Preludia - Unofficial website for Rafal Blechacz

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2008年2月15日金曜日

ブレハッチ、ナポリでのリサイタルに関するレビュー(イタリア)

ポーランド人演奏家、情熱的なリサイタルでモーツアルトとショパンを披露
サンカルロ劇場の聴衆、ブレハッチに喝采

ナポリにて。2005年のワルシャワのショパンコンクールの覇者、23歳のポーランド人ピアニスト、ラファウ・ブレハッチ(写真)が、サンカルロ劇場のコンサートシーズンで待望の演奏会を開いた。プログラム後半はショパンの中でも特徴ある、前奏曲op28、ブレハッチは深く、光とインスピレーションを与えるような演奏を見せてくれた。この若い演奏家は、このひとまとまりの作品の価値を復興させるような演奏をした。彼の弾き方は、「素朴にざっと弾く用意ができた(シューマン)」ので、すぐに即興的に弾くというものではなかった。前奏曲の各曲が、スケッチあるいは真珠のようで、未完成さ、メロディのほのめかし、怒りや純粋な感情、あるいは不可解で合理性を避けるような感情を噴出させ、しかしまた、作曲家の詩的な世界をうまく具現化している。非常に病弱で、39歳で亡くなったショパンだが、彼のこの音楽は、その才能、神秘性、ピアニスティックな魅力で思いをはらしているようだ。だから、おそらく何にもまして、この前奏曲は彼にとって最も重要で象徴的な作品なのだ。そして、ブレハッチは、繊細な各曲を深く掘り下げ、それらを正確なモザイクとして組み立てすべてを輝かせることで、完璧な高みを見事に表現した。
ブレハッチは、いかなる瞬間も、まれに見る美しさと澄み切った歌を聴衆に示し、最も有名な前奏曲「雨だれ」で語りかけてくれた。彼が雨だれを弾いたとき、聴衆から自然と拍手がわき起こり、ブレハッチは応えるように微笑んだ。
プログラム前半では、モーツアルトの作品(ソナタニ長調作品311)、ドビュッシーの版画、シマノフスキーの主題と変奏曲作品3が演奏された。シマノフスキーはショパン同様、ポーランドの代表的作曲家で、1937年に亡くなった。あまり知られていないが、伝統と現代性の個人的統合を試みた。この作品3もそうだが、彼の作品はショパンを思わせる悲哀で深く彩られており、類似の気質をもったブレハッチのピアニズムによって、その特徴が明確に演奏されたと思う。ドビュッシーの「版画」では、印象主義を示唆し、多様な色彩感を示そうとしたが、他の曲ほど効果的ではなかった。一方、最初に演奏されたモーツアルトは、古典的快活さに満ち、きわめてドイツ的だった。拍手に続いて、アンコールはショパンのマズルカの一曲。
(評)Umberto Garberini

http://www.vincenzomerolla.it/articoli/napoletani%20fino%20al%2043%20IL%20roma.pdf

