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2008年12月22日月曜日

ラファウ・ブレハッチ、ベルリンデビューに関するレビューより(抜粋)

ショパンの再来と言われるブレハッチだが、果たしてショパンも3楽章のクラクフダンスを、彼のようにストレートに、世の演奏家にありがちな大げさな緩急なしに弾いたのだろうか?(Der Tagesspiegel 紙)

ブレハッチは自由なテンポで演奏し、ヤノフスキは慎重さと経験でみごとにオーケストラを適応させた。
・・・ブレハッチは最高度の繊細さで演奏し、とりわけ2楽章の最後の美しさは涙をさそう。
(The Berliner Zeitung 紙)

ブレハッチの演奏はサロン音楽の退廃や感傷は一切なく、過分な速度変化やダイナミクスは排除し、明瞭で力強く明るくて軽やかだった。
・・・極めて卓越した一群のピアニストのみが持つ、威厳に満ちた集中度の高い音を自由にあやつることができる。(Berliner Morgenpost紙)

ラファウはいつものように美しいホ短調を演奏しました。
彼はポーランドの歌やダンスを本当にわかっていて、アンコールのマズルカではオーケストラの方々が身じろぎもせず聴き入っていました。
ラファウがみんなをポーランドの野原へ、村へ連れていったのです。(ポーランドのファン)

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以上、12月20日、ベルリン放送交響楽団とのショパン協奏曲第1番ホ短調に関する各紙のレビューからちょこっと拾いました。



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このサイト www.blechaczinfo.com 独自の著作物を引用なさる場合は、事前に サイト管理人 にご相談くださいますよう、お願い申し上げます。


2008年12月21日日曜日

ラファウ・ブレハッチ、ベルリン・デビューで喝采

ラファウ・ブレハッチが20日16時より、ベルリンのフィルハーモニーホールでショパン協奏曲ホ短調を演奏、まずまず成功だったようです。
こちらポーランドラジオのベルリン特派員による電信ニュースです。
頼まれて、日本語もつけておきました。(配信元の許可済み。)

ラファウ・ブレハッチは演奏後ホール控え室にて、同特派員とのインタビューにも応じ、ポーランドでは既にラジオ放送されたそうです。(現地時間22時より)  



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2008年12月12日金曜日

去年のインタビューから

有能な通訳者でありながら、Gomimiさんは、全然テイストの違うアプローチのブログを提供しています。
笑いのほしい方はどうぞ。
特に、「○○で見かけた標識・看板」シリーズと、
「○○人との対話」シリーズは私のお気に入りです。
(最近更新がないので、やはりお忙しいのでしょう。)

彼女は言語の天才。英語・スペイン語は通訳の仕事で、韓国語・中国語その他も必要に応じて、(特に食べる関連で)使いこなします。
いや、日本語もすごいです。テンション高いです。彼女といるときは、どうやって笑いをおさえつつ口をはさむか、集中力が必要です。

その語学の天才が、「ラファウ・ブレハッチの名は極めて覚えにくい。これは彼にとってハンディキャップである。」
と述べていました。Blechacz のch:のh音は、自然な音声思考に逆らうらしいです。
ドイツ語では存在する音なんですけどね。どうしても"ch"や"k"の音だと思っちゃいますよね。
私も1週間位かかりました。

彼女は連想法で、(まるはちまわた)とかいくつかの単語の組み合わせによってようやく覚えた、と言ってました。

そういえば、うちの夫も記憶術を使って(これは以前にどこかで書いたことがあるのですが。)
一発でラファウ・ブレハッチの名を記憶しました。
どうやったの?と聞いたら、
「ラファウは明らかに3大天使のラファエルでしょ?だから、天使ラファエルがブレザーを着てハットをかぶっている絵をイメージしたんだ。」

これで、どうして「ラファエル・ブレザーハット」にならないのか、感心しました。
うちの夫は何かと器用な人です。この人には「ハット・オフ!」(脱帽!)と思うことがよくあります。

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話変わって、11月の終わり頃、ツィメルマンを見に行ったとき、サントリーホールでラファウ・ブレハッチのファンの方から、
「ラファウさんがユンディのことをほめていたのはどういう文脈だったの?」
と訊かれ、あやふやに答えた、と書いたのですが、

モト記事インタビューを発掘したので、もう少しちゃんとお答えします。
(2008年9月27日付け)

Kogo podziwia Pan wśród pianistów młodego pokolenia?
- Uważam, że interesującym pianistą jest Yundi Li. Jego interpretacje są naturalne i niewymuszone. Wydaje mi się, że prezentuje muzykę w sposób zgodny z jego podejściem, z jego osobowością. Nie szokuje. Wszystko jest zgodne z intencjami kompozytora. Także mądrze prowadzi swoją karierę, pokazuje się w ważnych miejscach, dokształca się.

若い世代のピアニストでは、誰を評価しますか?

「ユンディ・リーは興味深い演奏家だと思います。
彼の解釈は自然で気取りがありません。
自分自身のアプローチ、パーソナリティと一貫した形で音楽を提供しているように思えます。
驚かすようなところがなく、全てが作曲家の意図に忠実です。
また、いくつかの重要な場所に現れ更に研さんを積むなど、賢くキャリアを開拓していると思います。」

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2008年11月17日月曜日

ラファウ・ブレハッチのサンサーンスが放送されなかった件

11月17日の早朝、スペインのラジオ局のWebcastを聞きました。
仕事の資料を見ながらの「ながら聞き」、ですが。
楽しみだったラファウ・ブレハッチのサンサーンス協奏曲2番が放送されず、がっかりなさった方も多いのでは。

私は「ながら」だったのでちゃんと聞いておらず、あれ、なんでラファウさんの部分がないの?と眠い目をこすっておりましたが、
聞きなおしてみたら、プレゼンターが最初に明確に言っていました。

「今朝の演奏会プログラム(現地16日の午前11時からでした。)はもう1曲、ソリストのラファウ・ブレハッチによるサンサーンス協奏曲2番も演奏されました。
これを放送するにはソリストの許可が必要ですが、今回ラファウ・ブレハッチからの許可を得る手続きがとれませんでした。
従って1曲目3曲目を続けて、放送します。」

ということでした。

著作権関連で折り合いがつかなかったのでは、という見方もあるようです。
(であれば、先日のクラララジオのドタキャン→リスケも説明できるかも。)

また、次の機会を待ちたいと思います。

ライブ放送に関しては、過去にもラファウ・ブレハッチの許可がとれなかった件があるそうです。
ヴェルビエは記憶に新しいところですが、2006年夏の「ショパンと彼のヨーロッパ」や、ドゥシニキのショパンフェスティバルでのリサイタルなど。

今回はライブではありませんが、時間差ライブ的でした。
また、曲種としても、演奏家としては大切にしたいところがあるでしょう。

なお、番組の最後に補充で流されたサンサーンスの演奏は、パスカル・ロジェです。
フランスものは概ね録音している方だそうです。  



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2008年11月15日土曜日

ブレハッチ、フィルハーモニア管弦楽団/デュトワ と共演、ガーディアンによるレビュー(イギリス)

フィルハーモニア管弦楽団/デュトワ
@ロイヤル・フェスティバル・ホール
By Andrew Clements, ガーディアン、2008年11月14日付け

ピアノコンクールが本物かどうかは、入賞した演奏家の力量によってのみ証明される。最も有名なコンクールのいくつかは、過去の栄光にすがってのみ生き延びているように感じる。リーズの栄誉は、30年以上も前の全盛期に今も依存しているし、ピアノコンクールとしては最も著名な、5年おきに開催されるショパンコンクールでさえ、1960年代、70年代の成功を以後再現することはできなかった。

しかし、一番最近の2005年のコンクールの優勝者で、全カテゴリーを総なめにしたラファウ・ブレハッチは本物であり、このコンクールの名声を回復できる人物だと賞賛されている。20歳の時の成功以降、ポーランド生まれのブレハッチは国際的なキャリアを堅調に築いてきた。昨年はロンドンでリサイタルデビューを果たし、今回はシャルル・デュトワ指揮、フィルハーモニア管弦楽団との共演で協奏曲を初披露した。ショパンピアノ協奏曲第1番ホ短調―適切な選曲だ。

デュトワやオケからの貢献はありふれたレベルだったが、それでもブレハッチは輝いていた。サウンドや色彩の豊かさという点で、ブレハッチには特に意外性はなかった。マウリツィオ・ポリーニが1960年のショパンコンクール優勝直後に録音し有名になった同じ協奏曲があるが、ポリーニが生み出した、どっしりと権威のあるタイプの演奏でもなかった。ブレハッチのアプローチはもっとしなやかで、1楽章の熱をおびた展開部でさえも落ち着き、集中し続けた。彼の演奏にはわざとらしい不自然さは微塵もない。完全に直感に従い、ゆっくりとした楽章で長く続くフレーズでも素晴しく自然なルバートを聴かせ、フィナーレでも誇大な表現は完璧に自制していた。

アンコールは堅いばねで弾ませたようなリズム感のマズルカ。年長のピアニストであればもっとノスタルジアを誘う内向きの解釈をするであろう作品を、非常に若々しい見方でとらえていた。さて、ブレハッチは本物なのだろうか。時間が答えてくれるだろう。

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フィルハーモニア管弦楽団との共演レビューbyガーディアン

ブレハッチが2008年11月11日、ロンドンのロイヤル・フェスティバルホールで演奏したショパン協奏曲1番について、
「ガーディアン」からレビューが出ました。
フィルハーモニア管弦楽団、指揮シャルル・デュトワでしたが、このレビューではブレハッチの演奏にのみ言及しています。
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フィルハーモニア管弦楽団/デュトワ
@ロイヤル・フェスティバル・ホール
By Andrew Clements, ガーディアン、2008年11月14日付け

ピアノコンクールが本物かどうかは、入賞した演奏家の力量によってのみ証明される。最も有名なコンクールのいくつかは、過去の栄光にすがってのみ生き延びているように感じる。リーズの栄誉は、30年以上も前の全盛期に今も依存しているし、ピアノコンクールとしては最も著名な、5年おきに開催されるショパンコンクールでさえ、1960年代、70年代の成功を以後再現することはできなかった。

しかし、一番最近の2005年のコンクールの優勝者で、全カテゴリーを総なめにしたラファウ・ブレハッチは本物であり、このコンクールの名声を回復できる人物だと賞賛されている。20歳の時の成功以降、ポーランド生まれのブレハッチは国際的なキャリアを堅調に築いてきた。昨年はロンドンでリサイタルデビューを果たし、今回はシャルル・デュトワ指揮、フィルハーモニア管弦楽団との共演で協奏曲を初披露した。ショパンピアノ協奏曲第1番ホ短調―適切な選曲だ。

デュトワやオケからの貢献はありふれたレベルだったが、それでもブレハッチは輝いていた。サウンドや色彩の豊かさという点で、ブレハッチには特に意外性はなかった。マウリツィオ・ポリーニが1960年のショパンコンクール優勝直後に録音し有名になった同じ協奏曲があるが、ポリーニが生み出した、どっしりと権威のあるタイプの演奏でもなかった。ブレハッチのアプローチはもっとしなやかで、1楽章の熱をおびた展開部でさえも落ち着き、集中し続けた。彼の演奏にはわざとらしい不自然さは微塵もない。完全に直感に従い、ゆっくりとした楽章で長く続くフレーズでも素晴しく自然なルバートを聴かせ、フィナーレでも誇大な表現は完璧に自制していた。

アンコールは堅いばねで弾ませたようなリズム感のマズルカ。年長のピアニストであればもっとノスタルジアを誘う内向きの解釈をするであろう作品を、非常に若々しい見方でとらえていた。さて、ブレハッチは本物なのだろうか。時間が答えてくれるだろう。

オリジナルのガーディアンのサイトはこちらです。 

 

2008年10月18日土曜日

ラファウ・ブレハッチ、ニューヨークデビューに関するPAPのレビュー

ラファウ・ブレハッチのニューヨークデビュー(2008年10月)に関する、PAPに投稿されたレビューです。


モト記事はこちらです。

ラファウ・ブレハッチのニューヨークデビュー
ラファウ・ブレハッチの演奏は、メトロポリタン美術館内グレ
ース・レイニー・ロジャーズ・オーディトリウムでのリサイタ
ル(モーツアルト、ドビュッシー、シマノフスキー、ショパン
)で10月4日(土曜日)に始まり、最初から大成功をおさめ
た。満席となった演奏会場ではスタンディング・オベーション
の喝采が続き、彼は2つのアンコール曲で応えた。

次に、10月7日(火曜日)、彼はエイブリー・フィッシャー
・ホールの舞台で、著名なニューヨークフィルハーモニックと
共演、マリン・アルソップの指揮で、フレデリック・ショパン
の協奏曲第2番を演奏した。この日のプログラムは、他に、バ
ルトーク・ドヴォルザークの管弦楽曲から成り、10月11日
(土曜日)にも同じ場所で同じプログラムの演奏が行われた。

火曜日の演奏の後、ニューヨークタイムズ紙の主任音楽評論家
アンソニー・トマッシーニが同紙のレビューでブレハッチの演
奏を高く評価した。
「ラファウ・ブレハッチは、ショパンの協奏曲を、優雅に、思
慮深く、詩情豊かに演奏し、流麗なパッセージワークや繊細で
急速な連続音は、とりわけ幻想的でゆっくりとした楽章の、優
美な装飾音のフレーズで卓越している。」(NYT、2008年
10月8日)

10月11日(土曜日)、ラファウ・ブレハッチの協奏曲の演
奏は、火曜日と同様、美しく敏感だった。彼の正確で、強く、
優雅で、繊細な演奏は、一層美しく響き渡った。ニューヨーク
・フィルハーモニックと指揮者のマリン・アルソップは、ソリ
ストのスタイルにより適格に反応し、この演奏での新たな発見
に感嘆していた。発見のプロセスは火曜日にすでに始まり、試
されていた。つまり、このポーランド人ヴィルトゥオーソの解
釈こそが、まさにショパンの協奏曲のあるべき演奏の仕方なの
だ、これ以上の弾き方はありえないのだ、と理解したのだ。

土曜日の演奏は、この信条がクライマックスに達したもの、と
いっても過言ではない。素晴らしいオーケストラと指揮者は、
名声にたがわぬ力を見せた。

ロマン・フラツコフスキー(アメリカ)2008年10月1
6日

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2008年9月30日火曜日

ラファウ・ブレハッチ日本公演チケット情報(2009年2月)

ラファウ・ブレハッチ日本公演(2009年2月)のスケジュール・チケット情報

11月中に、福岡(2月6日)でのコンチェルト、狛江(2月12日)でのリサイタルのチケットが発売になります。
福岡:11月16日友の会先行発売、25日一般発売
狛江:11月14日倶楽部E先行発売、20日一般発売↓詳細は下記ご覧ください。

曲目が一部変更になっています。ご注意ください。
≪変更前≫
ショパン:バラード第1番 ト短調op.23
:4つのマズルカ op.24



≪変更後≫
ショパン:4つのマズルカ op.17
:ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」op.53

今回中止になった2曲は、4月末のスペインでお披露目のようです。
(あるいは、その直前のロンドン・ウィグモアかもしれません。ロンドンのプログラムは未発表です。)


Ticket Information of Rafał Blechacz Japan Tour in Feb. 2009
Concert schedule in English




2月6日(金)19:00
アクロス福岡 (ベルリン放響と共演)

こちら
チケット発売  11月16日「友の会」先行発売、11月25日一般発売
午前10時より。電話、チケットセンターおよびインターネット。
友の会の入会はこちら

アクロスチケットセンター 092-725-9112
インターネット先行 www.acros.or.jp




2月9日(月)19:00
サントリーホール (ベルリン放響と共演) こちら

チケット発売:
10月1日(水)ジャパンアーツ夢倶楽部会員WEB
10月3日(金)同上TEL
10月5日(日)ジャパンアーツぴあネット会員
10月11日(土)一般発売

ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711


2月12日(木)19:00
狛江 エコルマホール 狛江市文化振興事業団 03-3430-4106  こちら

チケット発売:
11月14日(金)倶楽部E会員  倶楽部Eの入会はこちら
11月20日(木)一般発売
14,20日ともに、午前9時よりエコルマホール窓口にて発売開始、
電話による販売は午後1時からになります。
 



2月14日(土)18:00
東京オペラシティ コンサートホール ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711

チケット発売:
5人のピアニストのセット券は既に発売中 こちら

ブレハッチのみのシングル券(ベルリン放送響との共演と同一の日程)こちら
10月1日(水)ジャパンアーツ夢倶楽部会員WEB
10月3日(金)同上TEL
10月5日(日)ジャパンアーツぴあネット会員
10月11日(土)一般発売



