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2009年10月18日日曜日

心打たれるブレハッチの新アルバム―レビュー(ポーランド)

ラファウ・ブレハッチの新アルバム「ショパンピアノ協奏曲」について、
ポーランドのGazeta Prawna に10月10日付けで掲載された、Tomasz Sztuka氏のレビューです。

もとのレビューのURL:
http://www.gazetaprawna.pl/tagi/kultura
スクロール・ダウンしてラファウ・ブレハッチの写真のところでクリックしてください。

英語化した記事はこちらです。

例によって、モトがポーランド語で、私はポーランド語を正式に学んだことはありません。
なので解釈率8割程度、のおおらかさでご覧くださいませ。





心打たれるブレハッチの新アルバム
Tomasz Sztuka

2005年、ラファウ・ブレハッチのショパンピアノ協奏曲ホ短調の演奏を聴いた時、彼はきっとコンクールで優勝するだろう、また音楽愛好家の心をつかむだろうと確信した。今振り返ると、その2つとも実現したわけだ。最近彼はショパンの2つの協奏曲のCDをリリースした。

ブレハッチはポーランド音楽を「商品輸出」する最初の事例となった。彼は栄誉あるドイツ・グラモフォンと有利な契約を交わし-これまでこれを可能としたのはクリスティアン・ツィメルマンだけだった― 世界へ飛翔した。9月後半にリリースされたショパン協奏曲の録音は、ブレハッチの才能と深い解釈力の証明だ。ブレハッチの音楽は彼の内面の希求を明瞭に示し、それを外に向けて豊かに表現している。彼のスタイルは従って、その徹底した完璧さゆえ「機械的」とよく言われるツィメルマンとは異なる。

ブレハッチはショパン弾きとして分類されないよう、努力している。

ショパンの前奏曲の録音(2007年)をDGからリリースしてほどなく、ハイドン、モーツアルト、ベートーベンのソナタ集を録音、極めて高い評価を得た。ショパンの協奏曲を、中心的アーチストとして録音した背景には、来るショパンイヤーとの関係がある。

彼がポーランドのこの作曲家に戻った理由は、2005年の成功後、聴衆が2つの協奏曲の完全録音を望んでいた、その願いに答える意味合いもあったのだろう。

彼の演奏はひけらかさない。革命的な特徴もない。

私たちの若いピアニストは、少なからず過去の演奏を参考にしている。
彼は伝統を重んじる一方で、自分独自の考え抜いたスタイルも保っている。最高度の軽やかさ、新鮮さ、同時にショパンの伝統への忠実さ、こうした特徴は、古いけれど模範となるかつての演奏 ―ヴィトルト・ロビツキ指揮、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、レギナ・スメンジャンカ(ヘ短調)、ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(ホ短調)の演奏を思い出させる。2つの協奏曲とも1959年に録音された。

ブレハッチの協奏曲ホ短調は、最近DGから出されたユンディ・リー(フィルハーモニア管弦楽団、アンドリュー・ディヴィス指揮)の録音よりはるかに優れている。後者では、指揮者が解釈の正確さよりも音量を重視している。

この新譜で特筆すべきは、オーケストラ、ピアニスト、指揮者が完璧に調和していることだ。

どの演奏者も目立とうとしていない。ピアニストは自分が優先されるような勢いを得ようとはしていない。ラン・ランなど、他の多くの録音ではありがちなことだが。
ブレハッチは安っぽいトリックなど使わない。奇をてらうこともしない。彼は威厳ある演奏をし、卓越したオランダのオーケストラが同等の立場で演奏することを許した。

演奏者間の一貫性がない例として、オルガ・カーン、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、アントニ・ヴィト指揮(Harmonia Mundi、2006年)がある。ピアニストの流麗な演奏が、重厚なオーケストラから浮いてしまっている。

ブレハッチは協奏曲の録音に際し、自分で指揮者と好みのオーケストラを選ぶという、類まれな機会を得た。彼の選択は極めて正確なことが証明された。

2008年12月、威信あるプロフェッショナルな「グラモフォン」誌は、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を世界で最良のオーケストラと評価した。

最近演奏頻度の減った、ポーランド生まれの偉大な指揮者イェジー・セムコフは、ショパンの2つの協奏曲からもっとも大切なものを引き出した。若々しい軽やかさ、ときに大胆さも。常に適切なテンポを保ち、はったりや虚勢がないこと。
このアルバムでは、他の録音では聴こえない音符が、楽譜からきちんと取り出されていると、時々感じる。消えてしまったり、紛れ込んだり、テンポに押されて最後まで響かせることができなかった音が、ちゃんと存在するのだ。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の清らかな楽器の音色が大きく寄与していることは間違いない。
(以下、ショパンについて、省略)

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