MOZART E CHOPIN NEL RECITAL INTENSO DEL PIANISTA POLACCO
Applausi per Blechacz al San Carlo
NAPOLI. Il ventitreenne pianista polacco Rafal Blechacz
(nella foto), vincitore dell’edizione 2005 del
concorso “Chopin” di Varsavia, si è esibito al teatro
San Carlo nell’ambito della stagione dei concerti. Un
recital intenso, culminato nella seconda parte con l’esecuzione
dei Preludi op. 28 di Chopin, opera singolarissima,
che ha visto da parte di Blechacz una lettura
profonda, lucida e ispirata. Il giovane interprete
ne ha restituito il valore di opera unitaria nell’apparente
estemporaneità di brani appena sbozzati e
“disposti selvaggiamente alla rinfusa” (Schumann).
Sono schizzi, o perle, incompiuti, accenni di melodia,
scatti d’ira, visione pura, incomprensibili e sfuggenti
sul piano razionale, ma che bene esemplificano il
mondo poetico dell’autore. Debolissimo nel fisico,
morto a soli 39 anni, la sua musica sembra vendicarlo
con la potenza del genio, del mistero, dell’incanto racchiuso
in piccole forme pianistiche. Perciò, forse più di altre, i Preludi sono la sua opera più significativa
ed emblematica. E Blechacz si è dimostrato all’altezza di un tale compito, sviscerando i singoli brani fino
a farli risplendere in un mosaico perfettamente compiuto, con tutte le tessere al posto giusto.
Ci sono stati anche momenti di rara bellezza, con il canto terso, parlante di uno dei più celebri preludi
(“La goccia d’acqua”), che ha suscitato spontaneamente l’applauso del pubblico durante l’esecuzione e a
cui Blechacz ha risposto con un sorriso.
In prima parte figuravano pagine di Mozart (Sonata in re maggiore K. 311), le “Estampes” di Debussy e
le Variazioni op. 3 di Szymanowski. Insieme con Chopin, quest’ultimo è uno dei più rappresentativi musicisti
polacchi, morto nel 1937, in parte ancora misconosciuto, che ha tentato una personalissima sintesi
fra tradizione e modernità. I suoi lavori sono densi di pathos di chopiniana memoria, come appunto l’op.
3, che si è rivelata probabilmente per questo altrettanto congeniale al pianismo di Blechacz. Meno efficaci
le suggestioni impressioniste e i colori multiformi delle “Estampes” di Debussy, con il suo omaggio
all’Oriente e al folcore andaluso, mentre classicamente vigoroso, fin troppo teutonico, il Mozart d’apertura.
Applausi e un bis con una Mazurka di Chopin.
UMBERTO GARBER

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2008年2月10日日曜日

ブレハッチ、パリ・シャトレー座でのリサイタルデビューのレビュー(フランス)

2008年1月27日、ラファウ・ブレハッチがパリのシャトレー座でリサイタルデビューした際のレビューの和訳です。

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道を拓き、さらなる洗練を。

パリ
シャトレー劇場
2008年1月27日 午前11時開演
モーツアルト ピアノソナタ第9番、作品311
ショパン 前奏曲作品28
ラファウ・ブレハッチ(ピアノ)

30年前に「日曜日のマチネコンサート」を創設して以来、Jeanine Roze プロダクションは音楽のブランチというコンセプトを推進してきた。要求度の高いプログラム編成と、常連の聴衆を組み合わせることで、シャトレー劇場での日曜日恒例の演奏会を成功させてきた。来週以降演奏予定の高名な演奏家達(イザベル・ファウスト、ジャン・マルク・ルイサダ、スーザン・グラハム、クワテュオール・モザイク、フィリップ・ジャルスキーなど)に比べると知名度は低いかもしれないが、ラファウ・ブレハッチ(22歳)は浜松コンクール(2003年)で2位-公正をきして言うなら、アレクサンダー・コブリンとともに1位なしの2位を分け合った。しかし、彼の名が知られるようになったのは、ワルシャワのショパンコンクール(2005年)で、同国のクリスティアン・ツィメルマン以来30年ぶりの優勝を果たした時だ。

ブレハッチのモーツアルトソナタ第9番(1777年)は、確固として音楽を支配し、放縦な印象は一切なく、ちょっと心ひかれる以上の魅力で惹きつける。第1章アレグロの、ベートーベン的な自発性(速いテンポ、生き生きしたコンスピリート)、第2章アンダンテでの曲線部分でもよく歌っており(癒しに表情豊かさプラスされ)、洗練と技巧が見られる(最終章ロンド)。――こうした雰囲気が次々と足早に展開される様子は、あたかも彼が眼前の食通達のお決まりの予想や期待に対抗しようと、自身の巨大なパレットから、手持ちの多様な技術と表現方法を取り出してみせるようだった。