2月18日(水)19:00 東京文化会館 都民劇場 03-3572-4311
こちら
チケット発売:
12月17日 一般発売
会員は先行販売があります。ただし5回の公演のセットのみ。
会員ご希望の方は、直接お問い合わせください。


2月19日(木)19:00 横浜みなとみらいホール 神奈川芸術協会 045-453-5080

10月3日(金)ジャパンアーツ夢倶楽部会員TEL
10月11日(土)一般発売
(注)横浜は、夢倶楽部会員のネット優先はありません。

神奈川芸術協会会員には先行販売があります。
9月25日発送のDMに申込書が入っていますので、FAX等で申し込んでください。



2月22日(日)14:00
大阪ザ・シンフォニーホール  ABCチケットセンター 06-6453-6000
チケット発売開始日 9月28日(日)こちら

大阪は、会員先行予約が9月26,27日にありました。
会員といっても、その場で住所氏名を言うだけで、会費もありません。
従って、会員も一般販売も、席の優劣がないよう、まんべんなく配分してあるそうです。
会員先行予約でよい席がとれなかった人が一般販売で再度チャレンジするケースも多いとのことです。
電話がつながるタイミングでかなり違うようです。
なお、ネット予約では、席の指定はできません。
   

2008年8月21日木曜日

ブレハッチとコンセルトヘボウとアンドリス・ネルソンスの共演

ラファウ・ブレハッチは、8月21日(木)夜20時15分(オランダ時間)より、
オランダアムステルダムのコンセルトヘボウにて、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)と共演します。

日本時間8月22日(金)早朝、午前3時2分から、オランダのRadio4で生放送されます。
画面左上方の、RADIO 4 LIVE をクリックしてください。



指揮:アンドリス・ネルソンス Andris Nelsons

プログラム
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
サンサーンス ピアノ協奏曲第2番作品22
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」



指揮のアンドリス・ネルソンスは1978年ラトヴィアのリガ生まれ。音楽一家に育つ。
トランペット奏者であり、バリトン・バスの歌い手。
サンクト・ペテルブルクの学校で、指揮法を学ぶ。
同郷のマリス・ヤンソンスのオスロ交響楽団の演奏会で、トランペット奏者が不足し、急きょ代役出演。
これをきっかけに、ヤンソンスの注目をひき、師とあおぐ。
2003年、ラトヴィア国立オペラの主席指揮者に就任。
2006年、北西ドイツフィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者。
2008・09年のシーズンより、バーミンガム市交響楽団の音楽監督就任。3年契約。

コンセルトヘボウ(RCO)の指揮は初めて。
ヤンソンスつながりで振る、ということなのでしょうね。

ペット奏者の指揮者って、私はあまりきいたことありません。
五弦の音をどんな風に出してくるのか、興味あります。


30歳の新進気鋭の指揮者と23歳のブレハッチのコラボレーション、
2人ともRCOとは初顔合わせ、
プログラムのサンサーンスとチャイコは、RCOの初期の時代のオハコだったそうで、
熱気溢れる演奏会となることでしょうね。


サンサーンスのピアノ協奏曲第2番とブレハッチの関わりは、

2002年のアルトゥール・ルービンシュタイン国際青少年ピアノ・コンクールで第2位となったとき、演奏したそうで、
phenomenal (素晴らしい、驚異的)な演奏に、聴衆は大喜びだった、との記録があります。
(ブレハッチのスポンサー、Orlen社発行の小冊子Rafal Blechaczより。)

ブレハッチの技量と魅力がばりばり全開の曲、と楽しみです。

このコンクールでは、他に、ハイドンソナタ第52番、シューマンソナタ第2番、シマノフスキの変奏曲、
リストのエチュード「軽やかさ」といった、現在はおなじみとなっている曲を弾いたとのことです。

授賞式の写真を見たことがありますが、17歳(16歳?)とは思えないほど小さくて、か細くて、こわれそう。
6年たって、今日、ずいぶん逞しくなられました。


RCOは、ブレハッチが2010年3月にリリースするショパン協奏曲CDのオケを担当する、と聞いています。
今年の11月、マリス・ヤンソンスとともに来日します。



日本時間8月30日午前3時3分から、ドイツのラジオ局SWR2でも放送されます。
左側の、Webradio horenをクリックしてください。


22日のオランダ、30日のドイツとも、
ラジオ放送については、急な番組変更や通信不良による受信不可も想定されます。
その際はご容赦ください。


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2008年8月20日水曜日

ラファウ・ブレハッチ、ザルツブルグ音楽祭デビューについて、NYサン紙のレビュー

2008年8月19日付けニューヨーク・サンによる、ラファウ・ブレハッチのザルツブルク音楽祭での演奏のレビューです。
レビュアー:ジェイ・ノルドリンガー

オリジナル記事


(お願い)レビュー記事の他への転載・使用はご遠慮ください。


ラファウ・ブレハッチ:きら星のような若いリスト演奏家

1985年生まれのラファウ・ブレハッチはポーランド人ピアニストのライジング・スター。
彼は先週、世界で最も美しいコンサート会場であるザルツブルクのモーツアルテウムのGrosser Saalで、
会場として最も美しい時期に、ザルツブルク音楽祭の演奏会を開く名誉を得た。

若いブレハッチ氏はアルトゥール・ルービンシュタイン・スクールで学び-これは自然な流れ、
そして、3年前に、ワルシャワのショパンコンクールで優勝した。これも、おそらく、自然な流れと考えられる。

今年のザルツブルク音楽祭は、ポーランド人ピアニストにとって良い夏だった。
かつてのショパンコンクールの覇者、クリスティアン・ツィメルマンも、先週始めに演奏した。
ピョートル・アンデルシェフスキがいれば、もっとよかったのだが。

ブレハッチ氏は少年っぽく、贅肉がなく、実年齢よりさらに若く見える。
小柄で、スリムで、くしゃくしゃっとした髪型。姿勢が極めてピアノにフィットする。
彼は多様なプログラムを弾いた。始まりは彼の多面性を強調するような、これが弾けるんだというものを示すような。
後半は1人の作曲家の夕べ、テーマ・プログラムとなり、
音楽専門家・愛好家の心を「どきどき」させるような、違った側面を見せた。

ブレハッチ氏の一曲目はバッハのイタリア協奏曲--妥当な選曲だ。
この作品は陳腐と見られることもあるが、ブレハッチ氏のようなフレッシュで能力ある弾き手によれば、全く違う。

第一楽章アレグロは快活で、うまくアクセントをつけ、わくわくさせてくれた。必ずしも整然としていないが、音楽的で説得力があった。
第二楽章アンダンテは、もっと聞き手をうっとりさせるような歌い方もできたかもしれない。
しかし、ブレハッチ氏の弾き方は興味深く、奔放さもあって、うまくいったと思う。

第三楽章プレストは、速過ぎることはなく、プレスティッシモではなく、このピアニストの素晴らしい点だと思った。
シャープにコントラストをつけることで、本当に活気に満ちたドラマチックでさえある演奏だった。
しかし、ラインをもっとスムーズに出来たかもしれない。
例えば、リチャード・グードや、ジャン=イヴ・ティボーデと比べると、ブレハッチ氏のラインはカリカリっとしており、よりドイツ的だ。少々ぶっきらぼうな感じもある。

しかし、彼のような弾き手によるイタリア協奏曲を聴くのも悪くない。

ブレハッチ氏のプログラム、次は、リストの3曲:森のささやき、軽やかさ、小人の踊りだった。
彼はこの作品で見せるべき要素:高い技術とロマンティックな想像性を、まさに正しく示した。
つまり、ブレハッチ氏は、正しいリストの弾き手なのだ。
3曲を通じ、ブレハッチ氏が技術的に「すごい」ことをする度に、私の前に座っていた男性が、隣の奥さんの顔を見ていた。
あたかも、「ねえ、どうだい、これは?」と尋ねるかのように。
彼の驚きと喜びは、当然のことだった。

ブレハッチ氏のパッセージワークは概ねスムーズだったと断言できる。
「軽やかさ」は充分(名前どおり)軽かったか?と訊かれたら、「もちろん。」と答えよう。

ただ、ちょっと気になったのは、ブレハッチ氏は若干頭を動かしすぎる。(he is a bit of a head-nodder.)
エフゲニー・キーシンほどではないが、その傾向がある。一般的に、頭を動かしすぎるのは良くない。しかし、幸福な例外ももちろんある。

前半最後の曲は、フランスの印象主義派、ドビュッシーの版画だった。
3曲から成るこの曲の最初「塔」は、少々いじりすぎの騒ぎすぎ。
音が自然につながるのでなく、各場所に置かれた感じ。
また、この曲は荘厳さと秩序、そしてかなりの神秘性も必要だ。今回はそうした要素が欠けていた。

2曲目のグラナダの夕べは、適切な特徴が盛り込まれていた。これは本当に楽しめる演奏だった。
しかし3曲目の雨の庭はちょっとがっかりした。トッカータ的な軽さが必要なのだが、ブレハッチ氏のは重かった。
彼の「軽やかさ」が、ここでは欠けていた。


本文とは関係ありません。ピアノが大好きなくしゃくしゃ髪のイメージです。


休憩のあとは、彼の音楽の根本の根本:ショパンだった。
ソナタ第3番ロ短調を弾く前に、彼は2つのノクターン、作品62のロ長調とホ長調を弾いた。
このノクターンは、(ロ短調と調が合うので)ロ短調ソナタの前に弾く必要性があったのだろうか。それとも、単に時間を埋めるために弾いたのだろうか。
たぶん後者だと思う。ブレハッチ氏はもっとバラエティーを見せるべきだった。

ノクターンロ長調は人を魅了させる曲だ。しかしブレハッチ氏はそのように弾かなかった。
ひとつには、あまり歌っていなかった。フレーズやラインでなく、ひとつひとつの音が聞こえた。(言ってる意味がわかるだろうか?)
良い点として、彼はとても美しい色彩を生み出し、ペダリングも素晴らしいところがあった。(ノクターンではこれはとても重要。)
ホ長調のノクターンはもっと古典主義的な、より強い屋台骨を示すべきだったが、「塔」と同様、構造が不安定だった。

しかし、この若者は、名曲であるロ短調のソナタを誇り高く弾いた。
このソナタは彼の大胆で男性的であっけらかんとしたスタイルによく合っている。
ソナタのほとんどの部分は、洗練され新鮮に響いた。また、ブレハッチ氏は、この曲の構造の細やかな意味合いをうまく表現した。

ゆったりとした3楽章は、このロマン派のピアノ作品の、いや、ピアノ作品全体で見ても、最も美しい部分だ。
もっとまっすぐに、率直に弾くこともできただろう。
しかし、ブレハッチ氏は、下品になったり、一貫性が欠如するようなことはなかった。
最終章、彼は若い虎のように、獰猛で威嚇的でエキサイティングに攻めた。
オーバーペダルが何箇所か、これはよくない。
立ち止まってこの音楽を少し見直した方がいい。しかし、これらはちいさな苦情だ。

聴衆は、このくしゃくしゃ髪の若者に熱狂し、大歓声をあげ足を踏み鳴らした。
結局、若者はショパンの有名な心うつワルツ嬰ハ短調で、聴衆を落ち着かせた。
スタイリッシュでこの曲の真髄が表れる演奏だった。おそらく、このアンコールが、この夜のブレハッチ氏の最高の演奏だったと思う。

彼は一本気で、にこにこして、才能がある。間違ったことをしていても、退屈させない。
明らかに、ピアノを弾くこと、非凡であることを楽しんでいる。
僕は彼がたいそう好きだ。きっとみんな好きになる。

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このレビューを書いたジェイ・ノルドリンガー氏は、ナショナル・レビュー紙のシニア・エディター。
政治等幅広い分野で論説を書き、特にキューバ・中国の人権問題にフォーカスをあてている。
2000年のアメリカ大統領選挙では、ブッシュ候補のスピーチライターをつとめた。
音楽の論評でも活躍。ザ・ニュー・クライテリオンや、ニューヨーク・サンで評論を書いている。
ザルツブルク音楽祭ではレクチャーやパネルディスカッションのモデレータもつとめている。(以上、ウィキペディアより

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ザルツブルクでのブレハッチの演奏に関しては、オーストリア等でもレビューが出ています。
私のキャパが限界(笑)のため、リンクのみつけておきますので、
各言語がおわかりになる方はどうぞごらんください。

オーストリアのKleine Zietung(ドイツ語)

オーストリアのDrehPunktKultur(ドイツ語)


ポーランドのRzeczpospolita(8月17日のきりんの記事のを、もう少し詳しくしたバージョンです。)(ポーランド語)

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きりんの観察
今回のレビューは、今のブレハッチを客観的に正確に見て、率直に表現しており、比較的いいレビューだと思いました。
しかし、演奏をどう見るかは主観的なもの。彼の見方が全部正しいわけではないことも自明です。

私は去年秋から、ヨーロッパツアー、北米ツアーのレビューを追ってきましたが、
毎回、使われる語彙に変化があるように思います。

今回初めてでてきた表現としては、例えば、ショパンのソナタのところで、
The sonata is well suited to what seems to be his bold, masculine, devil-may-care style.
このソナタは彼の大胆で男性的であっけらかんとしたスタイルによく合っている。

masculine(男性的な)は、ブレハッチの演奏では初めてお目にかかった形容詞です。
去年の秋の欧州でwild 、今年春のアメリカ公演で、sexy が出てきて、びっくりしたばかりです。

devil-may-care(あっけらかんとした、向こう見ずの、軽率な)も新しいブレハッチ表現です。
ショパンコンクール直後の評価と、語彙がずいぶん違いますね。

終わりのところで、
He is brash. 彼は一本気だ。
brash は、(がむしゃらで、威勢がよくて、しかし、ぽきっと折れそう)。

ブレハッチは、a phenom (非凡、奇才)であることを楽しんでいる。(千秋というより、のだめ?)
しかし、(ソナタのところで)he can stand to clean up this music a little.
(あまりつっぱしらずに、静かにこの曲を見直してみたら。。)

そして、I like him a lot. You will too. (僕は彼がたいそう好きだ。きっとみんな好きになる。)
(きっとみんな好きになる。は、のだめのぱくりです。ジャンというフランス人指揮者の形容に使われてました。)

経験豊かな(写真を見た感じでは、5,60代?)論者からの、若い演奏家への愛ある助言に思えました。

表現が明瞭で効果的。短い文章でずばっと言い当てます。さすが政治家のスピーチライター。
きりんはこの人の文章がたいそう好きだ(笑)。

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2008年8月19日火曜日

ブレハッチの新譜、ポーランドでのリリースは10月1日

ラファウ・ブレハッチの新譜「ウィーン古典派ソナタ集」のポーランドでの発売は10月1日と発表されました。
RMF Classic によります。

前CD「前奏曲集」と同様、ポーランドでは
国際バージョンと、ポーランド語特別バージョン(ポーランドのみの特別割引価格)の2種類が流通します。

↑グラモフォンとの特別の取り決めのようです。
ポーランドはCD価格が大変高いため、「前奏曲」の時も特別の配慮がなされた、と聞いています。

ポーランドでの良好な販売の背景には、このような事情もあったわけです。
レーベルやアーチストにとっては、薄利多売になってしまいますが、
しかし、この方が、より多くの人々がより手軽に良い音楽を手にできるわけなので、
良いことなのでは、と思いますが。


ポーランドでは、ブレハッチ自身が書いた、このアルバムの解説(なぜこの3曲を選んだか)が
ライナーノーツに載せられます。

ということで、アルバム発表順は、日本:9月3日、ポーランド:10月1日、その他各国:10月3日、となるのかな?です。



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2008年8月18日月曜日

ブレハッチのザルツブルグデビューのレビュー(ポーランド)

ザルツブツグ音楽祭リサイタルデビューを果たした、ラファウ・ブレハッチに関する、8月17日付けのポーランドの全国紙Rzeczpospolitaの記事です。


ポーランド語の記事はこちらです。


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「ラファウ・ブレハッチの成功」
by Jacek Marczyński オーストリアにて、8月17日

ザルツブルクで、このポーランド人ピアニストへの拍手は15分以上続いた。
翌日は1日がかりで、多くのインタビューをこなした。

アーチストにとって、この音楽祭でのデビューは、音楽界のヒエラルキーの上層部への飛躍を意味する。

ショパンコンクールでの優勝から3年足らずのラファウ・ブレハッチにとって、
世界の著名なピアニスト達のリサイタルシリーズに名を連ねることは、とりわけ重要だ。
ザルツブルクのモーツアルテウムのステージでは、彼は最初から、
多くの経験有る演奏家がうらやむような自由な解釈で、聴衆を惹きつけた。

