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2008年3月5日水曜日

ウィーン、オランダのレビュー(ブレハッチホームページより)(2007年秋)

ブレハッチホームページに掲載されているレビュー(英語のみ)です。
2007年11月18日ウィーン、2007年10月7日オランダでのリサイタルに関するもの。


若き詩人の如く
ピアノ界のニューフェース。ブレハッチが他の若手ピアニスト達と決定的に違うのは、彼の類まれなる音のセンスの良さ。珍しい指の使い方(unusual finger execution)に加えて、彼は最高レベルの音楽性を示す。技術的には全てがパーフェクト、これに加え、ブレハッチは各フレーズにおいて、抜きん出たピアノタッチの音の美しさを見せる。色彩のパレットを壮大に輝かせることで見事にに雰囲気の濃淡を表わしている。ガラスのような完璧さではなく、豊かで情緒あふれる音を実現している。
Oliver A. Lang, Kronen Zeitung(オーストリア最大の日刊紙), 2007年11月20日



ウィーン、ラファウ・ブレハッチに魅了される
ラファウ・ブレハッチがコンツェルトハウスでデビュー、彼の初CDに対する良い印象を証明した。彼はショパンを、ポーランド的に、フランスの香りなしに演奏する。確固としたリズムを保持しながら、洗練されたルバートでピアノにメロディを歌わせることができる。彼の技術は完璧だが、それ自体は彼の目標ではない。繊細なピアノからフォルテシモに至るまでのダイナミクスを、急な爆発なしに弾きわける。各小曲を明瞭に語りながら、内部に神秘を感じさせ、これが、このアーチストを比類なきものにしている。神秘性なく単に音を鳴らすような多くのピアニストは職人にすぎない。
Karl Loebl, Oesterreich(「日刊オーストリア」、最近発刊), 2007年11月20日



ポーランド人アーチストにとって、ショパンを弾くことはあまりにも近すぎ、同時に困難だ。ラファウ・ブレハッチにとっても、それは言うまでも無い。彼はショパンを氷の宮殿から開放した。彼は強い打鍵もできるのだが、彼のショパンは官能的で地に足がつき、自己確信にあふれ、かつ神秘的で心の琴線に触れる。無駄話はしないのに、多くのことを語ってくれる。ラファウ・ブレハッチは自分の技術を顕示せず、快活さと賢明な魂で、自国の音楽の神聖さを復活させた。
Kurier(オーストリアの大衆紙), 2007年11月20日



ブレハッチ、ワイルドで官能的な魅力をショパン音楽に付与
ブレハッチは最良のテニス選手のようなスピードでペースを変える。長時間強打した後、急にボールを止め、あいまいな色彩を取り出したり、陰鬱な和音の反復を強調する。
Bela Lutmer, de Volkskrant(「人民新聞」アムステルダムの著名な日刊紙, 2007年10月9日



ピアノマスターたるブレハッチ
今回ブレハッチはピアノマスターシリーズでデビュー、ハイドン、リスト、シマノフスキー、ショパンの傑出した演奏で聴衆に強い印象を与えた。ブレハッチマジックの秘密は、おそらく彼の熱意あふれる解釈・表現にありそうだ。彼のは、あらゆる点で、別格の精密さを備えた職人のそれに匹敵すると思われる。今回演奏した曲目は、長きにわたって彼のレパートリーだった。彼のヴィルトゥオーソ性と楽譜に対する新鮮な視点によってのみ、より高い目標が達成できるのだ。絶妙な音のアーキテクトとして、ブレハッチは1つの流派の音楽素材を用いて、崇高な傑作を創造できる。
NRC Handelsblad(ロッテルダムの夕刊紙), 2007年10月8日



ポーランド人のピアノの驚異
ラファウ・ブレハッチのキャリアは、2年前のワルシャワでのフレデリック・ショパン国際ピアノコンクールでの優勝以降、劇的に進展してきた。22歳のポーランド人ピアニストは日曜の夜、Marco Riaskoff (コンサートマネジメントのエージェント)の企画による、権威あるピアノマスターシリーズでデビューした。ブレハッチの名声はすでに高く、各座席の両側に補助椅子が必要で、あたかも、クリスティアン・ツィメルマンが再誕したかのようだった。

