Preludia - Unofficial website for Rafal Blechacz

Blog

2009年7月4日土曜日

ラファウ・ブレハッチのショパン協奏曲録音のための演奏会に関する、レビュー(ポーランド)

ポーランドラジオのJacek Hawryluk が、7月2日のアムステルダムコンセルトヘボウでの演奏会について書いたレビューです。

もとレビューはこちらから。 

例によって、まず英語にしてから日本語化してます。和訳の精密さは、82%位だと思ってください。
Hawrylukはむずかしい単語をいくつも使っており、ポ英辞書に出ておらず、英語でどういう単語になるのか、具体的にイメージできない部分がたくさんありました。

---------------------------------------------------------------------

一度の演奏会でショパンのふたつのコンチェルト―ラファウ・ブレハッチは午前中、威信あるドイツのレーベル、ドイツ・グラモフォンからの新譜を録音、夜は今取り組んでいるものを聴衆に披露した。

「ここの聴衆は、僕の聴衆でした。」と演奏後、明らかにリラックスした雰囲気でブレハッチは言った。ここはアムステルダム・コンセルトヘボウ、ヨーロッパ屈指の演奏会場。ブレハッチにとって、ここでの演奏は4回目になる。

休暇の季節とはいえ、木曜日の夜にもかかわらず満席。前半、コンチェルト第2番へ短調作品21の演奏が終わるや、既にスタンディング・オベーションとなった。

後半、コンチェルトホ短調作品11を演奏し終えたときには、真の幸福感が満ち満ちた。ちょうど、私も覚えているが、このピアニストが圧倒的勝利を収めた2005年のコンクールと、似た雰囲気だった。


録音セッションはこのコンセルトヘボウで、火曜日(この日、6月30日は彼の誕生日だった)から、毎日午前中行われている。ブレハッチは、ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団と共に、ドイツグラモフォンからの3枚目のアルバムを録音する。ショパンの前奏曲、ウイーン古典派に続いて、再びのショパン。来る2010年のショパンイヤーを考えれば、当然なすべきこと。新譜は、イェジー・セムコフの指揮により、ふたつのコンチェルトが入る。

追加の“試み”として、二人のアーチストはともに今自らが取り組んでいるものを聴衆に見せようとした。プログラムの前半、後半ともに、まずモーツアルトの序曲でスタート。最初は堂々とした快速の「フィガロの結婚」、後半はより躍動感にあふれるトルコ風の「後宮からの誘拐」。

細かなディテールもきちんと聴こえる。だからこそ、アムステルダムの王立管弦楽団は、12月にイギリスの音楽誌「グラモフォン」の評論家から、世界の最優秀オーケストラとして顕彰された。(ベルリンフィルやウィーンフィルを抑えて、である。)演奏は清明かつ明瞭。オケの各パートの個々の部分が聴こえ、非のうちどころのない音調を創り出す。指揮者に喜びを感じさせる―彼は楽団員をちらっと見るだけで、ただちに理解できる。



7月2日、演奏会前のコンセルトヘボウ



ブレハッチとセムコフはコンチェルト2番へ短調から演奏を開始した。(年代的にはこちらのコンチェルトが先に作曲された。)二人とも、この偉大なチームを自由に使える機会をフルに活用しようとした。ポーランド人指揮者は、オケの各パートに対してゆったりと振り、アムステルダムの楽団員達に演奏の自由を与えた。こうして創り出された音は豊かで飽和して、まさにシンフォニック。セムコフはオーケストラに完全な権限を渡した。(この方法は1999年にクリスティアン・ツィメルマンが室内楽的な祝祭管弦楽団でとった方法と、根本的に異なる。)

ブレハッチもまた、自らの価値を証明した。彼は本物のヴィルトゥオーソ、高貴な熱意を持ち、思慮深く演奏する。型にはまりルーチンに損なわれることはない。弾けるような新鮮さと楽観的な音色―ショパンの初期の作品には理想的な長所を持っている。今なお、より良いテンポ・ルバートを探し、試している。(特に最終楽章で。)真ん中の自由な楽章で、ブレハッチは絶妙の演奏をした。親密な出来事(←恋のことだと思います。)の物語のための、繊細かつロマンチックな響き。ホ短調コンチェルトのクラコヴィアクでは、あたかもオーケストラに、このフレーズはこう弾くんだよ、と語りかけるようなダンスのリズムの演奏だった。

録音セッションは土曜日(7月4日)に終了する。
「これから、大変な作業が待っています。」とブレハッチは笑った。
「僕が、最も良いポーションを選んで、全体を構築します。試聴をし、提案もします。ドイツでの最終のディスクの作製にも参加したいと思っています。」

このピアニストは、レパートリーに対する構成の精密さを、おそらくクリスティアン・ツィメルマンから継承するだろう。ツィメルマンはいつも録音のモニターはかなりのこだわりを持っている。

ロイヤル・コンセルトヘボウの楽団員達は、ラファウが好きなようだ。相互の親しい関係が感じられた。
「このオケの演奏ときたら!」とブレハッチは賞賛する。
「ホルンはとても美しい演奏でした。バスーンフルートもきれいでした。両曲とも、2楽章が素晴らしかったと思います。演奏会では、とても自発的な雰囲気があって、録音のときの、ルールに従う感じとは違いますね。」

2つのコンチェルトの世界でのプレミアは、9月18日。もし、今週木曜日のアムステルダムの夜のようになってくれたら、喜ばしいのだが。この夜も最初はコンセルトヘボウの演奏で始まったけれど、皆の心に残っているのは、ピアニストがアンコールで美しく弾いたマズルカだ。もし、ドイツ・グラモフォンのプロデューサーを説得して、マズルカ全曲を録音することができるなら。。。これまでは、無理だったろうけれど。

---------------------------------------------------------------

Jacek Hawryluk は、これまで、ブレハッチに対しては、「あら探し」的な書き方をしてきたそうです。例えば、2006年3月1日、ショパンの誕生日にワルシャワで行われた演奏会は、かなりの酷評だったとか。
(正確な文言は探さないと思い出せませんが、「音楽学校で勉強しなおす必要がある。」みたいなことだったかと思います。)
最近では、今年の3月に、ポーランドTVのインタビューで、粘着質の質問をしていました。

しかし、今回は、なだれのように賛辞がつぎつぎと出てくるので、意外でした。
彼自身も夢中になった感じです。
本当に良い演奏だったのだろうな、と、とてもうれしく思います。

**********************

このウェブサイトに引用している画像・文章等は、著作権を有する所有者に属するものがあります。
このサイト www.blechaczinfo.com 独自の著作物を引用なさる場合は、事前に サイト管理人 にご相談くださいますよう、お願い申し上げます。