この演奏方法は、彼が最近ドイツグラモフォンと契約するにいたった前奏曲作品28(1839年)のような小品集を弾くために、一層おあつらえ向きだ。しばしば躍動的なテンポを保ち、(4,15,17番の)叙情的な感情の吐露の際にも意気消沈することを避けたことは、モーツアルトと同様、彼の歌い方を直線的にしすぎるきらいはあるものの、曲の終わりにきてテンポを下げることによりうまく調和させている。ただこの減速は(7番の)素朴な歌を損なうものではあるが。賞賛できる程に勤勉に演奏しているが、18番での劇的な衝動に見られるように、彼の解釈は、時として感情の激発も許している。

早いパッセージでの流暢さと明晰さ(3,8,10,16番)、および繊細な色彩感(2番)、また、美しい深さをもった鍵盤の響き(9,20番)、ラフマニノフを彷彿とさせる雷鳴の響き(12,14,22番)、そして奇跡のような繊細さ(23番)。ラファウ・ブレハッチは、実に様々なことができる。しかし、彼のキャリアはこれからであり、今後さらに道を拓き、その豊かな演奏のさらに上澄みをすくっていくことだろう。

アンコールはやはりショパン。よく弾きこんだと思われる、ワルツ作品64の2番(1847年)とマズルカ作品17の2番(1833年)。

評:シモン・コルレー(Simon Corley)

原文サイトはこちら
http://www.concertonet.com/scripts/review.php?ID_review=4417

文字化けする場合もあるようなので、コピーを貼り付けておきます。

Canaliser et décanter

Paris
Théâtre du Châtelet
01/27/2008 -
Wolfgang Amadeus Mozart : Sonate pour piano n° 9, K. 284c [311]
Frédéric Chopin : Préludes, opus 28

Rafal Blechacz (piano)


En créant voici trente ans les «Concerts du dimanche matin», Jeanine Roze a imposé le concept de brunch musical: une programmation exigeante mais aussi un public fidèle et familial, de sept à soixante-dix-sept ans, font le succès de ce rendez-vous dominical au Théâtre du Châtelet. S’il est moins célèbre que bon nombre de ceux qui lui succéderont dans les prochaines semaines (Isabelle Faust, Jean-Marc Luisada, Susan Graham, le Quatuor Mosaïques, Philippe Jaroussky, …), Rafal Blechacz (vingt-deux ans), deuxième prix au Concours de Hamamatsu (2003) – ex-æquo, en l’absence de premier prix, avec Alexander Kobrin –, s’est cependant fait connaître en remportant, trente ans après son compatriote Krystian Zimerman, le premier prix au Concours Chopin de Varsovie (2005).

Très fermement tenue, ne donnant jamais l’impression de s’abandonner, sa Neuvième sonate (1777) de Mozart intrigue davantage qu’elle ne séduit: volontarisme beethovénien de l’Allegro (rapide, mais pas très con spirito), chant faisant peu de concessions à la courbe dans l’Andante (guère plus con espressione), préciosité et maniérisme (Rondo final) – les climats se succèdent et se bousculent, comme s’il puisait avec gourmandise dans l’immense palette de ses moyens techniques et expressifs pour combattre l’attendu, le prévisible.

Cette démarche convient mieux à une succession de pièces brèves telle que les vingt-quatre Préludes de l’opus 28 (1839), qu’il vient d’enregistrer pour Deutsche Grammophon. Le tempo est souvent vif, ce qui évite un alanguissement déplacé dans les effusions lyriques (Quatrième, Quinzième, Dix-septième), même si, comme dans Mozart, le chant paraît trop souvent rectiligne, seulement assoupli en fin de phrase par une tendance au ralentissement qui nuit à la simplicité du propos (Septième). Très travaillée, presque cérébrale, l’interprétation s’ouvre néanmoins parfois à des élans plus spontanés, telle l’impulsion dramatique conférée au Dix-huitième.