一曲目のバッハのイタリア協奏曲は、正直なところ、リサイタルの中で最も弱い曲だと思った。
ラファウ・ブレハッチは自信に満ち、効果的に演奏したが、この曲はもっと内省が必要だ。

リストの曲になり、ブレハッチはより大きな力量を示した。

「森のささやき」が始まり、水滴が滝のように流れ下るパッセージでは、
私の隣に座っていた、上品なオーストリア人が--これまで何度もこの音楽祭でピアニストの演奏を聴いたそうだが--
うっとりとして、キッスするしぐさをした。

「小人の踊り」で小人達を踊らせたとき、彼は皮肉な軽いタッチで弾き、会場はこの夜最初のブラボーの大声援が響き渡った。
ブラボーはこのときだけではなかった。


休憩の後、ラファウ・ブレハッチは究極の勝利へ向け、ショパンの曲を披露した。
コンクールの時と同様スタイリッシュだが、より熟成した演奏だ。

ソナタロ短調は素晴らしい模範となるような解釈、
2つのノクターンop62も同様にグレート、ショパンに新たなクラスが追加され、
アンコールのマズルカ、ワルツがその高みを証明した。

翌日は丸一日、インタビューのために費やされた。
ブレハッチ自身や、彼の新譜の
ハイドン、モーツアルト、ベートーベンについて興味関心が示された。
世界有数の音楽レーベルドイツ・グラモフォンは、新譜発売を10月3日に予定している。

「その頃はヨーロッパにいません。」とブレハッチは弊紙に語った。
「ちょうどその日は、カーネギーホールで、ニューヨークフィルと共演しています。

しかし、今は10月のことは考えず、8月21日の、アムステルダムでのコンセルトヘボウとの共演に集中しています。
その後、休養をとります。

ザルツブルクの前は、スイスのヴェルビエ音楽祭、フランスの音楽祭に出演しました。」



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ブレハッチのザルツブルク 補足

昨日、ブレハッチのザルツブルク演奏会の、ポーランド紙の記事をのせましたが、
別のポーランドのサイトに、よく似た記事が載っていました。
この2つの記事が、「たくさんの」サイトに引用されてました。

よく似た記事はこちらです。

追加点は、

主催者側から、世界的に有名とはいえないマズルカやシマノフスキーはNGが出たため、このようなプログラムになったこと。

ランラン、ブレンデル、ポリーニ、ソコロフ、ツィメルマンといった大物ピアニストと名をつらねて参加したこと、
3枚目のCD(ショパンの2つのコンチェルト)は、2010年3月に、ブレハッチから世界へのショパン年の贈り物としてリリースされること。

です。

(お願い)ポーランド紙記事部分の無断使用・転載はご遠慮ください。

訂正
15分スタンディングオベーションが続いたと以前書きましたが、誤りです。
オーストリアにはスタンディングオベーションの習慣はありません。
大歓声が15分続き、人々は足を踏み鳴らして喜びを表現したそうです。


オーストリアのレビューも載ってましたが、ちとむつかしいです。
アップできたらいいのですが、根性と相談します。

一箇所、バッハイタリア協奏曲は、最速スピード記録に残りそう、とあり、笑ってしまいました。
去年のオペラシティでのバッハの3楽章、「はやっ!」と思ったの、思い出しました。



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ラファウ・ブレハッチ、プラハでのインタビュー

08年6月にプラハで行われたインタビュー記事がありました。

チェコ語→英語(機械翻訳)で、意味がとおる部分のみ拾ってみます。
機械なので、あまり厳密ではありません。ご了承ください。

機械翻訳した英語はこちらです。

(お願い) インタビュー内容の転載・使用はお控えください。
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雑誌Harmony誌2008年8月号に掲載
「小柄な体に宿る巨大な才能」

(ブレハッチの紹介:Rudolfinumでリサイタルを機に、プラハでインタビューに答えてくれた。
来年の「プラハの春」の出演も楽しみ。ショパコン、グラモフォンとの契約等の紹介。
2枚目のCDをこれから録音する。
日本のファンクラブ会員も、この輝く瞳にシャイで控えめな小柄な若者を尊敬している。
彼はカメラのフラッシュより、ソクラテスやプラトンが大切な様子。)


Q 音楽を始めたきっかけは?
A 家族は音楽とは無関係でしたが、父と叔父が音楽が好きで、家にピアノがあったので、自然に音楽へと導かれました。

Q ピアノでプロになろうと思ったのきっかけは?
A ピアノを習い始めたのは8歳、と遅かったのですが、何人かの先生に教わり、音楽に真剣にとりくむようになりました。
オルガンも弾いていました。
ある時、父が、私に絶対音感があることを発見しました。その頃からプロになることを考えるようになりました。

Q あなたはコンクールが好きなタイプですか?
A ショパンコンクールの前にもいつくかコンクールには出ましたが、私はそういうタイプではありません。
(浜松、ルービンシュタイン、モロッコについて説明。)

Q コンクールでの大変なプレッシャーにどうやって耐えたのですか?
A 私の先生は、「いつも音楽を楽しみなさい。」と教えてくださいました。
「音楽を愛し、楽しむことが勝利の秘訣です。」と。私もそう思います。

Q コンクールでの周囲の雰囲気はいかがでしたか?ライバルがたくさんいたでしょう?
A もちろんライバルはいました。でも、私は自分の戦略を持っていました。
アパートを借りて、ホテルに滞在する人たちに会わないようにし、マスコミからも距離をおきました。
テレビもラジオも聞かず、いろいろな思惑の影響を受けないようにしました。
各ラウンドの間は、自宅に車で帰り、休息をとりました。

Q 自分の名前が呼ばれた瞬間、何を感じましたか?
A 喜びはほんの少ししか続きませんでした。
すぐにインタビューや重要な方々との面会、記者会見、ミーティングと、やるべきことが次々とおしよせました。
3週間位たって、落ち着いて、ようやく優勝を本当に喜べる気持ちになりました。


この写真は本文とは関係ありません。


Q 哲学がお好きと伺っています。どんな方向性、または哲学者に取り組んでいますか?
A 哲学の勉強は、まず、プラトン、ソクラテスから始めました。
最近は、フッサールの現象学や、ロマン・インガルデンのテキストおよび神学的側面を学んでいます。
すでに高校は卒業したので、プライベートレッスンに通っています。

Q ショパンのロマン派的、古典的、どちらの側面が好きですか?
A ショパンはバッハやモーツアルトを尊敬していました。
古典的要素の透明性(が好きだったのです。)私も古典音楽に親近感を持っています。

Q ショパンの作品でまだやり残しているものはありますか?
A コンクールで重要なピアノ曲や協奏曲に取り組みました。
今後は、マズルカが何曲か残っています。
将来、マズルカのCDを出したい、と考えています。

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フッサール(1859年-1938年)オーストリア生まれのドイツ人哲学者

ロマン・インガルデン(1893年-1970年)ポーランドの、哲学・現象学・美学者。
故ヨハネ・パウロ2世にクラクフ大学で教えたこともある、
そうです。

ラファウはこの秋から、哲学を学ぶため、コペルニクス大学へ行く、との報道もあります。
(8月3日のきりんの記事をご覧ください。)

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おまけ記事

プラハリーダーズマガジンというチェコの雑誌(7月号)で、
在プラハのポーランド大使へのインタビュー。政治経済のカタイ内容ですが、
プラハでの重要な文化イベントは?との質問に、
まず、「著名なポーランド人ピアニスト、ラファウ・ブレハッチのRudolfinumでの演奏会」、と答えています。(下から2パラ目)
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2008年8月15日金曜日

ラファウ・ブレハッチが8月15日ザルツブルク音楽祭デビュー

ラファウ・ブレハッチが、8月15日の19時半より、モーツアルテウムでリサイタルを開き、ザルツブルク音楽祭デビューを飾ります。
(日本時間明日午前2時半)

Program
J.S.バッハ イタリア協奏曲 BWV 971
リスト 演奏会用練習曲 (Waldesrauschen, La Leggierezza, Gnomenreigen)
ドビュッシー 版画
ショパン 夜想曲op.62, ソナタop.58 



プログラムページ




会場のモーツアルテウム

演奏会の成功を心よりお祈りいたします。



さて、本日発売の月刊ショパン9月号35ページに、来年2月来日時のプログラムが出ていました。
モーツアルトソナタ第16番(第17番)、
ベートーベンソナタ第2番、
ショパンバラード1番、4つのマズルカ(どれ?)←たぶんop24ではないかと(きりんの予想)、
シマノフスキバリエーションop3、とのことです。
 



初めて、の曲が何曲も。。
やはり、日本は、本国以上に大きな市場だし、
演奏会の回数が多いので、新しい曲がまずここで聴けるのですね。。 



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2008年8月9日土曜日

ラロック・ダンテロンでのリサイタル

この季節にはめずらしく、昼・夜と連続で仕事が入っていました。

昼の業務を早めにあがらせてもらって、
(こういうとき、後をお願いするパートナー通訳の方には、とても申し訳なく感じます。)
(さらに、仕事の出来が良くなくてへこみつつ、振り切ろうと)
山手線で瞑目?していたら、

携帯に連絡が。
夜の業務がクライアントの都合で延期との知らせでした。

ほんとに?

急いで帰宅して、すぐPCをつけました。
今日は、ラロック・ダンテロン音楽祭でのブレハッチのリサイタルが、ラジオ・フランスで放送される日。

仕事は前々から入っていた件。あきらめて、考えないようにしていたのに。。
こういうこともあるんだ。
先週、ヴェルビエ音楽祭のブレハッチのライブ配信がドタキャンになったのと、全く逆パターンです。
世の中、どう展開するか、わかんない。

リストの演奏会用練習曲が始まるところでした。
そして、ドビュッシー版画。
ショパンマズルカop50
最後が・・ショパンピアノソナタ3番。

汗を拭くこともせず、聴きました。

ヴェルビエと同じプログラムですが、
そしてヴェルビエの翌々日という強硬スケジュールだったのですが、
このフランスでの演奏、ヴェルビエの自制的で無難な演奏とは随分違って聴こえました。

とても大胆で、思い切りがよくて、すごく自由な感じ。
一音ずつが生きてる。思い通りに音楽を操ってる。
ロケーションが広々とした公園だから?
私の思いすごし?

いえ、でも、ショパンソナタの最終章、凄い、迫力。
あ、ちょっと疲れたかな、と思った瞬間、勢いを増して、
最終部で更にアッチェレ。
恐れを知らないラファウ・ブレハッチ。

終わった瞬間、私は小さなガッツポーズをしてしまいました。

割れるような拍手と大きな歓声が聞こえて、
うれしさがこみあげました。
一歩踏み越えたような、憑き物が落ちたような、すかっとした感じ。

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ラファウ・ブレハッチは、10月4日、
ニューヨークのメトロポリタン美術館のオーディトリウムでリサイタルを開きます。

今のところ私が知る限り、これが、東海岸リサイタルデビューになると思います。
こちらです。

曲目:モーツアルトソナタk311、ドビュッシー版画、シマノフスキーバリエーション、ショパンマズルカop50およびソナタ3番


こちらも、忘れないようにメモしておきます。


2008年12月5日、チェンストホヴァ・フィルハーモニーCzęstochowa Philharmonic と、ベートーベン協奏曲第4番。

チェンストホヴァに関しては、去年のブレハッチの記事があります。
こちらです。
2007年1月、このホールでリサイタルを開いたブレハッチですが、
音響が良く、楽器が「これまでポーランドで弾いたどのピアノよりも良かった。」そうで、音楽的にも素晴らしい演奏会となり、
ホールは満席で立ち見も出て、スタンディングオベーションが続いた、とのことです。

別の記事では、楽器ばかりでなく、このコンサートでは聴衆の反応がすばらしく、一体感を感じた。演奏家冥利につきる、というような発言をしています。

(2008年12月のコンサートは、ブレハッチ部分は後にキャンセルになりました。追記)

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2008年8月3日日曜日

ラファウ・ブレハッチ2010年ショパンイヤーに国連で演奏

InfoChopinというサイト(7月31日付け)で、2010年のショパンイヤーに関し、
ツィメルマンとブレハッチがとりあげられていました。
原文はこちらです。

ポーランド語なので、機械翻訳にかけて、ブレハッチ部分だけ解読を試みました。
(このサイトには英語ページがありますが、この記事の英語は見当たりませんでした。)
機械翻訳した英語はこちらです。

2010年、ショパンイヤーの記念演奏会シリーズで、ブレハッチ、アルゲリッチ、グリゴリー・ソコロフ、キーシン、ユンディ・リー及びポリーニ(?)が演奏する。

ツィメルマンは記念のソナタのCDをDGから出す。


ブレハッチはショパンイヤーの世界ツアーの間、ニューヨークの国連本部で演奏する。

コンサートカレンダーは3年後までいっぱいだが、
現在はニューヨークフィルとの共演や8月のザルツブルク音楽祭モーツァルテウムでの演奏会の準備に忙しく、

秋にはドイツグラモフォンから2枚目のCD「ウィーン古典派ソナタ集」がリリースされる。

また、トルンのコペルニクス大学(UMK)にて、第2の勉強「倫理学および哲学」を始める予定。

コペルニクス大学はこちらです。

(お願い)ポーランドメディアの記事の無断使用・転載はご遠慮ください。



6月頃、ポーランドのテレビで、ブレハッチが哲学とドイツ語を勉強している、
というレポートがあったそうです。(ポーランドのファンの方より)

ドイツ語は、音楽だけでなく、哲学の勉強にも役立つのでしょうね。



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国連での演奏会は、結局諸事情で行われないことになりました。(2010年2月NYにて確認、追記。)


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ラファウ・ブレハッチ、フランスの音楽祭で見事な演奏とポーランド紙が報道

8月2日、ラロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバルでラファウ・ブレハッチが演奏し、
ポーランドで複数のメディアが伝えていました。

一例:ラジオポーランドのサイトです。


絵のように美しいフランスの村で28年間開催されている音楽祭では、
プラタナスの木が茂る公園の中、池の上に立てられたステージで、ブレハッチが演奏、
演奏会は大喝采で終了した。

前回参加した、2年前の音楽祭ではオールショパンプログラムだったが、
今回は他のレパートリーでスキルを発揮した。

印象派の絵のような音色のドビュッシー、バッハの精密で多層的な音楽、
リストの演奏会用練習曲でのヴィルトゥオーソ的ピアニズムは、
彼が抜きん出たアーチストであることを示し、
聴衆の心を捉えた。
プログラムの後半はショパンだった。


会場のParc du Château de Florans
(ラファウの写真ではありません。)


(お願い)ポーランド紙記事部分の無断転用・使用はご遠慮ください。
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ヴェルビエ音楽祭から中1日というハードなスケジュールでしたが、
フランスでも大成功だったようで、うれしい限りです。

絵のように美しいフランス南部の村で、
絵のように美しいドビュッシーを冒頭に弾いたのかな?とは、きりんの勝手な想像です。

写真は昼間ですが、ブレハッチの演奏会は夜21時からでした。
幻想的な雰囲気だったのでしょうね。

この演奏会は、8月8日、ラジオフランスで放送されます。
日本時間17時(現地午前10時)

ラジオフランスのサイトはこちらです。

direct の赤い大きな文字をクリックすると、ウィンドウが開いて放送が聴けます。

急な番組変更や、通信不良の際はご容赦ください。 



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2008年8月2日土曜日

涙の7月31日事件

7月31日、ヴェルビエ音楽祭でのラファウ・ブレハッチの演奏会の配信が、直前に取り消されたと知ったとき、
最初に思ったのは、「やっぱり!」

どうも私はブレハッチと相性が悪いらしく、似たようなことが以前にも。。
いずれも、私の力ではどうしようもない、放送・通信・技術に関する制約でした。

丁度ジャスト1年前の、2007年7月31日、
NHKラジオFMで、ブレハッチの演奏会(2006年11月来日時のリサイタル・オールショパンプログラム)が
放送される予定になっていました。

私はおよそ3ヶ月前にブレハッチを知ったばかり。
NHK芸術劇場で、この来日時のリサイタルの一部を偶然目にしたのが始まりでした。

是非、全曲、聴いてみたい!特に、まだ聴いたことのない「バラード3番」と「幻想ポロネーズ」を聴きたい。

しかし、その日は出張で不在の予定。
そこで、ラジオのタイマーをセットして出かけたのですが、
家の中でどこが受信状態がベストか、同じ時間帯の番組をテスト録音して調べました。
万全の場所にセットして、念のため、田舎の姉にもバックアップで録音を依頼して、出張へ。

3日後、帰宅して、すぐラジオに飛びつきました。
ところが、入っていたのは、ざ、ざーという大音響のノイズというか騒音のみ。あれー、何で?
同じ番組でも、翌日分はきわめてクリーンに録音されてました。
ブレハッチの日だけ、何で?

