマがソナタ、というわけです。

これは、ヴィルトゥオーソ音楽ですか?
各ソナタにそれぞれ典型的なヴィルトゥオーソ的要素が含まれています。たとえば、ハイドンのソナタの終楽章はとてもヴィルトゥオーソ的ですし、モーツアルトのソナタも、特に第1楽章はそうですね。しかし、ただヴィルトゥオーソというだけでなく、モーツアルトの作品では彼がオペラをとても愛していたことがよくわかります。例えば、第2楽章では、たくさんの声楽的な美しい要素が。。。(ビデオはここで終わっています) 



*************************************



2,3ヶ月前、お友達に教わって、ショパンのピアノ三重奏を聴いてみる機会がありました。ベートーベンみたいで、ベートーベン好きな私としてはとてもうれしかったです。このインタビューでのブレハッチの発言がなかったら、またブレハッチを通じてショパンを尊敬する彼女とお知り合いにならなかったら、この曲を聴こうとは思わなかったでしょう。
(チェロはヨーヨーマ、ピアノはエマニュエル・アックス。先月ニューヨークフィルの演奏会に行ったとき、エマニュエル・アックスのソロでベートーベンのコンチェルト4番を聴く機会がありました。当然ながら、ブレハッチの来日公演のときのベートーベン4番と、どうしても比べてしまいました。
ソナタ1番も、今回もう一度聴いてみました。手元にあるのは、ダン・タイ・ソンさんの録音―ショパンの3つのソナタ集です。これもブレハッチを初めて知ったとき、いろいろな演奏家のピアノソナタ3番を聴き比べたとき購入したものです。)
私自身はラファウ・ブレハッチのショパンにのみ傾倒しているわけではなく、どちらかというと、モーツァルトやベートーベンの方が好きです。まだ限られた曲しか聴いたことがありませんが。モーツァルトはコンチェルトも含め全曲録音してくれないかなあ、ベートーベンのコンチェルトも。。。と願ってはいるものの、プライオリティを考えるとむずかしいでしょうね。
「ラファウはカメレオンのように、演奏するごとに、その作曲家自身になりきる。」とポーランドのオラさんが言っていました。ほんとにそう思います。