Volubilité et clarté des pages rapides (Troisième, Huitième, Dixième, Seizième) mais aussi sens de la couleur (Deuxième) et belle profondeur du clavier (Neuvième, Vingtième), déferlements orageux évoquant déjà Rachmaninov (Douzième, Quatorzième, Vingt-deuxième) mais aussi toucher miraculeusement impalpable (Vingt-troisième): Rafal Blechacz sait faire beaucoup de choses, mais il a désormais toute une carrière devant lui pour canaliser et décanter les richesses de son jeu.

Toujours Chopin, bien entendu, en bis, avec la Deuxième des trois Valses de l’opus 64 (1847) et la Deuxième des quatre Mazurkas de l’opus 17 (1833).

Simon Corley

演奏会プロダクションのブレハッチ紹介ページはこちら。
http://www.jeanine-roze-production.fr/index.php?id=25&tx_cmcconcertjrp_pi1[uid]=50



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2008年2月8日金曜日

ブレハッチCD「ショパン前奏曲」レビュー(フランス)

ラファウ・ブレハッチのプレミアディスク

(評)セバスチャン・デュプイ(Sebastien Dupuis)
@フランスClassiqueInfo-disque.com
2008年2月8日付け

音楽の世界では、時々奇跡が起こる。

なにしろ、弱冠22歳の若者が、ツイメルマン、アルゲリッチ、ポリーニに匹敵するような、録音の殿堂に加えられたのだから。しかし、私は、このラファウ・ブレハッチに関する記事の中で、ツイメルマンの名をすでに2回も書いてしまったことを後悔している。なぜなら、この若いピアニストは、かのピアニスト以上の価値があり、たとえその演奏がかのピアニストの演奏にかなり似ているにせよ、彼独自の芸術的アイデンティティはきちんと認識されるべきと思う。

ラファウ・ブレハッチは音楽の世界の贈り物、彼によって、ピアニスティックな音の世界は完全に復活した。これは彼の繊細かつ極めて力強いパーソナリティに裏打ちされている。力強いと言ったのは、決して、この若いヴィルトゥオーソがその巨大な才能でもって全てのパッセージを強烈に弾きまくる、という意味ではない。むしろ、彼の力強さは大河のようにゆったりとした、根源的なものだ。大地を巡る道に沿って平穏にとうとうと流れ、決して流れを止めることのない大河、少しずつ海に近づき、無限の広がりに向けて流れ込む大河にたとえられる。

ブレハッチの独自性あるパーソナリティ、ショパン作品への新しいビジョン、タッチのセンスの素晴らしさを見れば、彼がピアニストの新たな救世主だとわかる。彼のピアノへのアプローチは、未開拓の宇宙であっても、新たな入り口は常に存在すると繰り返し証明してくれる。ブレハッチの宇宙は、静寂、よく歌う右手、慎み深さ、寛容な響き、抜群のペダリング、完璧なアーティキュレーションに特徴づけられる。誰でも知っているという印象を持ちがちな24曲の前奏曲だが、音楽評論家は愛しむ対象として、また、大衆化した演奏は支持しないという形で、このショパン作品を復興させた。ラファウ・ブレハッチは音楽の世界の開放者であり、ショパン音楽を忘れるのではという不安から私たちを解放した。本当のショパンはこんなふうに弾くのだ、常にこんなふうに弾かれてきたのだと私たちを納得させることで、私たちをショパンにさらに近づけてくれた。

ブレハッチは彼のプレミアディスクの最後にノクターン作品62の2曲を選んだ。この2つのノクターンは気品ある作品の最高傑作だ。この若いピアニストの方向性を示しているし、非常に待ち遠しい次のディスクのリリースまで、私たちを夢の世界にいざなってくれる。この伝説的ピアニストが、芸術家として熟成するまでの長い道のりのまだ始めの段階にいるとは、全くなんと驚くべきことだろう。

残念ながら、このディスクがもたらしてくれる感情を言葉で記述するのは不可能だ。ゆえに、私としては、世界中の人々が少しでも早くこの音楽に気づき、聴いていただきたいと切に望むばかりだ。

原文はこちら。
http://classiqueinfo-disque.com/spip/spip.php?article67

Premier disque Chopin de Rafal Blechacz.
vendredi 8 février 2008 par Sébastien Dupuis