頼みの姉も、
「ごめーん、最初の30分、忘れた。」

これが、去年の7月31日。涙の7月31日事件。
すぐには立ち直れませんでした。だって、納得いかないんだもの。

姉は、「夫の呪いじゃないの?」(←何の呪い?)

(注:夫も出張で不在でした。)


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半月後、8月のある日、
朝起きて、毎日録画していた「NHKハイビジョンクラッシック倶楽部」のその朝の分をつけたら、
ブレハッチが入っていました。

きゃー。

同じく日本でのリサイタルの一部、「バラード3番」と「幻想ポロネーズ」でした。夢みたい。

この番組は、8月中に2回、ハイビジョンで放送されました。

私はこの美しい演奏をDVDにダビングし、永久保存しようと思いました。
手持ちのビデオデッキで、デジタル放送のダビングは初めてでした。
取説を見ながら、丁寧に各ステップを実施。
ところが、、

ダビング終了後、HDからは番組が消え(当時はまだ1回限りダビング)、
DVDの方は、再生できません、のメッセージ。
大切なブレハッチの演奏会は消えてしまいました。
かなり、ショックでした。(涙の8月某日事件)

もう1回放送された分がHDに残っています。しかし、もうこのビデオデッキ、信用できません。

夫がハイビジョン録画の番組を、PC上でMPEGに変換して、DVDに焼くソフトを使って、
前年の「毎日モーツアルト」をほぼ全部ダビングしたことを思い出し、
(私はこのソフト、使ったことなくて)夫におそるおそる頼んでみました。

夫はその日、なぜか、超不機嫌。
何でそんなことで貴重な週末を使わなくてはいけないんだ。
あのソフト、もうアンインストースしちゃったよ。うんぬん。

なんとか拝み倒して、ソフトを再インストールしてもらったら、
コンピュータが壊れました。

夫は烈火のごとく怒り、
それでも2時間くらいかけ、PCは復活。

彼は不機嫌なまま、
「直ったよ。どれ?録画するの。ぶれはっち?」

「え?えーっと、ル・・・ルガンスキー。。」(←なんでだ?)

「ふーん」

「あ、あと、空いてたら、ブレハッチも、入れようかな。」

こうして、ルガンスキー&ブレハッチの特別DVDができました。
夫はちゃんと特殊シールを使って、2人の写真入ラベルを作製して貼ってくれました。

しかし。
MPEGって、画質がいまいち。
私は、同じ番組が9月にBS2で放送されるのを待っていました。
デジタルでなければ、手持ちのビデオデッキはちゃんとダビングできるのです。

ところが、
予定されていた放送は、丁度直前に亡くなったパバロッティの追悼番組に変わっていました。
ふえーん。

姉は、またしても、
「夫の呪いよ。でもパバロッティが可愛そうだから、文句言っちゃだめ。」

ブレハッチのこの番組は10月に延期。
10月の放送予定も、国会中継で2回延期され、
結局放送されたのは、11月下旬でした。。。


ブレハッチのこの演奏会は、
その後、年があけ、今年の2月に全曲放送される予定になりましたが、
その日、またしても国会中継に破れ、
4月にようやく放送が実現しました。。

この国の、歌舞音曲の扱いって、こんなものなの?(涙)


--------
今回、7月31日、ヴェルビエで、「やっぱり」と思った背景が、
このわずか1年の間に起こった放送・通信機器をめぐる出来事です。

一番残念なのは、放送の延期で、
事前に友達や知り合いの人々に
「是非、見てくださいね。素晴らしいピアノだから!」

とお知らせしてあるのに、結局見ていただけないこと。
これで失われた潜在ファンは、何人になるだろう。。

と思うと、本当に残念で。
でも、ヴェルビエは、しばらく視聴可能だし、
多くの方に見ていただければ、うれしいです。
   


***この極めて個人的なエピソードを、旧ブログからインポートした理由は、今回新しいサイトを作ろうと思った理由のひとつだからです。
ラファウ・ブレハッチのピアノの音や基本情報を、気軽に新しい方に紹介したい、そうした願いがこのサイトにはこめられています。(2010年7月)

2008年7月19日土曜日

ラファウ・ブレハッチ新CDのジャケット

タワーレコードのサイトに、新CDの写真がアップされていました。


rafal blechacz sonatas
Haydn, Mozart, Beethoven

ハイドン: ピアノ・ソナタ 第52番 変ホ長調 Hob.XVI:52
モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第9番 ニ長調 K.311
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 作品2の2
(9月3日発売予定)

なかなか、シックです・・・


アマゾンも予約受付開始しました。こちら

ツタヤでの購入はこちら。
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一方、「ショパン前奏曲」のCDは、ポーランドのEMPIK(書籍、音楽・映画等のソフトを扱うチェーンのようです)によれば、
2008年上半期、クラッシック部門で売上第1位、ポーランドでは根強い人気のようです。

(このページの真ん中あたりまでスクロールダウンし、「Klasyka」のところをご覧ください。


2つのタイトルがバトルしなければいいのですが。

私はポーランドや欧州での発売情報をまだ発見していません。
あるポーランドのファンの方は、「知らなかった。日本はニュースが早い。」とおっしゃってました

2008年7月12日土曜日

リストのリゴレット・パラフレーズ

ラファウ・ブレハッチが浜松のコンクールで2位になった翌年の2004年7月、
日本で初ツアーをしたときの記事をちらっと見てみたら、

プログラムの中に、リストの「リゴレット・パラフレーズ」がありました。


うんと以前にNYのメトロポリタンオペラでリゴレットを見たことがあります。
インターネット以前の時代で、オペラ初心者の私は、本を買って一生懸命予習した覚えがあります。

でも、リストのパラフレーズは知らなかったし、ブレハッチの最近のレパートリーには入ってない曲なので、
どんな曲かなあとYTを見たら、
ユンディ・リーの演奏が一番に出てきたので聴いてみました。こちら
2002年日本での演奏会だそうです。華やかでエレガント。


ラファウ・ブレハッチだったら、どんな弾き方をするのだろう、と、ブレハッチ・ウェイを想像してみました。
2004年当時のレビューを見ると、

「冷静な演奏・・・当事者として音楽に没入するのではなく、楽器を淡々として操り、
出てくる音の効果を確認・観察しているように見え・・・・
(リゴレットや英雄ポロネーズで)盛り上がりつつ下品にならないのは、この距離感のおかげだろう。」
と書かれています。

この冷静さというか、客観性は今も保たれてるように思います。
深く音楽に没頭しているかに見える時も、一方で自己観照しつつ、かつ聴衆の反応も感じとっているような・・


当時のコンサートスケジュールを見ると、

7/4(日) ラファウ・ブレハッチ&浜松交響楽団 演奏会 アクトシティ浜松中ホール
7/5(月) リサイタル 大阪いずみホール
7/7(水) リサイタル 名古屋しらかわホール
7/8(木) リサイタル 富山県高岡市生涯学習センター
7/10(土) リサイタル 彩の国さいたま芸術劇場
7/11(日) リサイタル 山形 余目響ホール

随分タイトなスケジュールで、富山や山形まで行って、大変だったろうな、と思いました。
同じく2位だったコブリンは、東京・大阪といった大都市中心のツアーだったようです。


浜松コンクールのプログラムでの
ラファウ・ブレハッチ。18歳(2003)


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2008年7月8日火曜日

音楽は祈り―ラファウ・ブレハッチインタビュー(ポーランド)

アーカイブとして、載せておきます。


これは、ラファウ・ブレハッチが、「カトリック・ガイド誌(Przewodnik Katolicki)」で、
2007年11月に行ったインタビューのポーランド語の記事からの引用になります。


(お願い) インタビューの転載・使用はお控えください。

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音楽は祈り(ラファウ・ブレハッチの発言から)

コンクールに向け勤勉に練習に励んできた結果、
自分が向上できただけでなく、多くの人々に感動を与えることができた幸福は、
今も続いている。

作曲家が譜面に残した音楽に忠実に、作曲家のスタイルと性格の枠内で解釈することが大切。
忠実に弾きながらも、音と音の間にあるものを表現することも重要。

ハンブルグでのCD録音について。(これまで発表されているのと同じ内容。)

私は人々に衝撃を与えようとするタイプの演奏家ではない。
ツィメルマンの言うとおり、自分の直感を信じ、自分の心の声に耳をかたむけることが大切。

自分自身と、この作曲家はこうだと認識されている姿との間のバランスをとる必要があるが、
かつ、演奏家の演奏を聴いただけで、「ああ、これは○○のピアノ。」とわかるような演奏をすることも、
演奏家のスタイルという意味では魅力的なこと。

私は時間を見つけて、教区の教会のオルガンでバッハを弾くようにしているが、
ポリフォニーを考えることで、ピアノ演奏を豊かにしている、と思う。


地元ナクウオの教区教会



若い頃見た演奏会で、圧倒され、印象に深いものが2つある。

ひとつは、12歳の時、ビドゴシチでのミッシャ・マイスキーの演奏会に行き、魅了された。
そのときのマイスキーのバッハの3つの組曲は、今日も愛聴している。

2つめは、ポメラニア・フィルハーモニーホール(Filharmonia Pomorska)(ビドゴシチ)にて、
「ポズナンのナイチンゲール」(国立少年・男性合唱団)、指揮はステファン・ストゥリグロシュ(Stefan Stuligrosz)先生で、
ヘンデルのメサイアを生まれて初めて生で、全曲聴いたとき。


ビドゴシチのポメラニア・フィルハーモニー・ホール



音楽は、純粋な祈りだと思う。

音楽を通じて自己を表現しようとするとき、直接言葉で表現しなくても、自己の重要な部分を伝えることができる。
演奏家だけでなく聴衆も、発信された音楽の美しさと交流することで、浄化され、向上する。

音楽の奏でる音は、ときとして、非日常的な経験や感情を呼び起こし、
人はそれを長く記憶したいと願う。この人にとって必ずプラスになっている。

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2008年7月7日月曜日

ショパンは結核ではなかった

(6月2日付けの、ポーランドラジオのニュースです。)

「ポズナン医科大学のWojciech Cichy教授、ショパンの死因は死亡証明書でいう結核ではなかった、との通説を確認する発言」


Cichy教授によれば、解剖報告書で記述されている、ショパンの心臓の表面の小結節は、すい臓繊維症の症状である可能性がある。

(のう胞性)すい臓繊維症は主として肺に影響し、進行性の障害をきたす遺伝病。

Cichy教授はWprost誌(週刊)の記事で、ショパンの直系の家族の病歴は、この推論を裏付けると述べた。
ショパンの姉妹3人のうち2人は肺疾患で亡くなり、特に末っ子のエミリアは極めて病弱で、15歳で亡くなった。

すい臓繊維症とその遺伝系については、ショパンが39歳で亡くなった後、83年たった1932年にようやく解明された。

Cichy教授のチームは、ポヴォンスキ墓地に埋葬されたエミリアの遺体をもとに、遺伝に関する研究を実施したい、としている。


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1926年、16歳の夏に、体力の弱ったフレデリック・ショパンは、母と、結核の疑いのあった妹のエミリアとともに
湯治治療の目的でドゥシニキに滞在しました。
しかし翌年、ショパン家2人目の神童と言われた詩人エミリアは10代半ばでこの世を去りました。


死ぬことは私の天命
死は少しも怖くはないけれど
怖いのは 貴方の
記憶の中で死んでしまうこと


エミリアが亡くなる直前に残したという、この詩(「ショパンの生涯:音楽の友社」より)を読んだとき、涙がとまりませんでした。

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2008年7月1日火曜日

ラファウ・ブレハッチ、ドイツの賞を受賞(続報)

6月26日に、ラファウ・ブレハッチが、ドイツの音楽賞、ECHO Klassik 2008を
受賞との記事を書きましたが、

ドイツ・グラモフォンから配信されるイエローニュースにて、同賞を受賞したグラモフォン所属アーチストのリストが送られてきました。



イエローレーベル、2008年もECHOで好成績

ドイツレコードアカデミー(Phono-Akademie)は、クラッシック音楽界で最も栄誉有る賞のひとつ、ECHO賞の今年の受賞者を発表しました。
ドイツ・グラモフォンのアーチストである、ラファウ・ブレハッチ、ダニエル・ホープ、アンナ・ネトレブコ、ローランド・ビラゾンが、
6つのカテゴリーで最高位の賞を受賞したことを、喜びをもって報告いたします。

ラファウ・ブレハッチ
インストゥルメンタリスト・オブ・ザ・イヤー(ピアノ)
ショパン前奏曲、夜想曲op62
CD477 6592


ダニエル・ホープ
協奏曲録音賞(19世紀音楽)
メンデルスゾーン、バイオリン協奏曲、八重奏、3つの歌曲
演奏:ヨーロッパ室内管弦楽団、指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
ピアノ:セバスティアン・ナウアー
CD 477 6634


アンナ・ネトレブコ、ローランド・ビラゾン
ベストセラー・アルバム・オブ・ザ・イヤー
「デュエット」
演奏:シュターツカペレ・ドレスデン、指揮:ニコラ・ルイゾッティ
CD 477 6457


ネトブレンコ、ロシュマン、シェーファー他。
音楽DVD作品賞(オペラ)
フィガロの結婚(2006年ザルツブルグ音楽祭作品)、ウィーン・フィル
DVD 073 4245

フォオーレ・カルテット
年間室内楽録音賞(19世紀音楽)
ブラームス:ピアノ四重奏
CD 476 6323

アルブレヒト・マイヤー
音楽DVD作品賞(コンサート・ドキュメンタリー)
ヘンデル、オーボエ協奏曲”New Seasons”
演奏:シンフォニア・ヴァルソヴィア
DVD 076 2714

第15回ECHO賞授賞式は、10月19日、ミュンヘンガシュタイク・フィルハーモニーホールにて行われ、
”Echo der Stars”という番組で夜10時から、ZDFテレビにて放映されます。

受賞者のみなさん、おめでとうございます。
ドイツ・グラモフォン・ウェブチーム一同

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同ニュースのリンクは、つながらないことが多いため、内容をコピーいたしますので、ご覧ください。

YELLOW LABEL SCORES BIG AGAIN AT 2008 ECHOS

Dear DG Yellow News Subscribers,

The German Recording Academy (Phono-Akademie) has just announced this year’s winners of its coveted ECHO Awards, one of the most prestigious accolades in the world of classical music. We are delighted to report that Deutsche Grammophon’s artists, including Rafał Blechacz, Daniel Hope, Anna Netrebko, Rolando Villazón, have taken the top prize in six categories.


RAFAŁ BLECHACZ
Instrumentalist of the Year (Piano)
Chopin: Preludes, Nocturnes op.62
CD 477 6592

DANIEL HOPE
Concerto Recording of the Year (Music of the 19th Century)
Mendelssohn: Violin Concerto (original version), Octet & 3 Lieder
Chamber Orchestra of Europe Thomas Hengelbrock Sebastian Knauer
CD 477 6634

ANNA NETREBKO ROLANDO Villazón
Bestselling Album of the Year
“Duets”
Dresden Staatskapelle Nicola Luisotti
CD 477 6457 (D/A/CH: 477 6456)

HARNONCOURT NETREBKO Röschmann Schäfer SKOVHUS D’ARCANGELO
Music DVD Production of the Year (Opera)
Le nozze di Figaro (2006 Salzburg Festival production)
Wiener Philharmoniker
DVD 073 4245

Fauré QUARTET
Chamber Music Recording of the Year (Music of the 19th Century)
Brahms: Piano Quartets nos.1 & 3, opp. 25 & 60
CD 476 6323

ALBRECHT MAYER
Music DVD Production of the Year (Concert/Documentary)
“New Seasons” (Handel Oboe Concertos)
Sinfonia Varsovia
DVD 076 2714


The trophies will presented at the 15th annual gala ECHO awards ceremony, to be held on 19 October at Munich’s Philharmonie im Gasteig and telecast in Germany, under the title “Echo der Stars”, that evening at 10 p.m. by ZDF (Second German Television channel).

Congratulations to all award-winners!

