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2009年2月7日土曜日

素晴らしかった、ラファウ・ブレハッチの弾く、ベートーベンピアノ協奏曲第4番

福岡でのベルリン放送交響楽団・指揮マレク・ヤノフスキ + ラファウ・ブレハッチの演奏会に行ってきました。
英語ブログ一応感想と報告を書いたので、こちらはやめておこうかとも思ったのですが、
かなりいい演奏でしたので、記録しておくことにします。
(英語ブログに、リハーサル風景の写真のリンクをつけておきました。)


ブレハッチが春の雰囲気と呼ぶコンチェルトを弾く日、福岡はまさに春の到来。
ぽかぽかゆったりしていました。
にこやかに軽やかに舞台に登場したブレハッチ、大柄なドイツ人の中にあっては失礼ながら子供のように見えます。
着席した瞬間に、ぱっとベートーベンの世界へと心のベクトルを切り替えたように見えました。

1楽章の最初のピアノからオケが静かに受け継ぐ部分、むずかしい箇所だろうけれど、
美しくブリッジされた後オケがのびやかに広がり、
交響曲6番田園を彷彿とさせました。
ああ、ベートーベンだなあ。。

オケとピアノは絶妙にメッシュしていて、ピアノがオケの一部のように1楽章では感じました。
ピアノがひきたたない、という意味でなく、マエストロの棒のもと、
あたかもオケの楽器のひとつであるかのごとくテンポもニュアンスも強弱もぴたりとはまっている感じ。
(ずれる場合も、そうと感じない、というか。。)

オケとピアノが一緒に鳴っているのです。
相当リハを重ねたのか、あるいはソリストのセンスがいいのか。

ピアノが主役のショパン協奏曲とは異なり、オケとの調和が本当にむずかしい曲ではないかと思うのですが、
見事にそれぞれの役割を果たしていた気がします。

ブレハッチのピアノは、正統派のベートーベン、という印象でした。
前から2番目の近距離で観察できたのですが、指の付け根を支点に発音する時の角度が、
特殊なプログラミングを施したように自在に調整され、
指と鍵盤との出会い方もショパンの場合と違い、
姿勢や腕の使い方も違うと思いました。
確固とした部分、優美な流れがある部分、いろんな表情を多様に弾きわけます。

2楽章は、ブレハッチがインタビューで述べているとおり、オケとピアノの「断片的な対話」がすばらしく、
ここの弱音やニュアンスは他のピアニストにはできないブレハッチならではの美しさだと思いました。

(この「断片的」って、城所さんのインタビューにあった言葉ですが、
ブレハッチはどんな英語の単語を使ったのだろうと、すごく興味があります。
たぶん、fragmentaryではなく、もっと劇的な感じだと想像します。
記事用に和訳されてしまうと、意味合いが丸まっちゃって、個性がなくなる気がします。)

3楽章はますますベートーベンで、堂々たる演奏。私はカデンツァの出だしにしびれました。
純朴で力強いベートーベンらしい、だけどやはりブレハッチ的な清涼なフォルテの響き。
小さな体で(失敬!)よくこんな音がだせるなあ、と。
一楽章の優美なカデンツァより印象深かったです。
そしてマエストロはぐんぐん快速(はやいという意味ではありません。)に音楽を引っ張っていくのですが、
やはり絶妙なソロオケコンビネーションで、気持ちよく階段を駆け上がったら、そこは青空だった、みたいな。

ブレハッチの音色もよかったですが、私はオケも感銘を受けました。
暖かでエネルギーにみちた音が、ホール全体にじわーっと広がって、
ホールの音響ともマッチしていると思いました。
マエストロの棒もぐいぐいリードするのだけど強権的じゃなく、すごく魅力的。
私は一曲目の未完成から見とれてしまいました。

そうそう、私の席からは指揮者、ソリスト、コンマスのコミュニケーションのトライアングルがよく見えました。
指揮者のリーダーシップに従いつつ、お互いを尊重しあいアンサンブルしてるように思いました。
さらに、セカンドバイオリンのトップの方が、折々にコンマスとアイコンタクトをとるのですが、
立派な体格のこの方が真剣な目でブレハッチを見つめる、その誠実な面持ちに何だか感激してしまいました。

満席の会場からのブラボと、なりやまない暖かい拍手にこたえ、アンコール2曲。
ショパンプレリュードop28-4と、マズルカop56-2(なつかしか!!)

ブレハッチのベートーベン聴きたさに福岡まで飛んだのですが、オケも指揮も会場もよく、すごーく得した気分です。

私の昔の上司が、予定より仕事がはやくかたづいたので、ではやはり行こう、と問い合わせたら、完売だったそうです。
でも彼はこれを機会にブレハッチを好きになってくれました。
プレリュードのCDを買って、「こんな音のピアニストは聴いたことがない。いいピアニストを紹介してくれてありがとう。」と言って。
ほかにも、昔の同僚が来てくれてたはずです。(会えなくて残念)
むろん、東京その他からいーっぱいファンの方がみえてました。
とおくアメリカからも。 





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↓ こちら、ファンの方からいただいたコンチェルトの印象。(感謝!)
加工せずにそのまま載せさせていただきます。その方が伝わると思って。
ピアノの先生でいらっしゃいます。


「ベートーベンの感想は帰りの飛行機の中でずっと思い出してたんですが、
私は2階の左側のバルコニーにいたのでホールの全体がみわたせたんですが、
ほとんど満席・・一杯でした。

そして本当に超一流のベートーベンだと思いました。
垢抜けしてた・・分ります?この表現・・
ホール全体に、細かい音もすべてはっきり聞こえ、そしてダイナミックな音の厚みも
ちゃんとベートーベンの音、そして全部、意味のある音楽になっていました。

うっまいねー。どう思い返してもあのラファウさんの顔と結びつかないような
巨匠の演奏でした。

今までできいた4番のコンチェルトの中で一番感心?感激した演奏でした。

話はちょっとそれますが、かのアルゲリッチはこのコンチェルトだけはあまりに大切すぎて
弾けないと言っています。あらゆる点で難しいのだと思います。」

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↓ やはり、東京から観にいかれたファンの方の感想です。
ご姉妹3人でご覧になりました。

お姉さんの感想
「ブレハッチさんも、ピアノの音色も、何て気品があるのでしょう!
この様なピアニストはなかなか居ないわね~ 。」ととても感動してくれました。

妹さんの感想
(以前わたしが妹に何度もブレハッチさんのピアノの音色の美しさは際立っているなど話していたのを覚えていたらしく・・)
「私も今日の演奏を聴いて、こんなに美しいピアノの音は聴いたことがないわ~。
そしてブレハッチさんとてもお上品だし、なんてきれいな手なんでしょう~。」
とこちらも感激していました。

・・・とのことです。
お姉さまとご本人はかつて一緒にピアノを習い、
妹さんはコーラスの会で活躍なさっている、音楽好きの3姉妹、ということです。

ありがとうございました。 





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