ブレハッチは同国の先輩と共通する点が多々あるものの、絶対にツィメルマンのミラーではない。彼は真のパーソナリティを有し、若いながらも成熟した音楽家で、更なる大きな進化の可能性を秘めている。彼の演奏はすでに豊かな表現力を持ちダイヤモンドのように響いており、ドイツグラモフォンは今月ブレハッチの録音CDを上市した。曲目は、数あるショパン曲から24の前奏曲作品28が選ばれた。この夜、アムステルダムのコンセルトヘボウにて、ブレハッチはこの曲も演奏した。

シンプルな前奏曲ほど真の演奏家を認識させてくれる。例えば、第4番。左手のいつくかの普通の和音と右手の内気なメロディから成るこの曲は、アマチュアにとってもさほどむずかしくない。しかし、ブレハッチが弾くと、はっとさせられる。全ての音色が、まるで宝石職人の天秤にのっているかのように釣合いがとれており、全ての瞬間が色彩の陰影に満ちている。機関銃を発射するような曲――第22番や、激情に満ちた最終曲よりも、こうした曲の方が新たな発見が多い。ブレハッチは右ペダルをふんだんに使うが(not economical with the right pedal)、音の明瞭さはくっきりと保っている。卓越した、感化を与えるような演奏であり、同時に、繊細かつ詩的な演奏だ。小休止の前、聴衆はハイドンの物語がソナタ52番によって世紀末の冒険に旅立つのを耳にした。小休止の後、この若いピアニストは、リストの3つの演奏会用練習曲をスリリングに演奏し、グランドピアノを響かせた。ブレハッチは更に、シマノフスキーの変奏曲op3にも挑戦したが、彼の気質を通じて作曲家自身を感じとることができた。拍手と2回のアンコール:美しい、モシュコフスキーの火花op36-6と、ショパンのワルツop64-2が上品かつ優雅に演奏された。我々ポーランド人にとって、同国人として聴けることは、深い心の経験だ。
Eddie Vetter, De Telegraf(アムステルダムの新聞)



ピアニスト界の新たなコリュパイオス(古代ギリシャ:コロス=chorusの指揮者)
ショパン国際ピアノコンクールは、人々が捜し求めるコリュパイオスを何度も輩出してきた。マウリツィオ・ポリーニとクリスティアン・ツィメルマンは、最も著名な実例だ。最新のコンクール(2005年)の優勝者ラファウ・ブレハッチは、現在22歳。今回グランドピアノマスターズにデビューした。彼の演奏の質の高さを見るならば、彼の名が今後ポリーニやツィメルマンのような名士達の中で輝くことが期待できるが、本当にそうなるかどうか、まだ未知数だ。というのは、音楽以外の要素、彼の演奏の質とは別の要素がより大きな役割を果たすことも多々あるからだ。ブレハッチは優れた技術を持っているが、その技能を、曲芸を披露するように弾くことはしない。それとは対照的に、勤勉さに基づく技術と余裕の演奏ゆえ、彼は全身全霊を音楽に向けることができる。これにより、非凡なまでに魅力的で誠実な印象を与える。ブレハッチはまずハイドンのソナタ52番変ホ長調で、聴衆の心をつかんだ。多様な表現力と曲の偉大なフォルムを知的に表現することで、ブレハッチは息をのむような演奏を展開した。彼がグランドピアノのペダルに散発的に触れる際は繊細に行い、これが適切な指の使い方と相まって、類まれな音の明瞭さを実現する。同様の明瞭さは、リストの3つの演奏会用練習曲も引き立たせた。不要な装飾が全くない、クリアーな音による素晴らしい様式の演奏だ。より多彩な調子と色彩を、ブレハッチと同国の作曲家、カロル・シマノフスキーの変奏曲変ロ短調op3で聴くことができた。このような作品を聴く機会はなかなか得られない。ブラームススタイルの聴く価値がある作品で、とくにブレハッチほどの力量あるアーチストによる演奏となればなおさらだ。この若い演奏家がレガートや微妙なタッチを卓越したレベルでマスターしていることが確認できた。

ブレハッチが最大の深さを表現したのは、フレデリック・ショパンの24の前奏曲op28だった。この多様な小曲から成る楽曲において、彼は、精妙な細部やくっきりとしたコントラストを聞かせてくれたばかりでない。自由に展開する各前奏曲のテンポと、導入の時間との関係をを巧みに管理することによって、完全な1つの物語を語ってくれた。22歳の演奏として、これほど成熟した美しい演奏を聴くことができる機会は本当にまれだと思う。ピアニストの世界は新たなコリュパイオスを得た。その名はラファウ・ブレハッチ。
Christo Lelie, Trouw(「真実」アムステルダムの新聞)

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