Your Deutsche Grammophon Web Team



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2008年6月26日木曜日

ラファウ・ブレハッチ、ベルリン放送響と12月に共演/ドイツの音楽賞受賞

ラファウ・ブレハッチのCD「前奏曲他」が、ドイツの音楽賞である、「ECHO Klassik 2008 」を受賞したそうです。

「singer」とか「オーケストラ」とか部門が分かれていて、ラファウ・ブレハッチは、「instrumentalist」部門のピアノの受賞に入っていました。

こちらは、ECHO Klassikのサイト内の、受賞者リストです。(ドイツ語)


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2009年2月の来日時に、ベルリン放送交響楽団と共演する予定のラファウ・ブレハッチですが、
今年の12月、同オケとショパンで共演の予定だそうです。

12月20日@ベルリン
ショパンピアノ協奏曲第1番
指揮も同じく、マレク・ヤノフスキ。

来日時は、息の合ったベートーベン4番が聴けそうですね♪

こちら

プロモーター側のサイトにも掲載されていましたが、リンクがつながりにくいです。

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それから、10月30日のドルトムント・コンツェルトハウスでの演奏会ですが、
プログラムは、

モーツアルト ソナタ k311
ドビュッシー 版画
シマノフスキー バリエーション op3
ショパン マズルカ op50
ショパン ソナタ 3番 op58

こちら

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2008年6月24日火曜日

ラファウ・ブレハッチ来シーズンの曲

来年2009年4月28日のラファウ・ブレハッチのコンサートスケジュールが出ていました。
まだ先ですが、今後の曲の傾向が少しわかる気がします。

場所は、スペイン、バルセローナのPALAU DE LA MÚSICA。1908年にできたホールだそうです。


モーツアルト ピアノソナタ 変ロ長調 k570
ベートーベン ピアノソナタ イ長調  op2
ショパン バラード 1番 ト短調   op23
ショパン 4つのマズルカ       op24
ショパン ポロネーズ  嬰ハ短調   op26-1
ショパン ポロネーズ(幻想)変イ長調 op61

2008年5月29日木曜日

ラファウ・ブレハッチの応援を続けるのは・・

仕事の準備の調べものでよくネット検索をするのですが、
その合間に息抜きでグーグルして、ブレハッチ関係の情報を見つけることがあります。

最初の発見があったのは、去年の9月の終わり頃でした。

ブレハッチはドイチェ・グラモフォンからのデビューCD「ショパン前奏曲」を8月に録音したのですが、
録音を終えた直後にポーランドのラジオ局のインタビューーに応じていた時の番組を見つけました。

ブレハッチのポーランド語の発言を、英語のボイスオーバーで流してました。
CD発売直前のタイミングだったので、いいかなと思い、日本語に転換して、他のファンの方と共有しました。

海外での彼のニュースを、こうして日本に紹介するようになりました。
最初はファンの仲間内だけでしたが、今年の春からブログを始めました。
このブログに彼の音楽と話題を含めることで、一般ピープルへのブレハッチのエクスポージャーを広げよう、と試みています。


私はある種のインフォーマントととして、たまたま役割を見つけて果たしている、という感覚なのですが、
同業のぺこちゃんは「それを追っかけというのよ。」と、簡単に言います。

それはともかく、

このブログのアプローチは、環境ジャーナリストの枝廣淳子さんの「2時起きで何でもできる」という本を、少し参考にしています。

枝廣さんは、会議通訳としても活躍の方です。

本を書くとき、「2時に起きて、通訳の仕事の勉強をしている」という点で人目をひきつつ、本当に伝えたかったメッセージは、 本来の仕事の部分、環境保護の方のようです。

私は彼女のような大きな仕事ができるタイプではありませんが、
今は自分でできる形でこの優秀なピアニストをサポートしたいと思い、できる範囲のことをしています。

しかし、こういう個人レベルの応援は、今後、ブレハッチのピアノが静かに深く、より多くの世界中の人々に受け入れられていく過程で、 いずれ不要になるだろう、というような、冷めた現実的な目も持っています。



彼のピアノは世界の音楽好きの宝となり、彼の演奏を心から愛するファンの輪が、アメリカにも、ヨーロッパにも、おそらくアジア太平洋にも広がっていくことでしょう。

アーチスト側も、各国のマーケットのバランスをとりつつ演奏会ツアーなども計画していくのでしょう。
私のこのような応援は、従って過渡的なものです。



"Pure magic... We were all on another planet" (イギリス Financial Times 紙)


"If you want to understand Chopin, you must hear Rafal Blechacz."(ドイツ Westfalische Nachrichten 紙)
....CD「ショパン前奏曲」のクレジットより。


上記インタビューの日本語をこちらでご覧になれます。



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2008年5月20日火曜日

ラファウ・ブレハッチ、ポーランド語インタビュー CDショパン前奏曲について

5月12日にブログに書いた、ラファウ・ブレハッチのポーランド語のインタビュー(YT)について、
ポーランドのグダンスクに住む、くまさんが、日本語に訳してくださいました。

まず、ポーランド人のご主人が、ラファウのポーランド語を英語にし、
その英語をくまさんが日本語に転換してくださいました。

(リレー通訳と同じ!)

ラファウは早口なので、ネイティブのご主人にとっても、ところどころ聞きにくいところがあったそうです。
また、くまさんは、逐一訳すのでなく、概要を伝えることを主眼に、日本語化なさったそうです。
(いわく、「てきとー」に「くま語」で訳したので、その前提でね、ということです。)

私にとっては、「てきとー」だろうとなんだろうと、全く意味をなさないちんぷんかんぷんが
意味をもったメッセージとしていただけたので、とてもうれしく、
くまさんご夫妻に感謝の気持ちでいっぱいであります。

ほんとうにありがとうございました。

以下、ごらんください。

(お願い)内容の無断転載・使用はご遠慮ください。




すべて準備は完璧でした。
フォトセッションはレコーディング前の2-3ヶ月前に行われた。
それはベルリンで。
それには大体丸1日を要した。写真は違ったポーズやスタイルで撮られた。
その中でベストのものがプロモーションとCDのジャケットカバーに採用された。

レコーディングのことを話すと、ハンブルグのスタジオで今年の7月に行われた。
大体1週間、それを行うのに時間をかけた。
自分にとっては十分な時間であった。十分エクスペリメントできたし、その中でベストバージョンを選ぶことができた。

初めの2日間は、ピアノ(そのピアノはレコーディングの2-3ヶ月前に選んだもの)を理解、感じるために使った。
もちろん、まず初めに、マイクロフォンのセッティング、音楽ディレクターとの打ち合わせをし、
その後、13:00-20:00までレコーディング。

自分にとって1番大事なことは24の作品(楽曲)の1つ1つを1つの作品として作りあげること。
コンサートでの演奏に近いようにロングセッションでレコーディングしようと決めた。
まず、初めの12のプレルディア(preludia)を録音し、次に12のプレルディアを録音した。

これを4-5回繰り返した。
いつもは、CD作成のためには最後から2番目に録音したものを選ぶ。
時々、録音した1つのプレルディウム(preludium)にもどってみて、もしもっとよくなるのなら録音をし直した。

大体、初日にプレルディアをレコーディングし、それからノクターン、のこりの2つのプレルディウムは最後の2日間で録音した。

マスターCDはとても早く出来上がった。
レコーディングの翌月の8月初めに受け取った。
8月末頃に、自分が昼夜聴いてOKを出したファイナルバージョンを受け取った。
そして、CDのプロモーションが始まったのであった。

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こうして、あの名盤ができたのだ~♪
きりんは、最後の「自分が昼夜聴いてOKを出した」のところに感動しました。。。

最初のところのフォトセッションは、こちらのメーキングビデオで、様子がわかります。

あと、くまさんのコメントで興味深かったのが、

「インタビューの画面からCD屋さんの出入り口で盗難防止のアラームの音が聞こえると思うんだけど、しかも数回。
これってポー国に多いんです。
反応が超いいのか、センサーの誤作動か、商品持っていなくても鳴ります。
何だか、そのたびに店員さんがきてチェックするんだけど・・・」

そういう環境でインタビューしてたんですねえ。
臨場感あります。。。


**くまさんが訳してくださったこのインタビューで、前奏曲:prelude(s) のポーランド語がpreludia (単数はpreludium)であることを知り、後に英語ブログのネーミングに使うことにしました。私にとって記念すべきインタビューでした。(2010年7月追記)

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ブレハッチのサンノゼでのリサイタル、レビュー(その2)(アメリカ)

ブレハッチ、サンノゼ演奏会(5月4日)レビュー(その2)

永遠の若さの魔法の杖
クラシカル・ミュージック・ガイド掲載
評:ゲリー・レムコ(カリフォルニア在住。クラシカル・ミュージック・ガイドでの評論多数。)


ベイ・エリア・スタインウェイ協会の2007年―2008年演奏会シリーズの最後を飾り、ポーランドの若々しいピアニスト、ラファウ・ブレハッチ(1985年生まれ)が、
5月4日日曜日、ル・プチ・トリアノン・シアターで、
モーツアルト・ドビュッシー・シマノフスキーそしてショパンという大きなプログラムで演奏した。

ショパンの前奏曲op28という壮大な作品は、ブレハッチが詩情あるヴィルトゥオーソであり、
高い理想と移り変わりの速い曲の特徴を表現できる技術・色彩の使い手の中でも真の代表的演奏家であることを証明した。

彼はうっとりとした聴衆を何度も集団催眠にかけ、これは2回のアンコールにつながった。

アンコール2曲目、モシュコフスキーの活気あふれる「花火」は、この夜の音楽作り全体を特徴付ける大成功を物語った。


体の隅々まで熱い血が満ちたポーランドの若者、ヴィルトゥオーソのラファウ・ブレハッチは、
同国の人々が「ジャル」と呼ぶ、熱意あるエネルギーと気迫を込めてピアノを弾くが、
同時にコルトーよりはポリーニを彷彿とさせるような古典的落着きでそれを抑制している。

ブレハッチは、モーツアルトの比較的演奏頻度の低い作品、ソナタニ長調k311で演奏を開始した。

3楽章から成る実験的な作品で、アレグロでは、トリルや素早い音符を軽く優雅に弾く必要がある。
彼はしなやかな繊細さでそれを実現した。

モーツアルトのコデッタが展開部となり、テーマを逆順で再現する過程で、ブレハッチのアグレッシブで明るいアタックが原動力を与えた。

ゆっくりとした2楽章は、ある種のフランス的ロンドだが、味わい深く、直接語りかけるような魅力があった。

最終章は完全にイタリア的ロンドで、
ソロピアノなのにコンチェルトっぽい効果を出し、カデンツァまでつけてくれた。(テンポプリモに戻る直前のアダージョ部分のことと思われます。)


モーツアルトがブレハッチの大胆かつ古典的な趣向を引き出したとすれば、ドビュッシーは、版画(1903年)で、彼に色を塗らせた。

ブレハッチのやり方はこの作曲家のユニークなスタイルを照らし出し、彼自身ののショパンに対するアプローチにも光をあてた。

「塔」のエキソシズムは、刺すような、官能的な香りで揺らめき、東洋のけだるさが展開する過程で弦の音が重なり合っていった。

もし、「グラナダの庭」がムーア人の庭を呼び起こそうと意図されたものであるなら、
ブレハッチのエチュード的な弾き方によって、庭の水路が速く流れすぎ、
そのテンポによってハバネラ生まれの楽園の音階は、はギターのあいまいな音に変わってしまった。

しかし、「雨の庭」は彼の練習曲的効果に大きく影響されたおかげで、
粒のそろった速度あるアルペジオは、柔らかで催眠効果のある色彩で満ち満ちていた。


演奏会前半の最後に、ブレハッチはカロル・シマノフスキーの変奏曲変ロ短調op3(1903年)を選んだ。
ブラームスの、パガニーニの主題による変奏曲op35のような、主題に基づく12の変奏曲だ。

音階上のテーマはひとえにポーランド的で、おそらくパデレフスキの感傷的気質に影響されたのだろう。

曲の展開に伴い、博識な、しばしば対位法による対話と実行が繊細かつ大規模になされ、
極めて華麗・勇壮なリストのスタイルでオクターブや速いパッセージが弾かれる。

その過程で私たちはヘンデルのシャコンヌのト短調部分を思わせるオスティナート(反復)や
ムソルグスキの展覧会の絵の最終章のブロックコードを認めるかも知れない。

範囲やスケールが巨大なシマノフスキの曲は、ブレハッチが国民性ある熱情と詩情を表現できることを証明した。

紛れもなくユニークであり続けるこの曲の国民性は、外国に出る過程で失われがちだ。


ショパンの24の前奏曲op28(1838年)は、いまだロマン派の鍵盤表現のロゼッタ・ストーンだ(いまだ解読中)。
決められた様式はなく、半音階の全鍵盤5度ごとの循環で配列した、完全な応唱の連続だ。

簡略化した形でも、ノクターン、マズルカ、ワルツ、エチュード、ソナタから切り離した楽章として存在しえる。

各曲の調、特徴、装飾音の付加、語りかけ、フェルマータ、主音の遅れが相互に依存し合っており、
この鍵盤音楽の完全なイディオムとしての特徴を味わうべく、私達を駆り立てる。

人それぞれ好みの小曲がある。

ブレハッチはイ短調(2番)の不穏な非対称にアクセントをつけ、ホ長調(9番)を宿命の昇天へ駆り立てた。

物語的な変イ長調(17番)は、「深き淵より」といった趣だった。

ヘ長調(23番)の嵐の前の静けさは、ニ短調(24番)にいたり火山の噴火を見た。

ブレハッチは、ショパンのジョルジュ・サンドに対する激しく揺れ動く苦悶で私達を圧倒した後、アンコール1曲目で優しさを与えた。

ショパンの永遠のワルツ嬰ハ単調は、永遠の若さのための魔法の杖。
パルナッソス山(音楽と詩の聖地)への階梯へ私たちを歩ませる、と詩人がうたった優美な衝動の魔法の杖だ。


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以下は、4月のミシガンでの演奏会に関連した、CDレビューです。

カラマズー・ガゼッタより(4月27日、ミシガンでの演奏会のレビューがすでに掲載されている地元新聞です。)CDについての記事。

ライジング・スター
ラファウ・ブレハッチのCD、絶賛を受ける。


ラファウ・ブレハッチは、日曜日、ウエスタン・ミシガン大学のダルトンセンターリサイタルホールで演奏したが、
彼の新CD「ショパン前奏曲全曲(DG)」はメディアで大きく注目されている。

「このCDカバーの写真のラファウ・ブレハッチは、どう見ても14歳より上には見えない(実は22歳)」
と、アリゾナ・リパブリック・ミュージックの評論家リチャード・ニールセンは4月6日付けの記事で語った。

「しかし、彼の新CDのショパンの前奏曲とノクターンは、
グレン・グールドのゴルドベルク以来、デビューアルバムとしては最高といえる。それほど素晴らしい。」


「若い新人ピアニストはほぼ毎日わいて出てくる。
大々的なPRキャンペーンに後押しされる人もいれば、多くのコンクールで突如現れ、二流オケと世界ツアーするごとに疲労し、まもなく消えていく人もいる。

ブレハッチは異なる。彼は語るべき大きなもの、彼の演奏に浸透するパーソナリティを持っている。…本当に新鮮さを吹き込むピアニズムだ。」

記:ジェームズ・サンフォード(カラマズー・ガゼッタ紙)

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前者のサンノゼのレビューの英語は、大変むずかしいものでした。
とても文学的表現や素直でない言い方が多く、
詩などの引用もあって凝った言い回し。

その割には、ブレハッチの演奏への具体的な指摘はあまり多くないような・・

評論家自身も、「ブレハッチにうっとりとした聴衆のひとり」だったのかしら^^と思ったりしました。

「のだめカンタービレ」に出てくる、佐久間学(だったっけ?)という
ユニークキャラの評論家にタイプが似てるかも・・・

題名の「魔法の杖 the wand」は、文中、ショパンのワルツを形容するものとして使われていますが、
おそらく、若いブレハッチが魔法の杖(のような素晴らしい演奏で)で聴衆を魅了した、ということの比喩ではないかと思いました。


訳語で一箇所注釈を。
うっとりした聴衆を「集団催眠にかけた」のところはきりんの意訳です。

原文は、brought 聴衆 to its collective feet ですので、本当は、
「うっとりとした聴衆は全員が何度も立ち上がった」(スタンディングオベーションのこと)。

