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2008年8月2日土曜日

涙の7月31日事件

7月31日、ヴェルビエ音楽祭でのラファウ・ブレハッチの演奏会の配信が、直前に取り消されたと知ったとき、
最初に思ったのは、「やっぱり!」

どうも私はブレハッチと相性が悪いらしく、似たようなことが以前にも。。
いずれも、私の力ではどうしようもない、放送・通信・技術に関する制約でした。

丁度ジャスト1年前の、2007年7月31日、
NHKラジオFMで、ブレハッチの演奏会(2006年11月来日時のリサイタル・オールショパンプログラム)が
放送される予定になっていました。

私はおよそ3ヶ月前にブレハッチを知ったばかり。
NHK芸術劇場で、この来日時のリサイタルの一部を偶然目にしたのが始まりでした。

是非、全曲、聴いてみたい!特に、まだ聴いたことのない「バラード3番」と「幻想ポロネーズ」を聴きたい。

しかし、その日は出張で不在の予定。
そこで、ラジオのタイマーをセットして出かけたのですが、
家の中でどこが受信状態がベストか、同じ時間帯の番組をテスト録音して調べました。
万全の場所にセットして、念のため、田舎の姉にもバックアップで録音を依頼して、出張へ。

3日後、帰宅して、すぐラジオに飛びつきました。
ところが、入っていたのは、ざ、ざーという大音響のノイズというか騒音のみ。あれー、何で?
同じ番組でも、翌日分はきわめてクリーンに録音されてました。
ブレハッチの日だけ、何で?

頼みの姉も、
「ごめーん、最初の30分、忘れた。」

これが、去年の7月31日。涙の7月31日事件。
すぐには立ち直れませんでした。だって、納得いかないんだもの。

姉は、「夫の呪いじゃないの?」(←何の呪い?)

(注:夫も出張で不在でした。)


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半月後、8月のある日、
朝起きて、毎日録画していた「NHKハイビジョンクラッシック倶楽部」のその朝の分をつけたら、
ブレハッチが入っていました。

きゃー。

同じく日本でのリサイタルの一部、「バラード3番」と「幻想ポロネーズ」でした。夢みたい。

この番組は、8月中に2回、ハイビジョンで放送されました。

私はこの美しい演奏をDVDにダビングし、永久保存しようと思いました。
手持ちのビデオデッキで、デジタル放送のダビングは初めてでした。
取説を見ながら、丁寧に各ステップを実施。
ところが、、

ダビング終了後、HDからは番組が消え(当時はまだ1回限りダビング)、
DVDの方は、再生できません、のメッセージ。
大切なブレハッチの演奏会は消えてしまいました。
かなり、ショックでした。(涙の8月某日事件)

もう1回放送された分がHDに残っています。しかし、もうこのビデオデッキ、信用できません。

夫がハイビジョン録画の番組を、PC上でMPEGに変換して、DVDに焼くソフトを使って、
前年の「毎日モーツアルト」をほぼ全部ダビングしたことを思い出し、
(私はこのソフト、使ったことなくて)夫におそるおそる頼んでみました。

夫はその日、なぜか、超不機嫌。
何でそんなことで貴重な週末を使わなくてはいけないんだ。
あのソフト、もうアンインストースしちゃったよ。うんぬん。

なんとか拝み倒して、ソフトを再インストールしてもらったら、
コンピュータが壊れました。

夫は烈火のごとく怒り、
それでも2時間くらいかけ、PCは復活。

彼は不機嫌なまま、
「直ったよ。どれ?録画するの。ぶれはっち?」

「え?えーっと、ル・・・ルガンスキー。。」(←なんでだ?)

「ふーん」

「あ、あと、空いてたら、ブレハッチも、入れようかな。」

こうして、ルガンスキー&ブレハッチの特別DVDができました。
夫はちゃんと特殊シールを使って、2人の写真入ラベルを作製して貼ってくれました。

しかし。
MPEGって、画質がいまいち。
私は、同じ番組が9月にBS2で放送されるのを待っていました。
デジタルでなければ、手持ちのビデオデッキはちゃんとダビングできるのです。

ところが、
予定されていた放送は、丁度直前に亡くなったパバロッティの追悼番組に変わっていました。
ふえーん。

姉は、またしても、
「夫の呪いよ。でもパバロッティが可愛そうだから、文句言っちゃだめ。」

ブレハッチのこの番組は10月に延期。
10月の放送予定も、国会中継で2回延期され、
結局放送されたのは、11月下旬でした。。。


ブレハッチのこの演奏会は、
その後、年があけ、今年の2月に全曲放送される予定になりましたが、
その日、またしても国会中継に破れ、
4月にようやく放送が実現しました。。

この国の、歌舞音曲の扱いって、こんなものなの?(涙)


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今回、7月31日、ヴェルビエで、「やっぱり」と思った背景が、
このわずか1年の間に起こった放送・通信機器をめぐる出来事です。

一番残念なのは、放送の延期で、
事前に友達や知り合いの人々に
「是非、見てくださいね。素晴らしいピアノだから!」

とお知らせしてあるのに、結局見ていただけないこと。
これで失われた潜在ファンは、何人になるだろう。。

と思うと、本当に残念で。
でも、ヴェルビエは、しばらく視聴可能だし、
多くの方に見ていただければ、うれしいです。
   


***この極めて個人的なエピソードを、旧ブログからインポートした理由は、今回新しいサイトを作ろうと思った理由のひとつだからです。
ラファウ・ブレハッチのピアノの音や基本情報を、気軽に新しい方に紹介したい、そうした願いがこのサイトにはこめられています。(2010年7月)