Il y a parfois des miracles dans le monde musical.
Quand on pense qu’un jeune homme de 22 ans se retrouve projeté soudainement au panthéon d’une discographie aux côtés de Zimerman, Argerich, Pollini. Mais déjà je regrette d’avoir écrit le nom de Zimerman deux fois dans un article parlant de Rafal Blechacz, car ce pianiste mérite mieux qu’une comparaison, il faut lui reconnaître son identité artistique unique, même si son jeu se rapproche plus d’un tel pianiste ou d’un autre.

Ce cadeau musical qu’est Rafal Blechacz est un renouvellement total du monde sonore pianistique doublé d’une personnalité subtile et très puissante. Puissante non pas comme ces jeunes virtuoses qui ravagent tout sur leur passage par leur immense talent, mais puissant comme la force lente et sous-jacente d’un grand fleuve qui coule paisiblement en suivant son chemin déjà tout tracé dans la terre, que rien ne peut arrêter, et qui progressivement atteint l’océan pour se déverser dans cette étendue infinie.

C’est bien sa personnalité unique, sa vision nouvelle des œuvres de Chopin, et son sens du touché qui font de Rafal Blechacz le nouveau messie des pianistes. Car son approche du piano nous prouve une fois de plus qu’il y a toujours une nouvelle porte vers un nouvel univers non encore exploré. L’univers de Blechacz est celui des silences, des lignes de chants de la main droite, de la retenue, de la générosité sonore, du dosage de la pédale, de l’articulation parfaite. Dans ces 24 préludes qui nous donnaient l’impression d’être trop connus jusqu’à présent, le chroniqueur a retrouvé le Chopin qu’il aimait tant, et qu’il n’aurait pu supporter de voir banalisé. Rafal Blechacz est une libération pour le monde de la musique, il nous a délivré de la peur d’oublier Chopin. Je dirais même qu’il nous a rapproché de lui en nous persuadant que c’est de cette façon que se joue le vrai Chopin, et que cela a toujours été ainsi.

Blechacz a choisi les deux nocturnes op.62 pour clore son premier disque. Ces deux nocturnes sont des chefs d’œuvres de délicatesse sous la direction du jeune pianiste, et nous laissent rêveur quand a ses prochaines parutions discographiques que nous attendons tous avec la plus grande impatience. Quelles seront les merveilles que va nous faire découvrir ce fabuleux pianiste encore au tout début de son long chemin vers la maturité artistique.

Malheureusement, les mots ne suffisent pas pour transcrire les émotions que procure ce disque, je recommande donc vivement à tout le monde de l’écouter en toute urgence pour s’en rendre compte.


Frédéric Chopin (1810 – 1849)
24 préludes, prélude op.posth, prélude op.45, deux nocturnes op.62
Rafal Blechacz, piano
1CD Deutsche Grammophon, 4776592, enregistré à Hambourg, Friedrich-Ebert-Halle, juillet 2007


Sébastien Dupuis
Articles de cet auteur
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Récital
La musique réfléchie d’Anders Brødsgaard

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2008年2月1日金曜日

ラファウ・ブレハッチCD「ショパン前奏曲集」レビュー(イギリス)

MusicWeb Internationalによる前奏曲CDのレビュー(2007年11月付け)

MusicWeb International: イギリスの元大学教授が、BBC、音楽関係者と立ち上げたオンライン音楽評価サイト。クラッシック・ジャズ・映画等幅広くカバーしている。
前奏曲の評価は、Christopher Howell(ピアニスト・作曲家・音楽評論家)による。
彼は、前奏曲を、2007年11月の今月の録音 Recording of the Month、及び
2007年の今年の録音 Disc of the Yearに選出している。