これがもし、to feet でなく、at feet だと、「~に魅了され、いいなりになる」というような意味になります。

途中、ドビュッシーの「雨の庭」で、ブレハッチのアルペジオは「hypnotic 催眠効果のある」という表現があり、
これはこの日のブレハッチと聴衆との関係をうまく描いているなあ、と思い、先の部分もその雰囲気を反映させてみました。


また、後者の記事の「14歳より年上に見えない。」って、私も似たようなことを思いました。
っていうか、CDのカバーの方がご本人よりよほど年上に見えます(笑)


これで、ブレハッチの北米演奏会関係の記事は、ひととおり見てきました。

ブレハッチの今後のスケジュールを見ると、これだけ英語で記事が入手できることは、当分ないと思われます。
また、ドイツ語・ポーランド語ばっかり、ちんぷんかんぷんの時期に入ります。
私にとって、楽しい1ヶ月でした。

読んでくださって、ありがとうございました。

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2008年5月19日月曜日

ブレハッチのサンノゼでのリサイタル、レビュー(その1)(アメリカ)

今日は、サンノゼ演奏会(5月4日)、きりんがこれまで目にした中で、最も厳しい内容です。
訳す気分にならず、うっちゃっておいたのですが、
この「マーキュリーニュース」に書かれたレビューは、「ワシントン・ポスト」のようなメジャーなメディアにも投稿されています。
なので、しぶしぶ訳したのですが、
よくよく見ると、なるほどと思えたり、
たぶんこの批評家はブレハッチが好きなのだろう、と思えてきました。

--------------------
コンサート・レビュー:サンノゼのリサイタル(5月4日)にて。

技術で目をみはらせる、ポーランド若手ピアニストラファウ・ブレハッチ。
しかし、サンノゼでは、このショパンコンクールの勝者は解釈力がいまひとつ。

評:Richard Scheinin

(まずブレハッチの紹介:ショパンコンクールとDGからのデビューについて言及:略)

ブレハッチが5月4日サンノゼのル・プチ・トリアノンの演奏会は、前奏曲全曲を最後にもってきたが、大変よかった。
彼は、驚くほどに鍵盤を支配し、唖然とするほど楽々と弾くことができる。

しかし、今思うに、彼は技術以上のところに飛翔して深みを極めなければならないとわかっているようだ。
従って、少なくとも日曜日の演奏会では、開いた口がふさがらないような技術力を次々と見せつつ、彼は心の奥深くで苦しみ、求めていたように思った。
あらかじめ想定できなかったであろう彼の苦しみは、魅力的に見えた。
しかし、思うところまでは到達できなかったようだ。

換言すれば、彼にはさらなる味付けが必要なのだ。
今後数年間、彼の巨大な才能と直感が彼をどこに導いていくのか、フォローするのは興味深いと思う。

演奏会はモーツアルトのソナタニ長調K311ではじまった。
ブレハッチは第1楽章アレグロの16分音符を、きっちりと楽々とやっつけた。
内省的な第2楽章は解釈が不発に終わり、妙に勇ましい和音の響きだった。
最終楽章は完全にコントロールしていたが、音符は音符以上の何者でもなかった。

彼のドビュッシーはこれよりずっと良かった。

1903年作曲の「版画」で期待されるのは、
まず第1楽章「塔」がインドネシアのガムラン的五音音階と打楽器的な性質を再現し、
第2楽章「グラナダの夕暮れ」がフラメンコのポストカードの絵を送り、
第3楽章「雨の庭」ではたちこめた靄の中をただよわせること。

ブレハッチのトリルとアルペジオはまことに美しいのだが、愛らしいさざ波だけでなく、堅牢な構造が求められる「塔」では、それを抑え気味にしていた。
彼の「グラナダ」は大きなスペインギターの響きのように聞こえる部分があり、耳障りで強烈すぎた。
「庭」は正しい雰囲気をつかみ、ブレハッチは技術的な要求の中、リラックスしていた。

前半の最後はシマノフスキの変奏曲変ロ短調作品3だった。
ブラームス、ラフマニノフ、スクリャービンの核心的なものを内部に持つ作品。

「版画」と同様、この曲は1903年に完成。この年、ドビュッシーに感化されたポーランド人シマノフスキは21歳になった。
ひとつの変奏曲から次の変奏曲への変化、雰囲気と調、あるいはテクスチャーとテンポが常に変容するこの作品の美しさは、ショパンの前奏曲をうまく導く前提になっている。

ブレハッチは影の部分を陰鬱に通り抜け、深夜のワルツに色彩を与え、最終章では荒れ狂った。
奮闘の熱気の中執拗なオーバーペダリングがあったが、まあよしとしよう。
ブレハッチはいい意味で音楽に没頭したのだ。

休憩後は、優雅で慣れ親しんだショパンの前奏曲。

前半の12曲で、ブレハッチは私たちが既に知っている以上のところへは到達しなかった。
例えば、有名なホ短調ラルゴ(4番)はよくある、真摯なメランコリー、といった演奏だった。

しかし、後半に入る前に、彼はハンカチを取り出し、鍵盤を拭いた。
特にシンボリックなジェスチャーではなかったと思うが、それ以降、彼の演奏は魅力を増した。
点描画法主義者が突如爆発したヘ短調(18番)、鉄をたたき出すような和音の響きと心引き裂かれる激情のハ短調(20番)、そして、ト短調(22番)での恐るべきアジテーション。

最後のニ短調(24番)は、すでにドラマを使い切っていた。
ブレハッチは疲れていたようだ。
しかし、アンコール2曲目、モシュコフスキーの女軽業師(注:アンコールは火花でした。)は、気が狂いそうなほどむずかしい曲だが、彼は最高に軽々と飛ぶように弾いた。
この素晴しい若者はタフィー(お菓子)作りの集いを開いてもよいくらいだった。

ブレハッチは5月11日夜7時から、サンフランシスコのハーブスト劇場でも演奏する。

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このサンノゼ演奏会は、きりんが実際見てきた演奏会です。
きりんはこんなにクリティカルに見ることはもちろんできず、
ひたすら感動していました。

以前、「アメリカ演奏会大成功」という記事でも書いたとおり、
ブレハッチは本番前に、シマノフスキー(特に最後の曲)を繰り返し、またショパン21,22,23,24を練習していました。
ということを思いながら、この記事を読みました。

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2008年5月17日土曜日

ラファウ・ブレハッチ、サンフランシスコでのリサイタルのレビュー(2)(アメリカ)

サンフランシスコのクラシカル・ボイスというサイトに、5月11日のラファウ・ブレハッチ演奏会のレビューが掲載されました。

関連部分を抜粋します。

(お願い)レビュー記事の転載・使用はご遠慮ください。

真髄を生み出すペダル

5月11日日曜日、サンフランシスコのハーブスト劇場のデビューリサイタルでポーランドのピアノのビルトゥオーソ、ラファウ・ブレハッチが最初の音を鳴らすまえに、ホールは期待感があふれかえっていた。
私の元生徒でポーランド生まれの若い女性が母親と一緒に私のところにやってきて、興奮して言った。
「彼を心から誇りに思います。」
もちろん、あちこちからポーランド語が聞こえた。
チェンバー・ミュージック・サンフランシスコのディレクター、ダニエル・レーベンスタインが壇上に上がり、演奏会の主催者であるジェームズ・サリバンとアーリーン・サリバンに謝意を述べた。
その後、ポーランド名誉領事のクリストファー・ケロスキーが聴衆に挨拶、ピアニストを紹介した。

お祝いムードはプログラムの最初、モーツアルト初期のソナタニ長調K311でも続いていた。
21歳の作曲家と22歳の演奏家のコラボレーションは、若さゆえのの熱意とほとばしる機知で満ち満ちていた。
モーツアルトの絶えまない唐突なダイナミクスの変更は、現在では度が過ぎていると思われている。
しかし、当時フォルテピアノがいかに新鮮なものだったかを覚えておく必要がある。
当時それは新しい心躍るようなおもちゃであり、驚くほど劇的な変化を起こすことができ、若いモーツアルトは新たに発見した特殊効果に喜々としてとりくんでいたのだ。

残念ながら、昨今のピアニストはこの鋭いなコントラストを平準化してしまった。
ひとつには、それぞれの効果を正確に示すことが極めて困難なのだ。
ブレハッチの名誉にかけて言うなら、彼はこの音の優しさと気ままさとの微妙な綱引きを、自然かつ大変魅力的にやってのけた。

プログラムでもう一点成功したのは、カロル・シマノフスキーの変奏曲変ロ短調op3だ。
1903年に書かれた変奏曲には、幅広い奏法、様々な様式から影響されている。
ブレハッチはまったく楽々と、憂鬱なコラールから優雅なマズルカまで、痛切な抒情詩から強いクライマックスまで、手際よく変化をつけた。

ドビュッシーの版画は、この後のシマノフスキほど効果的ではなかった。
構成する3曲は、絵画的な趣を持つものと考えられ、ブレハッチがスタインウェイから引き出すことができた以上の絢爛とした音色が求められる。
最初の「塔」の演奏は明瞭だが面白みに欠けた。
一方3曲目の「雨の庭」では、音色に実体がありすぎ即物的だった。
「ハンマーがないかのような楽器」を求めるドビュッシーの意思を確実に反映すべきだ。

これとは対照的に、「グラナダの夕暮れ」は逆らえないほどの情熱に満ち、セクシーでさえあった。
このまるで正反対の断片をごちゃまぜにした曲をひとつの演奏として組み立てるのはむずかしく、ドビュッシーが意図したとおりにこの作品が弾かれたことは、かつてなかった。
こうした予想に反し、ブレハッチはこのきまぐれな狂詩曲を納得できる形でつむいだ。

(次の段落は、ショパン前奏曲op28に関し、後に続くフーガ等の曲がないのにかかわらず、前奏曲と呼ぶことの是非―シューマンやリストの意見等が解説されていますが、ブレハッチの演奏に関係ないと思われるので省略します。)

指関節を酷使する曲の数々(前奏曲)
ショパンの前奏曲を演奏するのが困難なのは、技術ではない。
もちろん、指が折れるのではと思われる困難な曲も多く含まれるが。
これらの「奇妙な小品」の演奏を挑戦的にしているのは、概念的な複雑さである。
ブレハッチは際立ったピアニストで、美しい音色、感化を与える豊かな表現力、生来の音楽的センスを持っている。
前奏曲の何曲か(1,3,5,8,9,10,11,12,14,15,23,24)は流れるルバートで、まっすぐな詩情で歌われた。

しかし、他の2,3の曲はまあまあ普通の演奏だった。
Op28には、演奏家が発見できる多くのことがらが含まれている。
ペダリングのような一見マイナーな点も大きな役割を果たすことが多々ある。
ショパンはペダルの指示を大変細やかに行い、自筆譜にペダルを修正し、何度も楽譜を出版した。
しかし、ブレハッチも含め、多くの演奏家は、前奏曲2,6,13,21の普通でないペダル指示を守ってはいない。
しかしながら、オリジナルのペダリングを再生しようとする者には驚くべき望外の芸術的成果が返ってくる。

前奏曲2番は、この小曲全体を通してペダルを使わなかったならば、もっともの悲しい、あの世的な響きとなっただろう。
そして、最終曲の結末は、もしブレハッチがショパンの願いに留意し、最後の5小節ずっとペダルを維持し続けたならば、もっとぞっとするような響きを出していたことだろう。

コンサートは大いに盛り上がって終わった。
ポーランドの鮮やかな民族衣装を着た少女がブレハッチに花を贈った。
その後、彼は、2曲の素晴しいアンコール曲を弾いた。ショパンのワルツ嬰ハ短調とモシュコフスキの火花。

評:Anatole Leikin(カリフォルニア大学サンタクルス校教授。
多くの論評、著作を執筆、自身もショパンとスクリャービンの曲を録音している。)

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2008年5月14日水曜日

ラファウ・ブレハッチのサンフランシスコのリサイタルへのレビュー(1)(アメリカ)

ラファウ・ブレハッチの、サンフランシスコでの演奏会(2008年5月11日)に対するレビューです。

(お願い)レビュー記事の転載・使用はご遠慮ください。


「サンフランシスコ・クロニクル紙」のオンラインバージョンであるSFGateに掲載。
(5月13日付け)
評価者:ジョシュア・コスマン、同紙の音楽評論家)


ポーランドの若手ピアニスト、ショパン音楽の力強いバージョンを披露


ショパンがピアノの世界から遠ざかったことはかつてないが、ショパンは最近とりわけ雄弁な擁護者を選んでいるようだ。

ショパンを特別な存在にした、アルゼンチンのイングリッド・フリッターも選ばれた演奏家リストに含まれる、このリストに、
私は、ラファウ・ブレハッチも加えたいと思う。
この若いポーランド人のヴィルトゥオーソは、日曜の夜(5月11日)、ハーブスト・シアターで力強いデビューを果たした。

ブレハッチは鉄の指を持ち、スタミナ満点。
しかし、もっと重要なことは、彼は、他の演奏家とは明確に異なった基本的考え方を持っていることだ。
ブレハッチのショパンは、多くのピアニストのような沈みこんだ、気まぐれなラプソディではない。
ブレハッチの世界では、ショパンは力強いまっすぐな存在として、極めてきびきびと率直に語られるため、ロマン派のアーチストとは思えないことがある。


親しまれた作曲家に対するこの型破りの姿勢は、聴き手によっては、繊細な色彩感が不足し、感情的なほのめかしが失われていると感じたかもしれない。
しかし、それを補う価値は極めて魅力的なものがある。


明らかに、ブレハッチはもはや喝采を求めてはいなかった。
2005年、20歳のときに、彼はワルシャワのショパン国際ピアノコンクールで、ポーランド人としてはクリスチャン・ツィメルマン以来30年ぶりに優勝を果たした。


最近ドイチェ・グラモフォンからリリースした彼のデビューCDは、前奏曲op28のすばらしく透明な解釈であり、
このショパン音楽の多くを抱合した曲は、今回サンフランシスコチェンバーミュージックが提供したブレハッチのリサイタルでのハイライトとなった。


世の多くのピアニストのショパンに対するアプローチが、方向性の捉えそこないや人を驚かせる効果で幻惑させる手品師のやり方だとすれば、
ブレハッチはまるでビンテージの時計(=ショパンの曲)を見せてくれるようだ。
彼はこれらの巧妙なで驚異的な時計の多くを自分の箱に持っており、
自らの技術を使って順番に開き、歯車や機構ががどんなふうに動いているのかを見せてくれる。


その方法は、前奏曲をシャープな切れ味、最小限のペダリング、そしてめまいがするほど豊富な鍵盤技術で、すばやくクリーンに演奏すること。
ブレハッチの演奏を聴いていると、――最も入り組んだテクスチャーの部分であっても汗もかかず楽々と駆け抜けるように弾くため、
聴き手はこの音楽が実はとても困難だということにさえ気づかないかもしれない。


彼の演奏に感情がこもっていないというのではない。
前奏曲ロ短調は圧倒的に感傷的な調子、ハ短調は荘厳さと親密さを巧みに組み合わせて演奏している。


しかし、彼の最強の見せ場は、ショパンのもっと古典的な構成のところだ。
ト長調で、ブレハッチは輝くような左手の伴奏を楽々と高速で弾くので、右手のメロディはまれにみる魅力と明瞭さでくっきりと表現されている。
ホ長調の雄大な和音は暖かくどっしりと響き、変ニ長調、有名な雨だれでさえも、通常の夢見るような演奏を振り切り、我々がこれまで想定したよりもずっと快活な音楽作りになっている。


ブレハッチは、もっと鮮明に弾いた方が効果が出たかもしれない所が何箇所かあった。
嬰ト短調と変ロ短調の強烈なパッセージはややぼやけた。――非常に精密に弾いていただけに、損失が目立った。


ブレハッチの鮮明で手際よい分析的なアプローチは、前半の多様なレパートリーでも同様に実を結んだ。
モーツアルトのソナタニ長調k311は、幾分冷淡な始まり方をしたが、すぐにゆっくりとした2楽章で暖められた。


ドビュッシーの版画はショパンと同様、多くのピアニストが弾くよりもずっと明るい光を投げかける演奏だった。
隠れた欠点が見えるようなことは全くなかった。
シマノフスキーの変奏曲変ホ短調op3は、休憩後演奏されたショパンに導くため様式を整える、食前酒の役割を果たした。
アンコールはショパンのワルツ嬰ハ単調op64-2、モシュコフスキの輝くような、火花の、傑作と呼べる演奏。

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2008年5月10日土曜日

ラファウ・ブレハッチ今後の予定 (2008年)