少し前、私はブレハッチが優勝した2005年のワルシャワ・ショパンコンクールの全実録CD15枚セットを聴きおえた。本選出場者の何人かにはやや当惑したが、ブレハッチが優勝に値することは疑いの余地がないと確信した。コンクールに関する様々な評論を見回しても、この点は一致しており、多くの論者は、ブレハッチとその他の出場者とは天地の差があると強調している。ポーランド人の優勝は1975年のクリスチャン・ツィメルマン以来だし、優勝者が出なかった期間も長かった。今や彼の名は有名になり、ドイチェ・グラモフォンとの契約という最初の果実を手に入れたわけだ。

(コンクールでのブレハッチについて)私の印象を言うなら、舞踊に基づく作品の演奏は、天性のものだ。彼のポロネーズ、マズルカ、コンチェルト3楽章は実に素晴らしい。彼のノクターンop62-1も本当に美しいが、前奏曲については直ちに心奪われたわけではなかった。良い悪いは別にして、ブレハッチはこの前奏曲でレコーディングの国際舞台に乗り出そうと決めた。

これら小曲は、全く信じがたいほどにちゃんと弾くのがむずかしい。(ブレハッチのCDでは)、1番では、中間音の旋律のシンコペの弾き方や、それが拍にぴたりと乗っている点が、他の演奏家より優れていると感心した。最後のアルペッジョの前4小節で、ペダルを各小節の最後まで維持するのでなく、中ほどで離すというショパンの指示を、彼が文字通り守っているのは、ちょっとした発見だった。他方、ダイナミクスを何度か逆に捉えている点は、この曲の構造を変えてしまうリスクがある。2番でも、何箇所か、ダイナミクスが少なくともヘンレ版と逆になっている。3番では実質ノーペダルの演奏、これが可能だということを実証したが、ややドライな印象だ。しかし、いったんこの演奏が腑に落ちると、他のペダルを使う奏法はわずらわしく聞こえるかもしれない。

上記の事柄が些細な点とほじくりかえしていると思われるなら――もっとも、小曲では些細な点が比例して大きく響くのだが――4番で彼は陰鬱な雰囲気を引き起こし、聞き手を彼の演奏に完全に没頭させている。極めて内向的な6番の後、7番は驚くほどに調和した日に照らされたような音色。アンダンティーノにしてはかなりゆっくりしている。次の曲は「モルトアジタート」というより威厳のある感じ。12番は切迫した魔力を欠いており、16番も同様だが、この力は22番のためにとってあった。最終曲も壮麗な熱情がみなぎっている。

13番では旋律と対旋律の相互作用がこのうえなく素晴らしい。これ以上優れた演奏は聴いたことがない。これまで聴いた中で最も美しい演奏の候補で、実際、13番で最後まで私の憤りを誘わなかったピアニストはほとんどいない。まさに完璧だと思った。同じことが、よく耳にする15番と、21番(美しく歌っている!)にも言える。17番、19番もそれに近い水準だ。23番は魅惑的で、とりわけ最後から2小節目の変ホ音の歌い方は絶妙。

彼が前奏曲の多くを可能な限り高いレベルで弾き、実際の失敗はないことから、――上記の私の指摘は、懸念というより、疑問として取っていただければ――彼の演奏は、特に詩情の表現を重視する人にとっては、優れたトップの演奏家に加えられると思われる。また、ブレハッチは24の前奏曲を統一性ある1つの作品として表現するという意味でも、極めて成功している。これは、コルトーが非常にこだわった部分で、統一性の点でコルトーの右に出るものはまだいない。細部をどう見るかは別だが。

はっきり言って、コンクールでのブレハッチの7-12番の演奏は、現在と大きく違わないが、DGの録音の方がより円熟している点は特典だ。

短い変イ長調(遺作)は美しく展開している。もっと大曲のop45と2つのノクターンはより深い印象を与える。op62-2はショパンの作品集の最後としては物足りないと考えられることもある。ブレハッチは明確にそれが間違っていることを証明し、熱意ある愛国心とマジックを見せてくれる。実際、私はこの最後の3曲を、ブレハッチが現在達成できる水準の試金石として提示したい。彼はこの3曲でルバート、音質、構造を完全にマスターしており、彼の自由自在な表現豊かさとも相まって、これら3曲を聴くならば、現存の偉大なピアニストの少数グループが、少し大きくなったと感じざるを得ない。

彼のキャリアはフォローすべきだ。お見逃しなく。      Christopher Howell

原文はこちら
http://www.musicweb-international.com/classrev/2007/Nov07/Chopin_Blechacz_4776592.htm


同じサイトに、デビュー盤「Piano Recital 」のレビューがありました。

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ラファウ・ブレハッチのイタリアでのインタビュー

昔の記事ですが、アーカイブとしてアップしておきます。


il Giornale.itとのインタビュー(2008年1月)

「イタリア音楽とスカルラッティのソナタを敬愛しています。」

聞き手:Piera Anna Franini
2008年1月31日(木曜日)付けの記事


洗練されているが、少しのてらいもない。ステージへの登場、姿勢、鍵盤へのアプローチの優雅さ:波乱の人生を余儀なくされた同国の作曲家ショパンに、なんて似ているのだろう。

ピアニストのラファウ・ブレハッチと話した。22歳、ポーランド北部の小さな町ナクゥオ・ナド・ノテシォンで育った。彼の名が脚光を浴びるようになったのは、2005年10月、ワルシャワの第15回ショパンコンクールでの優勝。マウリツィオ・ポリーニ、マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ツィメルマンといったピアニズムの名士達もかつての優勝者だ。ユニバーサルレコードレーベルが彼に狙いをつけ、ショパンの前奏曲を中心とするCDで、勇敢なラファウをデビューさせた。

ブレハッチは、1月31日(木)の20時半、2月1日(金)の20時、2月3日(日)の16時に、ミラノのラルゴ・マーラーのアウディトリウムにて、オレグ・カエターニ指揮・ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団と、ショパンのピアノ協奏曲第1番で共演する。協奏曲の他、チャイコフスキーのマンハイム交響曲が演奏の予定。





天啓のピアニストのブレハッチは、「ショパンコンクールの優勝後、人生が全く変わりました。様々な招待で忙しいですが、選ぶということを学んでいます。」と語る。


昨年のフェラーラでのリサイタル後、今回はイタリアでは初のツアー。

「集中的なツアーなので、次回は2010年になるでしょう。イタリアは大好きです。歌うような言葉も、イタリア音楽も敬愛しています。」
例えば?
「スカルラッティのソナタが好きです。」
でも、なんといっても作曲家ショパンとの結びつきの方が強いでしょう?
「いえ、バッハも好きです。」


今後の録音の予定は?

「次は、ハイドン、モーツアルト、ベートーベンの曲で1枚。3枚目のCDは、ショパンの協奏曲で、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、指揮はマリス・ヤンソンスになると思います。」


コンサートの話に戻りますが、18カ国から80人の参加者というのは、どんな感じでした?

「できるだけ集中力を維持しようと思い、予選が終わるとすぐに自宅に帰りました。インタビューも受けませんでした。期間中の雰囲気を感じないように努めました。」


ぶしつけな質問ですけど、賞金の2万ユーロは何に使いましたか?

「一部は銀行に貯金して、一部は新しいピアノの購入資金を補いました。スタインウェイのモデルBです。ようやく確かな形で勉強できるようになりました。」


スタインウェイはもっと高いのでは?

「Pkn Orienという石油会社が、私の楽器への資金提供のため、基金を創設してくださいました。」


コンクール関連で何かいい思い出はありますか?

「ツイメルマンが手紙をくださって、演奏をほめ、スイスに招待してくださいましたので、何日か一緒に過ごし、一緒に演奏しました。」


今後の予定で、最も重要なものは?

「8月のザルツブルク音楽祭、それから、アムステルダムでロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と共演します。」

ラファウ・ブレハッチと。
ラルゴ・マーラーのアウディトリウム
演奏会は、1月31日、2月1日、3日


原文サイト(イタリア語)は、こちら。 



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