5月11日、サンフランシスコHerbst Theatre:ハーブスト・シアターでの演奏会が、
北米での最後のプログラムとなります。

このシアターは、War Memorial Veterans Building:直訳すると戦争記念退役軍人ビルの中に位置し、
このステージで、1945年6月26日、国連憲章が調印されたそうです。


北米ツアーの直前に、当地では、最新CDショパン「前奏曲」が発売されたようで、いくつかレビューが出ています。

例えば、SFGateのサイトでは、
技術的に極めて高い水準にあるばかりでなく、とかく感傷的になりがちなショパン音楽を歯切れよくドライに演奏するため、
ペダルの使用を最小限に抑え、

音符の込み合った箇所や非常に速いパッセージも一音一音を明瞭に弾き、
ショパンが書いた音はすべて聴く価値があるとの信条を持っているようだ。

その結果生まれる音楽は心が揺さぶられるもの。


と述べています。

この演奏会のチケットは、ポーランド系の人々、いわゆるポローニャに対しては、ディスカウント価格で提供されています。
(通常38ドルのところ、30ドル。←定価で見ても、バンクーバー、サンノゼは、もう少しお高かったです。)

こうした、在外ポーランド人の数は、歴史的経緯もあり、2000万人ですか、非常に多いと聞いたことがあります。


バンクーバーで、演奏会後のレセプションに参加するため、事前にご担当の方と連絡をとりあったことを以前に書きました。

このご担当の方もポローニャです。ピアニストになる道をあきらめ、コンピュータ・エンジニアとして生きてこられました。

10年前、ショパン音楽をもっとカナダで聴いてもらいたい、との思いから、
仲間とショパン協会を設立したそうです。

今回のブレハッチ演奏会は、協会の設立10周年の記念イベントでした。
こうした背景を知ったのは、演奏会の前日になってからでした。



さて、レセに参加したくて、私は最初ショパン協会に電話してみたのですが、
何回かかけてもいつも留守電。

そこで、ショパン協会のサイトの「お問い合わせ」にメールを入れてみたところ、
返事がすぐに着ました。現地時間の夜中に。

差出人の名は、Iko Bylicki でした。
私はこれがポーランド語だと全く気づかず、「アメリカ大陸の先住民系の人かな?」などと思いました。

返信するとき、Ms. Iko Bylicki と書きました。こういう組織の事務局の人は女性だろうと思って。留守電も女性の声だったし。

ずっとMs.でやりとりし、演奏会の前日にある記事をウェブで見ました。
Bylickiさんが今回の演奏会にかける思い、のようなことが書いてありました。
初めて、Bylickiさんが男性で、元ピアニストで、コンピュータ技師で、ショパン協会のプレジデントであることを知りました。

レセの時、ご本人にお会いできたので、女性扱いしたことを謝り、
「ショパン協会10周年おめでとうございます」と書いたグリーティングカードを差し上げました。

温かい雰囲気のIko Bylicki さんは、「時々間違われるんですよ。Ikoって女性みたいでしょ。」と笑っていました。

レセプション参加者もポローニャの方々がとても多く、
ラファウ・ブレハッチが会場に到着したときは、お祝いの席で歌われる歌、「スト・ラト(Sto lat)」の大合唱で迎えられました。



アメリカの次は、6月4日チェコのプラハのRudolfinum - Dvorák Hall 。
曲目等詳細は・・わかりません!情報ありません。


そして、7月31日、スイスのヴェルビエ音楽祭に参加。
続いて、8月2日、フランスにて、La Roque d'Anthéron国際ピアノ音楽祭に参加。


その後は、8月に、ザルツブルグ音楽祭参加、コンセルトヘボウとの共演と続きます。  



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2008年5月7日水曜日

ラファウ・ブレハッチ、バンクーバーとサンノゼのリサイタルから―順調なアメリカデビュー

アメリカを訪れる機会があり、ラファウ・ブレハッチの演奏会を鑑賞する機会にめぐまれました。
バンクーバーとサンノゼの演奏会です。


会場:
バンクーバー: ブリティッシュ・コロンビア大学チャンセンターホール
サンノゼ:   ル・プチ・トリアノン・シアター

プログラム:
モーツァルト ソナタk 311
ドビュッシー 版画
シマノフスキ 変奏曲op3
ショパン   前奏曲op28
アンコール  ショパン ワルツop64-2 モシュコフスキ 火花(サンノゼのみ)


ポーランド系住民は2500人という多民族社会のバンクーバー。
主催者のバンクーバーショパン協会は、ポーランド人元ピアニスト(今はコンピュータエンジニア)が、
この国の人にもっとショパンの音楽を、との熱意により、10年前に立ち上げました。

開演に先立つ代表者(中国系)の挨拶は、ポーランド語と中国語も取り混ぜてのものでした。



バンクーバーの演奏会場ブリティッシュコロンビア大学内チャンセンター



音響の良い1000人余り収容の会場は、安価で良い音楽を多くの人へ、特に家族連れと学生へ、
との主催者の方針通り、小雨降る肌寒い金曜の夜、幼児も含め老若男女で埋め尽くされ、補助席も出されました。


一方、サンノゼは、人口の3割がヒスパニックで、電車や街中では、マジョリティがスペイン語を話すという環境ですが、
演奏会はさすがに英語スピーカーばかりでした。

こちらの主催者はベイエリア・スタインウェイ協会。

定期的に優良なピアノ演奏会を開き、会員が集います。バンクーバーとは全く客層が異なり、皆、ピアノ音楽の目利きのようですが、
ブレハッチのことはあまり知られていないようでした。


「彼の姓はどう発音するの?」と聞かれ、教えてあげた女性、実は主催者協会の会長でした。
開演の挨拶で、「ではラファウ・ブレハッチを紹介しましょう。この発音、特別トレーニングを受けたのよ。」と言い、笑いをとっていました。

どちらの会場も、演奏終了後は全員が即座に立ち上がってのスタンディングオベーションです。

バンクーバーでは大歓声に口笛までプラスされ、まるでスポーツの試合でひいきのチームが勝利したかのよう。
本当に皆さんが感動し、喜びを感じているのがひしひしと伝わってきました。



サンノゼの演奏会場ル・プチ・トリアノン・シアター



以下は、サンノゼでの印象です。

ラファウの演奏は、随分「見せる」(魅せる)要素が増えてきたように思いました。
弾ききった時の手のアクション、表現力も多様に、そして、よりパワフルに。


モーツァルトは、最近のレビューでも表現されていたとおり、お茶目でコミカルで本当に楽しそう。
3楽章の231小節・テンポプリモの直前のアダージョの部分、すまして右手・左手で交互にちょっと大げさに弾き、聴衆からくすくすと笑い声が。

名騎手がスマートな名馬を上手に手綱を使って早足で駆けさせたり、リズミカルに躍らせたりしているかのようでした。
クリアーで清明な音。


ドビュッシーは、一変して、深く柔らかな、ビロードのような本当に美しい響きです。
私の席から右手が良く見えたのですが、指全体をしなやかに用いての演奏。

不覚にも泣けてきました。去年の来日時より随分変わった気がしました。

ステージから下がることなく、連続してシマノフスキに入りました。
弾き始める前にうつむいてじっと心を集中させます。


当地の聴衆にはあまりなじみのない曲かと思いますが、あっという間に聴衆が引き込まれ、じっと聴き入っていました。
皆さんが深く感動しているのがよくわかりました。

強い音の和音で彼の上半身が浮き、落下する様子に、肩をすくめ首を振って驚いている男性がいました。


サンノゼで、早めに会場に着いた私は、リハを聴く幸運に恵まれたのですが

(ロビーと会場の仕切りが木製でガラス張りのドアなので、ロビーで充分聞こえるのです。)、

ほとんどの時間をシマノフスキにあて、特に最終曲の最後の部分は何十回も繰り返し、ゆっくり→インテンポ、と練習していました。

もう何年も弾いているレパートリーなのにこの努力。心動かされました。



サンノゼ会場のロビー



会場の都合でリハが始まったのは5時15分位からと、随分遅かったのです。

7時の開演20分前まで、お客さんが随分来てるのに練習しつづけました。

このほか、モシュコフスキ、ショパンの21, 22,23,24番と、モーツアルトの2、3楽章をさらっていました。


練習のかいあってか、シマノフスキの終わり部分、ものすごい迫力でした。


ショパンは、もはや、鍵盤の方がラファウの手に吸い付いてくる感じです。
日ごろの主張どおり、全体をひとつのまとまった曲として弾きこなし、各小曲間の連結の仕方も神がかり的。

奏者とピアノは完全に一体化、感動にみちた聴衆もそこに統合されました。

皆が身を乗り出して、食い入るようにピアニストを見つめ、そのエネルギーを受け取るラファウがまたインスピレーションを放射する、という、完璧なコミュニケーションの循環が成立していました。


終了後、お客さんの会話が耳に入ってきました。

「彼はまさにスーパー・ヴィルトゥオーソだね。」
「大変なスーパー・テクニークの持ち主だ。」
「シマノフスキーの低音部はラフマニノフ並みなのよ。」
「終わりに行くにしたがって、すごくなったわ。」
「彼は本当にお茶目だね。」
「最後の曲(火花のこと)は、ほんとにすごいね。速いね。」などなど。

皆さん目が輝いています。うれしそうです。

サンノゼは客席が300余りの、古いけれども自然な響きが楽しめる素晴しい会場です。
ラファウのナチュラルさと相まって、最高の演奏に思えました。


サイン会があり、サインを求める人々、写真を撮る人々で小さなロビーは沸きかえりました。



ファン一人一人に笑顔で対応するラファウ



私の番になり、「ありがとう、ラファウ。今日の演奏は私にとってベストでした。」と言ったら、
「ベスト?バンクーバーよりも?」と切り返されてしまいました。
「うーん、正直なところ。」
すると晴れやかな笑顔で、「また演奏会で会おうね。」

(ベストというのは、全く私の主観です。バンクーバーも大絶賛のレビューが出ています。)

もうひとつ。サンノゼでは、椅子の高さが合わず、(ラファウが小柄なので、既存の椅子では低すぎる)、
主催者が座布団はないか、と走り回っていました。

結局、椅子の下に小さなカーペットが敷かれたそうですが、せいぜい数ミリしかアップできなかったと思います。
そんな不利な環境でも、平常心で力を出し切るラファウ。

本当に素晴しい演奏会でした。



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2008年5月6日火曜日

ブレハッチ、バンクーバーでのリサイタルのレビュー(カナダ)

バンクーバーサン紙のオンライン版(5月5日付け)に、5月2日のバンクーバーでの演奏会のレビューが載りました。
「ブレハッチ、ショパン音楽の美と素朴さを復活させる。
ポーランド人ピアニスト、24の前奏曲で聴衆を魅了」

まず、ブレハッチの経歴や主催したバンクーバーショパン協会の紹介をし、
原型をとどめないほど複雑化したショパン音楽の、本来の素朴さや情緒の明瞭さを復活する方法を、同国出身のブレハッチが発見し、自然な音作りをしているのは、コロンブスの卵の発見のようだと喩えています。
以下は、プログラム各曲へのコメント部分です。

モーツアルトソナタニ長調、この最も明るいソナタに、ブレハッチは単に速いという以上のあふれくる活発さをもたらした。ただもう素晴らしい。
ドビュッシーは美しく、ペダルにより色彩の、真の味わいを出している。
シマノフスキの変奏曲変ロ短調。初期の作品でショパンの影響を多分に受け、極めて色彩感豊かで美しい作品。めったに聴く機会のないこの作品を聴くことができたのは感慨深かった。

後半はショパンの24の前奏曲全曲。シューマンが「鷲の羽根」(非常に崇高なもののたとえ、でしょうか?)と比喩し、最も短い曲は30秒という小曲集は、最高度に評価されてしかるべき曲集。ブレハッチの魔法で、聴き手はこれら全ての曲に魅了された。16番はただでさえ右手が危険なほど困難な曲だが、大変な速度で弾き、一音たりとも落とさなかった。4番の低音は、純粋な弱音が美しくバランスをとり響き渡った。14番は非常に暗く、衝撃的なまでに不調和な低音が、絶望感を呼び寄せた。

ブレハッチは各曲を、ギャラリーの順路に従って位置づけた。ギャラリーを進むと、「純粋なショパンの陽の輝き」と、ある作家が述べていたような作品から、とても暗い病的な作品まで全てを、金言のように感じることができる。その構成をこの謙虚で若いポーランド人演奏家は、――彼は聴衆のスタンディングオベーションと長く続く歓声に驚いているようだったが――全て暗譜で弾ききった。

ブレハッチの予定は、すでに4年後までいっぱいだ。この演奏会が聴けた我々は幸運だ。
ショパンはブレハッチを必要としている。

原文はこちら。
http://www.canada.com/vancouversun/news/arts/story.html?id=c314b5d2-611f-4bb3-b30b-295cef86c3e5

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2008年4月29日火曜日

ラファウ・ブレハッチ、ミシガン州ギルモア・キーボード・フェルティバルでアメリカデビュー、好評

ラファウ・ブレハッチは、4月27日、ミシガン州カラマズーで開催中の「ギルモア国際キーボードフェスティバル」でアメリカデビューを果たしました。

場所は、ウエスタン・ミシガン大学のダルトンセンター音楽ホール。

ミシガン州南部をカバーする、Kalamazoo Gazette紙のブログが、28日付けの号外として、演奏会が大成功だった旨を報道しました。


ラファウ・ブレハッチ、スリリングなリサイタルで優雅で多才な演奏を披露

との見出しに続き、フェスティバルの数ある演奏会の中でも、一際際立った才能をもつブレハッチのソロピアノ演奏は喜びを与えるものだったと評価。

全く異なったスタイルの楽曲から成る難しいプログラムで、輝くような解釈を欠点のない技術によって披露、多数の聴衆を圧倒した、としています。


「モーツアルト(k311)は、すばやいテンポで歯切れよく、かつ茶目っ気ある演奏。信じられないくらい粒がそろい、トリル・装飾音は水晶のようにクリアで繰り返しも新鮮。ブレハッチの手により、音符が優雅にはしゃぎまわる。」


「ドビュッシー「版画」では、完全にギア・シフト。例えば「塔」では、ぶっきらぼうなのに豪奢な音で東洋的なドビュッシーのオーラを伝え、ブレハッチのしなやかな手によって、音符はモーツアルトの古典的調べとは全く異なった展開を。」


「シマノフスキー(op.3)はさらに別のアプローチが必要な作品で、ラフマニノフ的(3,11番)、ロシアロマン派的(8番)、ショパン的(12番)要素を含み、この作曲家に明るくない聴衆にとっては素晴らしい贈り物。」


「ブレハッチが生来の親和性を発揮したのは、やはり、ショパンの傑作、「前奏曲」(op28)で、各小曲それぞれのパーソナリティを完璧に顕在化。

例えば、悲しみの象徴である4番では、楽譜が表わす悲哀の一滴をも搾り出すかのよう。9番のあまりにも美しい左手のトリル、神々しい15番、24番の激しい左手と、右手の劇的な半音階のパッセージ。」


聴衆は純粋に彼を支持し、輝く宝石のようなミャスコフスキーの演奏へ。ブレハッチは違いのわかるギルモアの聴衆の心をつかんだ、と結んでいます。



アンコールのミャスコフスキーって、ひょっとして、モシュコフスキーの間違い?と一瞬思ったのですが、どうなんでしょう?彼のレパートリーに詳しい方、教えてくださいませ。 

実際のアンコールは、モシュコフスキの火花でした。(追記)


まずは好調なスタートのようで、ファンとしてはうれしいかぎりです。
北米での次の予定は、5月2日、カナダのバンクーバーです。


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2008年4月25日金曜日

ラファウ・ブレハッチ、新世界へ

ラファウ・ブレハッチは、4月27日から5月11日まで、北米5ヶ所でリサイタルを開きます。

2005年のショパンコンクール優勝以降、ヨーロッパ・日本では高い評価を得、人気も高まっていますが、アメリカ大陸は今回がデビューとなります。

日程
4月27日  ミシガン州カラマズー(シカゴとデトロイトの間)のダルトン・センター

5月2日   カナダバンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学構内チャンセンター

5月4日   カリフォルニア州サンノゼのル・プチ・トリアノン・シアター 

5月8日   同州サンタ・ロサのオークモント・オーディトリウム

5月11日  同州サンフランシスコのフローレンス・グールドホール


プログラム
モーツアルト  ソナタ ニ長調 K.311 (284c)
ドビュッシー  版画
シマノフスキー 主題と変奏曲 変ロ短調 op.3
ショパン    24の前奏曲 op.28

プログラムは今年1月から3月のヨーロッパツアーと同じ内容です。

私たち日本のファンがまだ聴いたことがないのが、モーツアルトのソナタです。
実は私はこの曲を聴いたことがなく、最近、マリア・ジョアン・ピリスの録音で聴いてみました。

30年位前のピリス若かりし頃の演奏です。もっと最近の録音もドイツ・グラモフォンから出ているのですが、若さあふれる「面白い」演奏、とアマゾンのレビューにあったので、こちらを買ってみました。

本当に可愛くて、さわやかな曲と演奏。ちょっと、のだめちゃんのモーツアルトを思い出しました。

ブレハッチがこれを弾いたら、もっと多様な味わいのある、清楚で喜びあふれるブレハッチのモーツアルトになるんだろうなあ。

ブレハッチが1月にパリでこの曲を演奏した際の、音楽評論家の感想では、
「彼はまるで自分の音楽パレットから多様な技術や表現を次々と取り出すかのように、音楽グルメ達の通念や予想に次々と対抗した。」とありました。


リサイタル直前のバンクーバーの新聞に、ブレハッチの紹介が載っていました。
ポイントのみ抜粋・要約します。


「ザ・バンクーバー・サン」4月24日付け

まず、ブレハッチの最新CD「ショパン前奏曲全曲他」(ドイツ・グラモフォン)に対し、レーティング5点と評価し、

「ブレハッチが2005年のショパンコンクールで優勝を含め主要な5つの賞を独占受賞し、第2位が空席となったのは、前代未聞の大成功だった。今回、バンクーバーは、カナダで唯一のリサイタルとなる。」

「ポーランドの、メジャーな文化圏から遠く離れた、小さな町出身のブレハッチは、極めて謙虚で、人とにぎやかに交わるよりも1人森を散策するのを好むと伝えられている。」

そして、彼のCD「ショパン前奏曲」の演奏を「驚くほど明瞭、率直で誠実な演奏」とたたえ、往年の名ショパン演奏家として知られたブラジル人ピアニスト、ギオマール・ノヴァエスGuiomar Novaes (1896 - 1979)を彷彿とさせる演奏、として、「本当に特別な演奏」と結んでいます。

アメリカ最大の書店バーンズ・アンド・ノーブルでは、この4月に彼のCD「前奏曲」の発売の宣伝が出ていました。北米では今頃発売なのでしょうか?そうだとすると、ヨーロッパ・日本より半年遅れですね。

ラファウ・ブレハッチの「新世界」でのデビューが大成功となりますよう、心からお祈りします。 



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2008年3月5日水曜日

ウィーン、オランダのレビュー(ブレハッチホームページより)(2007年秋)

ブレハッチホームページに掲載されているレビュー(英語のみ)です。
2007年11月18日ウィーン、2007年10月7日オランダでのリサイタルに関するもの。


若き詩人の如く
ピアノ界のニューフェース。ブレハッチが他の若手ピアニスト達と決定的に違うのは、彼の類まれなる音のセンスの良さ。珍しい指の使い方(unusual finger execution)に加えて、彼は最高レベルの音楽性を示す。技術的には全てがパーフェクト、これに加え、ブレハッチは各フレーズにおいて、抜きん出たピアノタッチの音の美しさを見せる。色彩のパレットを壮大に輝かせることで見事にに雰囲気の濃淡を表わしている。ガラスのような完璧さではなく、豊かで情緒あふれる音を実現している。
Oliver A. Lang, Kronen Zeitung(オーストリア最大の日刊紙), 2007年11月20日



ウィーン、ラファウ・ブレハッチに魅了される
ラファウ・ブレハッチがコンツェルトハウスでデビュー、彼の初CDに対する良い印象を証明した。彼はショパンを、ポーランド的に、フランスの香りなしに演奏する。確固としたリズムを保持しながら、洗練されたルバートでピアノにメロディを歌わせることができる。彼の技術は完璧だが、それ自体は彼の目標ではない。繊細なピアノからフォルテシモに至るまでのダイナミクスを、急な爆発なしに弾きわける。各小曲を明瞭に語りながら、内部に神秘を感じさせ、これが、このアーチストを比類なきものにしている。神秘性なく単に音を鳴らすような多くのピアニストは職人にすぎない。
Karl Loebl, Oesterreich(「日刊オーストリア」、最近発刊), 2007年11月20日



ポーランド人アーチストにとって、ショパンを弾くことはあまりにも近すぎ、同時に困難だ。ラファウ・ブレハッチにとっても、それは言うまでも無い。彼はショパンを氷の宮殿から開放した。彼は強い打鍵もできるのだが、彼のショパンは官能的で地に足がつき、自己確信にあふれ、かつ神秘的で心の琴線に触れる。無駄話はしないのに、多くのことを語ってくれる。ラファウ・ブレハッチは自分の技術を顕示せず、快活さと賢明な魂で、自国の音楽の神聖さを復活させた。
Kurier(オーストリアの大衆紙), 2007年11月20日



ブレハッチ、ワイルドで官能的な魅力をショパン音楽に付与
ブレハッチは最良のテニス選手のようなスピードでペースを変える。長時間強打した後、急にボールを止め、あいまいな色彩を取り出したり、陰鬱な和音の反復を強調する。
Bela Lutmer, de Volkskrant(「人民新聞」アムステルダムの著名な日刊紙, 2007年10月9日



ピアノマスターたるブレハッチ
今回ブレハッチはピアノマスターシリーズでデビュー、ハイドン、リスト、シマノフスキー、ショパンの傑出した演奏で聴衆に強い印象を与えた。ブレハッチマジックの秘密は、おそらく彼の熱意あふれる解釈・表現にありそうだ。彼のは、あらゆる点で、別格の精密さを備えた職人のそれに匹敵すると思われる。今回演奏した曲目は、長きにわたって彼のレパートリーだった。彼のヴィルトゥオーソ性と楽譜に対する新鮮な視点によってのみ、より高い目標が達成できるのだ。絶妙な音のアーキテクトとして、ブレハッチは1つの流派の音楽素材を用いて、崇高な傑作を創造できる。
NRC Handelsblad(ロッテルダムの夕刊紙), 2007年10月8日



ポーランド人のピアノの驚異
ラファウ・ブレハッチのキャリアは、2年前のワルシャワでのフレデリック・ショパン国際ピアノコンクールでの優勝以降、劇的に進展してきた。22歳のポーランド人ピアニストは日曜の夜、Marco Riaskoff (コンサートマネジメントのエージェント)の企画による、権威あるピアノマスターシリーズでデビューした。ブレハッチの名声はすでに高く、各座席の両側に補助椅子が必要で、あたかも、クリスティアン・ツィメルマンが再誕したかのようだった。

ブレハッチは同国の先輩と共通する点が多々あるものの、絶対にツィメルマンのミラーではない。彼は真のパーソナリティを有し、若いながらも成熟した音楽家で、更なる大きな進化の可能性を秘めている。彼の演奏はすでに豊かな表現力を持ちダイヤモンドのように響いており、ドイツグラモフォンは今月ブレハッチの録音CDを上市した。曲目は、数あるショパン曲から24の前奏曲作品28が選ばれた。この夜、アムステルダムのコンセルトヘボウにて、ブレハッチはこの曲も演奏した。

シンプルな前奏曲ほど真の演奏家を認識させてくれる。例えば、第4番。左手のいつくかの普通の和音と右手の内気なメロディから成るこの曲は、アマチュアにとってもさほどむずかしくない。しかし、ブレハッチが弾くと、はっとさせられる。全ての音色が、まるで宝石職人の天秤にのっているかのように釣合いがとれており、全ての瞬間が色彩の陰影に満ちている。機関銃を発射するような曲――第22番や、激情に満ちた最終曲よりも、こうした曲の方が新たな発見が多い。ブレハッチは右ペダルをふんだんに使うが(not economical with the right pedal)、音の明瞭さはくっきりと保っている。卓越した、感化を与えるような演奏であり、同時に、繊細かつ詩的な演奏だ。小休止の前、聴衆はハイドンの物語がソナタ52番によって世紀末の冒険に旅立つのを耳にした。小休止の後、この若いピアニストは、リストの3つの演奏会用練習曲をスリリングに演奏し、グランドピアノを響かせた。ブレハッチは更に、シマノフスキーの変奏曲op3にも挑戦したが、彼の気質を通じて作曲家自身を感じとることができた。拍手と2回のアンコール:美しい、モシュコフスキーの火花op36-6と、ショパンのワルツop64-2が上品かつ優雅に演奏された。我々ポーランド人にとって、同国人として聴けることは、深い心の経験だ。
Eddie Vetter, De Telegraf(アムステルダムの新聞)



ピアニスト界の新たなコリュパイオス(古代ギリシャ:コロス=chorusの指揮者)
ショパン国際ピアノコンクールは、人々が捜し求めるコリュパイオスを何度も輩出してきた。マウリツィオ・ポリーニとクリスティアン・ツィメルマンは、最も著名な実例だ。最新のコンクール(2005年)の優勝者ラファウ・ブレハッチは、現在22歳。今回グランドピアノマスターズにデビューした。彼の演奏の質の高さを見るならば、彼の名が今後ポリーニやツィメルマンのような名士達の中で輝くことが期待できるが、本当にそうなるかどうか、まだ未知数だ。というのは、音楽以外の要素、彼の演奏の質とは別の要素がより大きな役割を果たすことも多々あるからだ。ブレハッチは優れた技術を持っているが、その技能を、曲芸を披露するように弾くことはしない。それとは対照的に、勤勉さに基づく技術と余裕の演奏ゆえ、彼は全身全霊を音楽に向けることができる。これにより、非凡なまでに魅力的で誠実な印象を与える。ブレハッチはまずハイドンのソナタ52番変ホ長調で、聴衆の心をつかんだ。多様な表現力と曲の偉大なフォルムを知的に表現することで、ブレハッチは息をのむような演奏を展開した。彼がグランドピアノのペダルに散発的に触れる際は繊細に行い、これが適切な指の使い方と相まって、類まれな音の明瞭さを実現する。同様の明瞭さは、リストの3つの演奏会用練習曲も引き立たせた。不要な装飾が全くない、クリアーな音による素晴らしい様式の演奏だ。より多彩な調子と色彩を、ブレハッチと同国の作曲家、カロル・シマノフスキーの変奏曲変ロ短調op3で聴くことができた。このような作品を聴く機会はなかなか得られない。ブラームススタイルの聴く価値がある作品で、とくにブレハッチほどの力量あるアーチストによる演奏となればなおさらだ。この若い演奏家がレガートや微妙なタッチを卓越したレベルでマスターしていることが確認できた。

ブレハッチが最大の深さを表現したのは、フレデリック・ショパンの24の前奏曲op28だった。この多様な小曲から成る楽曲において、彼は、精妙な細部やくっきりとしたコントラストを聞かせてくれたばかりでない。自由に展開する各前奏曲のテンポと、導入の時間との関係をを巧みに管理することによって、完全な1つの物語を語ってくれた。22歳の演奏として、これほど成熟した美しい演奏を聴くことができる機会は本当にまれだと思う。ピアニストの世界は新たなコリュパイオスを得た。その名はラファウ・ブレハッチ。
Christo Lelie, Trouw(「真実」アムステルダムの新聞)

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2008年2月15日金曜日

ブレハッチ、ナポリでのリサイタルに関するレビュー(イタリア)

ポーランド人演奏家、情熱的なリサイタルでモーツアルトとショパンを披露
サンカルロ劇場の聴衆、ブレハッチに喝采

ナポリにて。2005年のワルシャワのショパンコンクールの覇者、23歳のポーランド人ピアニスト、ラファウ・ブレハッチ(写真)が、サンカルロ劇場のコンサートシーズンで待望の演奏会を開いた。プログラム後半はショパンの中でも特徴ある、前奏曲op28、ブレハッチは深く、光とインスピレーションを与えるような演奏を見せてくれた。この若い演奏家は、このひとまとまりの作品の価値を復興させるような演奏をした。彼の弾き方は、「素朴にざっと弾く用意ができた(シューマン)」ので、すぐに即興的に弾くというものではなかった。前奏曲の各曲が、スケッチあるいは真珠のようで、未完成さ、メロディのほのめかし、怒りや純粋な感情、あるいは不可解で合理性を避けるような感情を噴出させ、しかしまた、作曲家の詩的な世界をうまく具現化している。非常に病弱で、39歳で亡くなったショパンだが、彼のこの音楽は、その才能、神秘性、ピアニスティックな魅力で思いをはらしているようだ。だから、おそらく何にもまして、この前奏曲は彼にとって最も重要で象徴的な作品なのだ。そして、ブレハッチは、繊細な各曲を深く掘り下げ、それらを正確なモザイクとして組み立てすべてを輝かせることで、完璧な高みを見事に表現した。
ブレハッチは、いかなる瞬間も、まれに見る美しさと澄み切った歌を聴衆に示し、最も有名な前奏曲「雨だれ」で語りかけてくれた。彼が雨だれを弾いたとき、聴衆から自然と拍手がわき起こり、ブレハッチは応えるように微笑んだ。
プログラム前半では、モーツアルトの作品(ソナタニ長調作品311)、ドビュッシーの版画、シマノフスキーの主題と変奏曲作品3が演奏された。シマノフスキーはショパン同様、ポーランドの代表的作曲家で、1937年に亡くなった。あまり知られていないが、伝統と現代性の個人的統合を試みた。この作品3もそうだが、彼の作品はショパンを思わせる悲哀で深く彩られており、類似の気質をもったブレハッチのピアニズムによって、その特徴が明確に演奏されたと思う。ドビュッシーの「版画」では、印象主義を示唆し、多様な色彩感を示そうとしたが、他の曲ほど効果的ではなかった。一方、最初に演奏されたモーツアルトは、古典的快活さに満ち、きわめてドイツ的だった。拍手に続いて、アンコールはショパンのマズルカの一曲。
(評)Umberto Garberini

http://www.vincenzomerolla.it/articoli/napoletani%20fino%20al%2043%20IL%20roma.pdf

MOZART E CHOPIN NEL RECITAL INTENSO DEL PIANISTA POLACCO
Applausi per Blechacz al San Carlo
NAPOLI. Il ventitreenne pianista polacco Rafal Blechacz
(nella foto), vincitore dell’edizione 2005 del
concorso “Chopin” di Varsavia, si è esibito al teatro
San Carlo nell’ambito della stagione dei concerti. Un
recital intenso, culminato nella seconda parte con l’esecuzione
dei Preludi op. 28 di Chopin, opera singolarissima,
che ha visto da parte di Blechacz una lettura
profonda, lucida e ispirata. Il giovane interprete
ne ha restituito il valore di opera unitaria nell’apparente
estemporaneità di brani appena sbozzati e
“disposti selvaggiamente alla rinfusa” (Schumann).
Sono schizzi, o perle, incompiuti, accenni di melodia,
scatti d’ira, visione pura, incomprensibili e sfuggenti
sul piano razionale, ma che bene esemplificano il
mondo poetico dell’autore. Debolissimo nel fisico,
morto a soli 39 anni, la sua musica sembra vendicarlo
con la potenza del genio, del mistero, dell’incanto racchiuso
in piccole forme pianistiche. Perciò, forse più di altre, i Preludi sono la sua opera più significativa
ed emblematica. E Blechacz si è dimostrato all’altezza di un tale compito, sviscerando i singoli brani fino
a farli risplendere in un mosaico perfettamente compiuto, con tutte le tessere al posto giusto.
Ci sono stati anche momenti di rara bellezza, con il canto terso, parlante di uno dei più celebri preludi
(“La goccia d’acqua”), che ha suscitato spontaneamente l’applauso del pubblico durante l’esecuzione e a
cui Blechacz ha risposto con un sorriso.
In prima parte figuravano pagine di Mozart (Sonata in re maggiore K. 311), le “Estampes” di Debussy e
le Variazioni op. 3 di Szymanowski. Insieme con Chopin, quest’ultimo è uno dei più rappresentativi musicisti
polacchi, morto nel 1937, in parte ancora misconosciuto, che ha tentato una personalissima sintesi
fra tradizione e modernità. I suoi lavori sono densi di pathos di chopiniana memoria, come appunto l’op.
3, che si è rivelata probabilmente per questo altrettanto congeniale al pianismo di Blechacz. Meno efficaci
le suggestioni impressioniste e i colori multiformi delle “Estampes” di Debussy, con il suo omaggio
all’Oriente e al folcore andaluso, mentre classicamente vigoroso, fin troppo teutonico, il Mozart d’apertura.
Applausi e un bis con una Mazurka di Chopin.
UMBERTO GARBER

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